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器用貧乏な私、Vtuverになって…  作者: 狐舞サキ
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第十二話 先輩じゃないっすか!

翌朝。


配信の切り忘れなどのアクシデントもなく、無事に朝を迎えた私と梨沙。


そもそも昨日梨沙が泊まりに来たのは今日が休みだから!

今日は講義もなく、残ってる課題もないしお出かけなんかの用事もないので完全にフリーな一日なのだ!!


ということで久しぶりに昼ごろまで寝ていた私。まどから差し込むすっかり高く昇ってしまっている太陽に目を細めつつベッドから起きあがってスマホを確認すると、梨沙から『昨日は楽しかったよ!ありがとー!!』というRINEが入っていた。部屋の中には梨沙はいないので、きっと私を起こさないようにこっそり帰ってくれたのだろう。


「あー…何するかな…」


梨沙はといえば、今日は久しぶりに彼氏さんとデートする予定だそう。全く…友達の配信に凸してそのままお泊りしてそっから彼氏とデート…改めて見ると梨沙ってめっちゃ幸せ者だ。


「まあ、それは私もだけどね」


とりあえず家でゴロゴロしてても何も始まらないのでコンビニにでも行こう。

…昼まで寝ちゃってる時点で一日の半分近くを無駄にしてるんだけどね。

もしかしたらコンビニでも配信に関するアイデアが浮かぶかも知れないし久しぶりにコンビニスイーツを食べたいという思いもある。


もう既にいくつかやりたいことはあるんだけど、やっぱネタは多けりゃ多いほどいいからね。



と、いうことで家の近くのコンビニにやってきた私。


「いらっしゃいませー!」


元気のいい店員さんに軽くお辞儀しつつ店内に入る。


すると、一番最初に目に入ってくるのはiTunesカードの陳列棚。


「そういえばミタマちゃんとゲームコラボするって言ってたけどなんのゲームやるかとか決めてなかったな…。やっぱFPS系かな?ちょっと練習しておこうかな」


今までゲームに課金したり有料ゲームをストアで買ったこともなかったけど、Vtuberやってたら他にも使うことありそうだし買っておいて損はないかな?


そう思った私は人生で初めて5000円分のiTunesカードを買い物カゴに入れる。


…そこはかとない罪悪感があるな…。


ていうかこんなにじっくりコンビニのラインナップ見るのも久しぶりかもなぁ。

あ、このグミ小さい頃大好きだったやつだ。久しぶりに食べよっと。

あとは適当に飲み物も買って…


「いらっしゃいませ!」


買い物カゴをレジに持っていき、店員さんに会計をお願いする。

…と、これみよがしにレジの隣でその存在をアピールしている魅力的な商品に目を奪われる。


「あ、ファニチキ一つお願いします」

「はい、温めるので少々お待ち下さい」


数十秒っていったところかな。


…そういえばシイッターのフォロワー数ってどうなってるんだろう。


VtuberのサキともともとのSAKIが同一人物だとバレてるし、もしかしたらちょっとぐらいフォロワー増えてるかも…?


そう思ってスマホを取り出し、シイッターを開いて確認する。


「え!?」

「どうかされましたか?」

「あ、いえなんでもないです。すみません…」


店員さんに不思議がられてしまったが、問題はそこではない。だって開いた画面には、


SAKI @Saki_37564


フォロー 12359 フォロワー 148210


と表示されているからである。


14万人…?確か数日前に見たときは5万と少しくらいだったような…。


最近あまりシイッターを開いてなくて全然シイートしてなかったので、最後のシイートである

『ああああああああ!!!!やっと講義終わった!暇じゃ!誰か構ってええええ!!』

に鬼のようにリプが殺到していた。


『Vの人?』

『配信見たよー』

『チャンネル登録したよー』

『やっぱ声ヤバいね笑』


などなど…。

こんなに一気にフォロワー増えたことなんてなかったのでどうしたらいいのかわからない…。

一応、今までは10000人毎に記念に何かしてきたのだが(声出し、お絵かきなどなど)、ここまで一気に増えるともはやどうしたらいいのかすらわからない。

というか、こんなに多くの人に見られると思うと何気ないシイートをすることすら躊躇われる。


「お会計7182円になります」


財布から8000円を取り出し、店員さんに渡す。

そしてお釣りを受け取って店を出る間も私はずっとシイッターのことを考えていた。


…と、


「あの、すみません」

「はい?」


コンビニを出てすぐ、後ろから誰かに呼び止められた。お釣りでも落としたかな?


「えっと…私何か落としましたか?」


振り返ると、胸ほどまでの髪を後ろでくくった色白の美人さんが。少なくとも私の知り合いではない。


…でも、どこかで声は聞いたことがあるような…。


「あの、サキさんですよね?」

「へ?どうして私の名前を?」

「あ、いえいえ、狐舞サキさんですよね?」


!?


「どうしてそれを…?」

「あー…さっきレジで並んでるときにシイッターの画面見えちゃって…。なんか覗いたみたいになってすみません」

「あ、いえいえ!完全に私の不注意ですので《《先輩》》は謝らなくていいですよ!!」


途端、その女性の声の雰囲気がガラリと変わった。


「…あれ、バレてました?」

「ていうか話してて声で気付いたって感じですね」

「むむっ、これでも配信のときはちょっと声変えてるんで今までバレたことないんですけどね」

「ふっふっふ…私の耳を誤魔化すにはまだ足りなかったようだな…!」

「あー、サキちゃんだ」

「なんで今!?」

「まあまあ、立ち話もなんですしどっか喫茶店にでも行きません?」

「いいですよ!っていうか先輩なんですしタメ口でいいんですよ?」

「お、いきなり距離詰めてきたねぇ!ていうか呼び方はサキちゃんでいいのかな?」

「ええ、本名なので!先輩は…」

「正体分かった上で尚私の配信者としての名前言わない辺り、プロ意識を感じるねぇ」

「うん、先輩さっき私のフルネームガッツリ言ってましたけどね!?」

「えへへ。あ、私の名前は安藤結菜。ミラライブでは宇天イナって名前でやってるよ」


そう。私が聞き覚えある声だと思ったのはライバーになるにあたっての予習として先輩方の配信のアーカイブや切り抜きをいくつか観たから。


イナ先輩は正統派ライバーといった感じで、他の先輩みたいに目立った特徴はないもののそのトークの面白さや可愛さなどから一目置かれる存在。また、ミラライブ唯一の常識枠が故に色々なクセの強い同期や後輩と頻繁にコラボ配信をしていて、その人並み外れたツッコミのセンスには私も思わず笑ってしまった。

また、頻繁に暴走する他のメンバーをまるで子をあやす母の如くまとめ上げる役割を担っているため、スタッフやマネージャーなんかよりよっぽど大変な『ミラライブ一の苦労人』として知られている。


「なんか、思ってたイメージと違うんですね。もっと真面目な人かと」

「その言い方もまあまあ失礼なんだけどなぁ…。ていうかあの子らの個性が豊かすぎるから私ぐらいしっかりしてないとカオスにしかならないからだよ」

「個性が豊かすぎるって…随分とオブラートに包みましたね」

「オブラートでかなり厳重に梱包したレベルだね」

「心中お察しします」

「これからはサキちゃんもこっち側になってほしいんだけど?」


ほえ!?


「い、いや、私どちらかと言うとボケ担当ですし?先輩らをまとめるなんてそんな…」

「いや、あなたどっちもできるでしょ。昨日の配信観てたんだからね〜?」


そう言うとイナ先輩―――結菜さんは私の肩をガシッと掴んできた。


そういえば、昨日の配信では梨沙がずっとボケまくってるから私はほとんどずっとツッコミ担当してたな…。

…って、いや、そうじゃなくて


「ということで!私もたまにはボケたいのです!いつかコラボさせてね!」

「迷惑かけるって宣言したのと同義ですよそれ!?」



結局今度お互いの予定が合う日にコラボする、ということになった。(結菜さんが半ば強引に決めただけだが)

結菜さんはVtuber以外でも働いているらしく、コンビニに来たのはお昼ごはんを買うためだったそうなのですぐに別れて仕事に戻っていった。

イナ先輩…心労すごそうだなぁ…。


ていうかVtuber始めた途端に三件もコラボ予約が…。思ったより大変そうだなぁ…。ま、楽しいから良いんだけどね!

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