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決死の覚悟で走りましたよ。ええ、本当に。
なんせ2回くらいゴブリンに殴られたからね!
現在HPは3ですよ。瀕死です。
ついでに言えば、満腹度も7%です。本当に死にそうですわ。
勿体無いけど、ここは諦めてポーションを使います。
まさかこんな事でポーチの枠が空くとはね。はっはっは…………悲しい。
到着したから良いとしよう。
満腹度はどうしようかなぁ。
弁当を買う? 食堂で食う?
あっ、死んだから49ゴールドだったわ。
パンを買うかなぁ。
いや、まずは従魔屋だろ。
ここまで来ておいて、何も買えないじゃあ悲しすぎる。
49ゴールドで買えるかは不明だが。
「いらっしゃいませ~」
「すみません。この子なんですけど……」
「おやおや、虎の子供ですね~。買い取りですか?」
「いえいえ、従魔にしようかと思いまして」
「あっ、登録ですか。了解です」
「あの~。実はあまりお金が無くて……。
いくら必要か教えてもらっても良いですか?」
「はい! えっとですね、従魔登録は無料ですよ。
ただし、町に連れて入るには首輪が必要ですので、それは買ってもらいます。
それから育てるのにミルクが必要ですね。
首輪が20ゴールド。ミルクが30ゴールドです」
おぅ、しっと!
1ゴールドだけ足りないじゃないか!
くそっ、金策が必要か。
「すみません。お金を用意してくるので、ちょっと待ってもらえますか?」
「はい、大丈夫ですよ~。では用意しておきますね?」
「お願いします。すぐに戻ってくるので」
俺は虎の子を預けて店を出る。行き先は道具屋だ。
皆、ゴメン。分けてもらったモンスター肉だけど、売るわ。
良心が痛むので、10個だけにしたけど。
これで合計59ゴールド。
で、首輪とミルクで散財して残り9ゴールドか……。
ペットなんて、貧乏人が飼う物じゃないよね!
従魔屋に戻ると、既に準備は出来ていた。
もう首輪も付けられている。
「じゃあ登録しますね~。では名前を教えてください」
「えっと、コラムです」
「ん? それは貴方の名前ですよね? この子の名前ですよ~?」
……全然考えてなかった。
そりゃそうだ。名付けるのは当たり前だよな。
う~ん。どうしよう。
みーみー鳴いてるからミー? 安直すぎるか?
みー、とら、タイガー、赤ちゃん、毛玉……キーワードを出してみたけど、閃かないなぁ。
あーーーーもう、面倒くさい!
実家で飼ってた猫と同じで良いや!
「じゃあ、シロにします」
「……白くありませんけど?」
NPCのくせに、ツッコムなよ。
良いじゃないか。育つのにチビってつける人だって居るんだから。
虎柄でもシロで良いじゃないか。
「え~と、そうそう、白虎って言うじゃないですか! それから取ったんですよ」
「なるほど! 判りました。ではシロで登録しますね」
《従魔登録しました。“シロ”が従魔になりました!》
おおっ、ログが出た。
って事は、これで登録完了か。
「この首輪は穴が4つ開いてますから。それ以上に大きくなった場合は新しいのを買ってくださいね。
あとミルクですが、赤ちゃんなので1週間は持つと思いますよ」
「判りました。ありがとうございます」
「またのご来店をお待ちしてます~」
店を出て、近くにあったベンチに座る。
さて、シロと自分の食事をしなきゃな。
俺の満腹度はどうなったかな?
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名前:コラム
種族:ヒューマン
性別:男
職業:魔法剣士
レベル:5
HP:24/24
MP:5/10
体力:17
速さ:15
賢さ:11
運:10
BP:5
満腹度:7%
従魔
名前:シロ(虎の子供)
レベル:1
HP:3/10
体力:3
速さ:2
賢さ:5
BP:7
満腹度:2%
装備:首輪
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満腹度は減ってないな。
って、シロのも表示されるのか。
……シロ、ヤベぇじゃん! 俺よりもピンチだ!
早くミルクを与えないと!




