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「あれ? 耳がおかしくなったかな? 430ゴールドですか?」

「いえ、43ゴールドです」

「え~と、詳しく聞いても良いですか?」


俺はここまでの経緯を全て話した。

別に隠すような事は無いからね。

ちょっと恥だとは思うが。


「な、なるほど……。なかなか壮絶なプレイをされてますね」

「そうですか?」

「無謀……ゲフンゲフン、いや何でも無いです。

 でもそれでは満腹度が危険じゃないですか? 弁当すら買えないでしょ?」

「そこも悩みのタネなんですよ」

「最初からやり直す気は……」

「無いです」

「ですよね~。はぁ……、判りましたよ。

 こうやって知り合ったのも何かの縁でしょう。私がどうにかしてあげます」

「どうにか、ですか?」

「そうですね。では契約をしましょう。

 私は貴方に『剥取のナイフ』をタダで渡します。

 その替わりに貴方は私に優先で、この近辺で出るモンスターのレアドロップを売ってください」

「売る、ですか? 譲渡じゃなくて?」

「ええ。ただし買い取り価格の半額になります。

 200ゴールドになるまで続けてもらいますけど」

「200ゴールドってどれくらいです?」

「そうですね。例えばモグラの皮。私は30ゴールドで買い取ってます。

 なので、15ゴールドになります。だから14枚売ってくれればOKですよ」


ふむ。悪くない取引じゃないか?

剥取のナイフは手に入るし、お金も儲かる。

他に売れないってのがアレだけど、こんな良い条件を出してくれた人を裏切る気はない。


「じゃあ、それでお願いします」

「判りました。では契約書を作りますね」

「あっ、ついでにモンスター肉を売ってください」

「えっ?! 料理スキルをお持ちなんですか?!」

「いや、持って無いですけど?」

「じゃあどうするん……まさか、食べるのですか?!」

「ええ。満腹度も上がるそうですし」

「凄くマズいらしいですよ?! それでも?」

「ええ。満腹度0%で死ぬよりはマシじゃないですか?」

「マジかよ?!」


あらら。驚き過ぎて素の言葉になってるわ。

そんなに驚く事かなぁ? だって、たった10ゴールドで回復するんだろ?

お得じゃないか?


「ちょっと待て。まず1個プレゼントするから食ってみ?

 実は味には興味がある。どれくらいマズいか知りたい。自分で試そうとは思わないけどな」

「いいけど。満腹度も30%になってるんで」

「あっ、食う前にサインしてくれ」


サインが終わると渡されたモンスター肉。

見た目は……いわゆるマンガ肉ってやつだ。

骨の長さが20cmくらいで、肉は真ん中に10cmほどついている。

肉の厚みは3cmくらいか?

問題は、これ、生だよな? 焼いたらダメなのか?


「焼いたらダメなんですかね?」

「料理スキルが無い者が料理すると食べられない物になるって話だぞ。

 焼くっていう単純な事でも料理スキルが必要なんだ」

「そうですか。じゃあいいか。食べてみるわ」


真ん中にカブりついてみた。

なんて言えば良いだろうか?

こういう説明って、皆が食べた事のある物でした方が良いよな。

そうだな。うま○棒ってあるだろ? あれをゴマ油に浸して、その上から納豆をかけた感じ。

噛んだ感じはヌメりの取ってないイカ? いやゴムか?


「一言で言おう。すげーマズい!!」

「やっぱそうなんだ!」


俺はさっきの脳内での感想を教えてやった。

興味津々だったので、食べるかと言ったら冷静にいらないと言われた。


俺は泣きながら食べた。

運営よ、悪意がありすぎるぞ!


「満腹度はどうなった?!」

「ちょ、ちょっと待って……くれ。う~、気持ち……悪い……」

「で、どうなったんだよ?!」

「うえっ……えっと、10%回復……した……」

「へ~! 食べきったヤツっていなかったからな!

 そうか、10%回復か~! 掲示板に書き込も!

 お礼に持ってるモンスター肉を全部やるよ!」

「あ、あり、がと、う」

「あっ、フレンド登録しとこうぜ! 手に入ったら連絡してもらわないといけないしな!」

「お……おう…………」


今日の成果。

モンスター肉が5個

剥取のナイフ


まだログインしたばっかりだけど、ログアウトしようかな……。

明日からは1日1話投稿に戻ります。

仕事後になるので、16時~19時に投稿予定です。

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