外伝Ⅲ 思い出いっぱい、夏休み‼
ジェンたちが十三歳の頃の夏…。
ジェン、アンネ、シーガ、ソル、ヴィル、クラッド、アイカは、水遊びをする為に王都に流れる大きな川へと向かっていた。
「夏の水遊び、楽しみです。」
「水遊びは、気持ち良いよ。それにしても、いつも思うけど…この川は凄く綺麗ね。」
アンネは、そう言う。
「この水は湧水と言って、とても綺麗なんです。そして、魔法研究省の開発で、第二壁と第一壁の間にある下水処理場で汚染物質を取り除いて、水を元の状態に戻すんです。王都の外できれいな水が流れているのが、その証拠です。」
「へぇ~。流石、ジェンは物知りね。」
「いいえ。この間、教科書にその事が書かれていたので、いつの間にか熱心になって覚えてしまいました。」
ジェンとアンネはそう話していると、アイカが川に着いた事を知らせる。その川には既に、水遊びをしている人もいた。
「昔と変わらないね。この川、よく遊んでいた時を思い出すよ。」
「ヴィル兄様の思い出ですか?」
「あぁ。ジェンも良く遊んでいたよ。」
「そうでしたか。さぞ、楽しんでいたでしょうね。」
七人は、川岸で靴と靴下、上着を軽く脱いで川へと向かう。ソルは楽しみで走り出す。
「やっほー!」
「ソル、転ばないようにしてください‼」
「大丈夫…―うおぉぉぉ‼」
ソルは、石に張り付いていたコケに足を滑らせ、大きく宙を舞い…そして―
《バシャーン!》
見事に川の中へ落ちて行った。近くにいたジェンとクラッドは、ソルによる水飛沫で濡れてしまい、アンネは「大丈夫⁈」と言って二人の元に駆け付ける。
「ソル君、見事なジャンプだったねぇ。……まぁ、被害は出ちゃったけど。……ジェンちゃん、クラッド君、平気?」
「はい、平気です。」
「俺の事より、先輩たちが濡れなくて良かったです。姉さんが濡れてしまったのは、少しムカつきますが…。」
クラッドはそう言う。ソルは、彼の言葉に恐ろしいと思ったのか…。
「すいませんしたぁぁぁ‼クラッド君、俺が悪かったですぅぅ…。」
そんなソルを見て、ジェン、アンネ、シーガ、ヴィル、アイカ、クラッドは笑った。彼は恥ずかしくなって頬を赤くしていたが、水の冷たさによってバレていなかった…かもしれない。




