5
短いですが、5話です。
気づくと俺は始まりの町の教会に居た。
どうやら死に戻ったらしい……。
何だよ、あのウサギ!
動きは早いし、角は尖っていて痛いし!
勝てないよ! ザコじゃないのかよ!
もしかして、道の左側は強いモンスターが居るのか?
だから人が少なかったと考えられる。
俺が弱すぎる訳じゃない!と思いたい。
とにかく再出発だ。
教会を出てポーチを確認する。
残金は……やっぱり155ゴールドになってる。
この作品は、死んだらお金が半分になるからなぁ。
待てよ? 前作ではデスペナとして、HPとMPも半分になってた。
今の俺って、HPが半分か?
そう考え出すと、少し疲れが溜まってるような感じがする。
これがHPのせいかMPのせいかは判らないけど。
試しに薬草を食べてみた。
薬草という名前だが、見た目はレタスの葉だ。
味は……うん、レタスだわ。
何か少し疲れが取れたような感じがする。
HPが回復したのだろう。
減ると倦怠感が出るって事か。覚えておこう。
ステータスの見れない俺からしたら、重要な事だ。
それにしても、いきなり死に戻るとはなぁ……。
今までのプレイって、お金を消費しただけだよ?
もう今日はログアウトしようかな。
うん? ログアウトってどうやるの?!
やべぇ、基本的な事を知らないって問題だ!
待て待て、もちつけ。ペッタンペッタン、いや、落ち着け。
前にラノベで読んだ事があるぞ。
確か声に出すか頭で考えれば、何か起きたはずだ。
思い出せ~、思い出せ~。
思い出した!
確か『ステータスオープン』だったな!
頭の中でひたすらステータスオープンと考えたが、何も起きなかった。
違うのか? やはり声に出す必要があるのか?
でも街中のプレイヤーの誰もそんな声を出してない。
もし違ったら恥ずかしいな。誰もいない所で実験だな。
しかし、この考えるって方法は使えるのかも。
ログアウトと考えてみよう。
……やっぱり何も起きない。
これはセーブポイントが必要なのかも。
くそ、今まではセレクトを押すかF5を押すだけで良かったのに。
VR、不便だぞ!! コントローラーかキーボードをくれ!!
なんて考えながら歩いてたら、最初に出た場所に戻ってきた。
そこで驚きの光景を見てしまった!
プレイヤーが光に包まれて消えたのだ!
もしかして、あれがログアウトか?!
とすれば、あの場所ならログアウト出来るかも。
よし、あの場で待機しよう。
ログアウトするプレイヤーの傍に居れば、喋ってるか判るだろう。
さあ、誰かログアウトしてくれ!
そう思ってたけど、ログインしてくる人ばかりだった。
困ったな。夜にならないとログアウトする人は少ないのかもしれない。
ま、後30分くらい待ってみるか。
明日からは、毎日投稿の予定です。
投稿時間は夕方になると思います。