イジメ
「はぁっ!」
「ぐはっ!」
あ、ちなみに、やられてるの俺ね?
今日は今日とて、いじめは続く。今日は、拳士の不良さんから手厚い、シゴキという名の、一方的な暴力が続いております。
「オラオラオラオラ!どうした無能!だから無能なんだよ!剣を使っても勝てないのか!」
「っ!」
不良が拳を振り回してくる。正直、無茶苦茶に振り回し過ぎて、型も何もあったもんじゃないが、それでも、拳士の補正を受け、力などが上がっている不良に比べ、俺は錬金術師、つまり、無補正だ。そんな俺が木刀を持っても不良に勝てるわけもなく‥‥俺の意識は、数分後に暗転していた。
「‥‥~ん?‥‥イく~ん?‥‥カイく~ん?」
「はっ!?」
気づいたら、そこは、城の病棟だった。俺は気絶していたらしい。
「もう!カイくんったら!今度こそ死んじゃったのかと思ったよ!」
「いやいや‥‥こんな事で死ぬわけないだろ?」
訓練なんかで死ぬとか、絶対にしたくない。
「でもぉ‥‥カイくん、丸1日寝込んでたんだよ? 」
「‥‥は?」
聞くところによると、俺は、不良に倒された後も、殴り続けられて、病棟に運び込まれたらしい。‥‥あんにゃろぉ‥‥
「なんで戦闘の授業に出るの!カイくんは錬金術師でしょう?」
「いや‥‥錬金術をするには、莫大なお金が必要みたいで‥‥無能な俺に何か、させる理由にはいかないってさ。」
「何よそれ!王様に文句言ってやる!」
「やめなさい。」
王様に俺のことで文句を言うのは、流石に困る。最悪、城から放り出されるかもしれない。それだけは勘弁して欲しい。
「まあ、衣食住を提供してくれるだけでも、ありがたいと思わなきゃ。」
「むぅ‥‥」
「じゃあ、俺はもうひと眠りするから。おやすみ。」
そう言って俺はベットに潜り込む。
「うん‥‥‥‥‥‥カイくんのばか‥‥」
あいにく、早苗の声が海叶の耳に届くことは無かった。それが、彼に掛ける最後の言葉とも知らずに‥‥