62・ ジャズバーって、オシャレですよね。
暇です。
執務室で生あくびをかみ殺しています。今日のお仕事、書類3枚に署名、以上終了。
私以外の皆さんは大忙しです。
マリは給仕長と料理長と3人で、ピザ実験店舗予定地の小会議室跡で、設備機器の配置図面作成、選択、作業導線確認を行った後、施工部の方々と打ち合わせ。
ココ様と酒管長は客席スペースの内装工事の打ち合わせです。ココ様は何故か自信満々で『店舗内装は私に任せて、最高の仕上がりにして見せます!』とノリノリで、酒管長は本格的なバースペースを作りたいとの事です。
ラビちゃんと総料理長はレストランの調理準備室で、若手の調理師さんと『黒キ支配者』の饗応料理の試作品づくり。
ウルちゃんは開発室で、レストランの若手の調理師さんと、ピザ実験店舗の確定品目の検証をしています。
あ~、勇者は私の目の前、長椅子で寝っ転がっていやがります。
一人寂しく疎外感に苛まれ、勇者を見るとはなしに見ていると、突然、勇者が跳ね起きました。
その途端、大音響が響き、部屋が大きく揺れ動きます。『すわ地震!?』と、思う間もなく、勇者は扉を蹴破るような勢いで執務室を飛び出します。
音のした場所がすぐ近く『小会議室跡?』まさかマリの身に何か!?
いやいや、すぐ側に給仕長、ましてやココ様がいるのですから、万が一にもマリの身に何か起こるとは思いませんが、何が有ったのか気になります。私も泡を食って、勇者の後を追って執務室を飛び出しました。
執務室を出た所で、ウルちゃんと鉢合わせました。
『ロキエル様? どーしたっス。慌てて? いまフンコロガシもすっ飛んでいったスけど?』
『い、いや、今、小会議室の方から凄い音が……』
『あぁ、大丈夫っス。ウルは今、マリ様に料理の確認に言ったところっス』
『な、な、何が有ったの?』
『ロキエル様、落ち着くっス!』
『え、え~っと』
私がシドロモドロしていると、急にウルちゃんが飛びついて来て!?
『ロキエル様、落ち着くっス』
耳元で囁かれると、ペロンとひとなめ、されちゃいました。
『落ち着いたっスか?』
『うん、すげー落ち着いた……』
落ち着いたのか? というより、唖然としたのが正しいような……。
『それで、何が有ったの? みんなに異常はない?』
『ステージっス!!』
『……?……ステージ? ウルちゃん何の事?』
『ココ様が『ステージを作るわよ!』って仰ってたっス!』
『あ、そうなんだ』
『っス!』
ウルちゃん、満足気に頷きますが、何の説明にもならない事を言っています。
ステージという事は楽隊でも入れてBGMでも流そうというのでしょうか? さすがにそれ程のスペースは無いようにも思えるのですが? これは実際に小会議室跡に行ったみた方が早そうです。
『ありがとう、ウルちゃん。私も小会議室に行ってみるわ』
『っス!』
ウルちゃんと分かれ、小会議室に足を踏み入れると……。
なんじゃこりゃぁああ!?




