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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

その場☆創作劇場 〜 死を侮ることなかれ

作者: 秘咲 苫戸

※小説を読む時は、部屋を明るくして、画面に近づきすぎないようにしてね

なんだよ、お通夜みたいな顔して

お前、何か悩みでもあるのか

私でよければいつでも聞いてやるよ

あ、でも、「殺して欲しい」とか、恋の悩みは聞けないからな

...え?じゃあいいって?

お、お前、もしかして、殺して欲しい人がいるのか!?

...だ、だよな、そっちだよな

...で、誰なんだ

まっ、あのクラスのアイドル、A子ちゃんか!?

ばか、やめとけ!ライバルが多すぎるし、下手すると怪我を...

...それでもお前が本気なら私は応援するぜ

行ってこい、絶対やるって信じてるぞ!

(2時間後)

...おかしいな、もう2時間は経つのに...

も、もしかして告白に成功して今頃一緒に...!?

それから3時間。しかし、Bくんの家に電話をかけたが、まだ帰ってないらしい。

あわてて私とB君ママ、警察が探した。

最初に見つけたのは私だったが...

そこには、変わり果てたBくんがいた

ねえ、何か言ってよ

ねえ、ねえってばあああ!!

B君ママは泣き叫んでいた。

Bくんは搬送先の病院で天国へ旅立った。

14歳だった。

父親も、子が病院に搬送されたと聞き、すぐに病院に駆けつけたが、B君が旅立つ瞬間は、一足早かった。

父は嘆き、母は悲しみ、兄弟は泣き、そして私も泣いていた

次の日は何の変哲もなく現れた。

お通夜は身内だけで行うそうだ。

友達が私に問いかける。

「どうしたんだ?お通夜みたいな顔して」

私は答えることが出来なかったが、それは先生が教室に入り、口を動かした瞬間に全員が分かった。

あそこで私が引き止めれば

あそこでA子ちゃんに告白するのを手助けしなければ

もしかしたら防げたかもしれない

引き止めれば良かった

私のせいだ

私はビルの屋上にいた

....あれ?私は一体何をして...

私はビルの屋上にいた、その後早まって飛び降りた...

なのになぜ私は今...

「夢」...か...?

ふと周りを見たら、悲しむ母、嘆く父、泣き叫ぶ兄弟がいた。...Bくんは生きていた...しかし、なんでみんな私の周りで泣いてるんだ...?

23:40、永眠

...え、え、永眠!?

だ、誰が...!?

あ、あれ?あそこに寝ているのは...私!?

ま、まさか、まさかまさかまさか

母「まさか...A子ちゃんに告白したら誰かに殺されるなんて...」

Bくん「俺が...あいつを引き止めていれば...」

父「Bくんは何も悪くない、悪くない...」

私は涙が止まらなかった

みんなに思われていた、という心の痛みが止まらなかった

Bくんが死んでしまったはずが今立場が逆転し、私が...

そして、私がA子ちゃんに告白したなんて記憶はない。

何がどうなってるかわからない

…私が今、何を考えても現実世界に何か出来る訳でも無いな

…もう…死んでいるのだから。

私は今、どうすることも出来ない。

と、思っていた

人に乗り移る事ができるのだ。

私は興味本位でBくんに乗り移ってしまった。

1週間、過ごした

すると、「あの日、あの会話をした場所 時間」だ。

なんと、Bくん(私)の前に「私」が現れた

私「会ってしまったね、私」

(私)「なぜ私がいるの...?」

私「死霊が人間に乗り移ってから1週間経つと、別の時間軸に移動するんだ」

(私)「...で、その時間軸の自分に出会うと」


私「そう、私、また、その死霊が乗り移った人間は」

存 在 が 消 え る

私「つまり、生き返ることも出来ない」

私「死ぬことも苦しむことも悲しむことも」

私「何も出来なくなる」

(私)「...あなたを倒すのか?」

私「まあ、普通のゲームならそれで解決するかもな」

死ぬと言うことは、そんなに甘くないんだ

そうか、私は「死」について甘く考えてた

しかし私の軽はずみな乗り移りのせいで

何の罪も無い人間の「存在を」消すことになってしまった

その後悔は絶えることはなかった

その後私の存在は消えたが、その「後悔」はいつまでも消えることは無かった

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