クマ
「って言ってもなぁ」
そう、ここは谷底だ。右も左も分からない、さらには、上も下も分からないところなのだ。
「まあ、適当に上を目指すか‥‥」
そう言って歩いていくと、
「グルぅぅ‥‥」
さっき下敷きにしたようなクマさんが現れた!
コマンド選択!
▶逃げる
逃げる
逃げる
逃げる
カイトは逃げた!
「うわぁぁああああ!」
いや、そりゃあ逃げるでしょ。こっちは素手、相手は爪持ってるんですよ?どっちが強いかなんて、見れば明らかでしょう!
「グルゥウウウウウ!」
「何っ!?」
しかし、回り込まれてしまった!
「ガルゥゥ!」
「っ!」
熊はがむしゃらに爪を振り回す。一度でも当たったら致命傷は確実だ。俺は必死に逃げた。
カラ‥‥
音がするほうを見ると、小さな横穴があった。人一人入れるかどうかの穴だ。
あそこに逃げ込めば、助かるかもしれない!
そう思い、その穴に一目散に飛び込む。
ようやく穴に到着!早く入らないと、クマに食べられてしまう。
「ウオオオオオ!」
穴に頭から飛び込む。その時、
「っ!」
足に鋭い痛みが走る。だが、そんな事はどうでもいい。俺は、必死に穴の奥に逃げ込んだ。
「っハァハァ‥‥」
そして、穴の方を見ると‥‥
クマが何かを食べているのが見えた。
「‥‥え?」
思わず、自分の体を確認する。
「っっっ!」
俺の足が片方なくなっていた。そう、くまが食べているのは、俺の右足だったのだ。
最初は片目を無くそうかと思ったんですが‥‥目だけだと甘いかなと思い、右足にしてみました。