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女性はユナという名前だった。
移動中もずっとシロを撫ぜている。生粋のモフラーのようだ。
「じゃあ到着する前に戦い方をレクチャーするね!」
「お願いします」
「角を使って突進してくるのは知ってるでしょ。でもね、盾で防いじゃダメなのよ」
「ダメなんですか?」
「ええ。ツノウサギの角突進には『痺れる』って作用があるの。一般にはスキルって言われてるわね。
だから、避けるか違う物を当てたら良いのよ」
「避けるのは判りますが、違う物を当てるとは?」
「例えば木を背にして戦うの。突進してきたら木を盾にするのよ。
そうすると痺れる事は無いわ。ツノウサギはスキルを使った後、少しの硬直時間が出来るからそこを攻撃ね」
「つまりスキルを使わせて、硬直してる間に攻撃すれば良いって事ですか」
「そういう事! ちなみに、当てるのは木の枝でも石でも何でも良いんだけど、持ってたら痺れるからダメだよ?」
「当たる瞬間に手を離せば良いんですね?」
「ビンゴ! そういう事! 慣れたら簡単だから」
へ~、そうだったのか。
だから最初に戦った時、何の抵抗も出来なかったんだな。
狩りの場所に着くと、シロを返してきた。
5分もかけてだけど。そんなに離れがたいなら飼えば良いのに。
そこを聞くと、まず売ってるのには良いのが居ないとの事。
そして、偶然手に入るのを飼うにはお金が足りないとの事。
それ、俺をディスってますよね? 貧乏のくせに良いのを飼いやがってって事ですか。
俺はシロを頭に装備する。
撫ぜようとしたら引っ掻かれた。俺、飼い主だよね?
そうしてる間に、ユナさんはそこら辺から木の枝を拾ってきた。
それを俺に渡してくる。
「これを使って突進を防いでね」
「ありがとうございます」
「貴方の為じゃないんだからね! シロちゃんの為なんだからね!」
おぅ、ツンデレだ。
いや、これは事実だな。視線は俺の頭の上に行ってるし。
早速1匹登場したツノウサギとユナさんが対峙している。
ユナさんは何も持ってないんだけど、どうするんだろ?
そう思いながら見てたが、何の問題も無かった。
ツノウサギの突進をひらりと躱して、横から切りつけたのだ。
それだけでツノウサギは倒れた。
この人、高レベルなんじゃないか?
「今のは慣れたら出来るようになるから。次は説明した戦い方を見せるね」
「判りました。ところで、もしかして高レベルなんですか?」
「え~と、知らないんだろうから言っておくけど、あまり人にレベルとか聞かないようにね」
「そうなんですか?」
「そうねぇ。女性に年齢を聞くようなものかな。もしくは、男性に年収を聞く感じ」
「あぁ、それはイヤですね。納得しました」
確かに聞かれたらイヤな気分になるな。
そうなると、自慢したくて自分から言い出すヤツもいそうだね。
そんな話をしているとツノウサギと遭遇した。
ユナさんは近くに落ちてた木の枝を拾って、ツノウサギに投げつけた。
何故かツノウサギは避けずに当たり、動きを止めている。
そこを攻撃されてあっけなく倒された。
「こうやって倒すのよ」
「見てましたけど、突進前じゃなかったですか?」
「突進する前は後ろ足に力を溜めてるので判るわ。そこも突進とみなされるから当てればOK。
何回か戦えば判るようになるわよ。はい、じゃあ実践ね」
ユナさんがおびき出したウノウサギと対戦した。
俺のレベルが上がったのを期に終了。合計で12匹は倒したかな。
ツノウサギは10ゴールドをドロップしたので、120ゴールドも儲かった。
ナイフを使ってのドロップ品は「ツノウサギの角」だった。1つ5ゴールドで売れるらしい。
レアドロップは出なかったよ。
ユナさんとはフレンド登録して別れた。モフる為だそうだ。
現在のステータスはこちら。
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名前:コラム
種族:ヒューマン
性別:男
職業:魔法剣士
レベル:6
HP:24/25(↑1)
MP:5/10
体力:18(↑1)
速さ:16(↑1)
賢さ:11
運:12(↑2)
BP:5
満腹度:53%
従魔
名前:シロ(虎の子供)
レベル:1
HP:10/10
体力:3
速さ:2
賢さ:5
BP:7
満腹度:40%
装備:首輪
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残金:124ゴールド
所持品
『鉄の片手剣(1):10』
『皮の胸当て(1):5』
『皮の盾(1):5』
『剥取のナイフ(1):1』
『布で出来た紐(50cm)』
薬草(2)
毒消し(2)
モンスター肉(56)
筆記用具(99)
ミルク(6)
ツノウサギの角(12)
借金
残り185ゴールド
借金を減らしたい……。
ここまでで序盤は終了です。
明日からは2章?になります。
仕事の関係で、2日に1回の投稿になると思います。




