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今日から28日までは1日に2話掲載します。
道具屋で筆記用具を買って戻ったけど、良かった、ちゃんと居たよ!
「買って来たぞ!」
「お疲れ~。じゃあ早速紙に『クエスト』って書いて。
あぁ、真ん中に書くなよ?」
「それくらい判るわ!」
こちとら会社員歴20年だぞ!
紙の上方に『クエスト』と書く。で?
「続きは俺が書く。
え~と、そうだな。レベルが2になるまでで良いか?」
「いや、レベル上げは自分でする。基本を教えてくれるだけで良い」
「頑固だな! 魔法も知らないんだろ?」
「魔法くらい知ってるわ! 伊達にメロウクエストを1作目からやってないぞ!」
「1作目から? ……うわ~オッサンかよ。色々納得したわ」
「良いじゃないか! オッサンがVRをプレイしたって!」
「いや、良いけどさ。やっぱチュートリアルをさぁ……」
「それは断る!」
「判ったよ! じゃあ『基本を教える』でいいか?」
「それでお願いするわ」
「はいはい。次は報酬だな。そうだなぁ、まけて200ゴールドで良いわ」
「はっはっは。55ゴールドしかない!」
「自慢すんな! そういや死んだって言ってたもんな……。じゃあ50ゴールドでいいや」
「5ゴールドしか残らないじゃないか!」
「イヤならチュートリアルしろよ!」
「くっ、足元見やがって……」
「俺を悪徳商人みたいに言うなよ。大体、自業自得だからな? 俺は悪くないぞ?」
「判ったよ。それで良いよ」
「じゃあ最後に下に名前を書いてくれ。
あぁ、実名を書くなよ? ゲーム内の名前だぞ?」
名前?
そう言えば、何か決めたような気がするけど……うん、覚えていないな。
「名前が判らないんだが?」
「何でだよ!」
「適当に決めたからだ!」
「だから自慢げに言うな! 自分を『鑑定』してみろ。書いてあるから」
「『鑑定』?」
「物の事が判る方法だよ。口に出して言えばマーカーが出る。それを見れば情報が出るんだよ。
自分を見る時は、手でも見ればよいから」
ほう。そうやって自分のステータスを見る事が出来るのか。
どれどれ、早速やってみよう。
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名前:コラム
種族:ヒューマン
性別:男
職業:魔法剣士
レベル:1
HP:7/15
MP:5/10
体力:12
速さ:9
賢さ:11
運:5
BP:10
満腹度:70%
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おおっ! 見れたぜ!
HPとMPが下がってるのは死んだからだな。
項目自体は以前と変わらないな。カンストするまで上げたなぁ。
ところでBPって何だろうか?
「見れたか~?」
「あぁ、名前はコラムだ」
「デフォルトの名前じゃねぇか! イジってないのかよ」
「どうでも良いじゃないか、そんなの」
「マジかよ……。ま、いいや、書いてくれ」
紙の下方にコラムと書く。
すると男はその下にセージと書いた。こいつ、セージって言うのね。
両方が名前を書くと、視界の下にメッセージが出た。
ログってやつだな。
《クエストを発注しました》
これでOKかな?
「ログが出たろ? これで契約した事になるから。
契約書は自動的に消えるからな。内容を見たければ、ログから見れるぞ」
「了解した。では早速教えてくれ。BPって何だ?」
「そこから?!」
どうやら、知らなければならない事は多そうだ。