かみさまとそのしそん
世界に季節というものが生まれたのはいつからだと思う?
季節がどうして春・夏・秋・冬と四つあるのか知っている?
ここ、ゼル・リアには古くから伝わるこんな話があった。
むかーしむかし、ゼル・リアにはせかいをまもるやくめをになったかみさまたちがいました。 そのなかでもひときわうつくしく、そうめいであったのがきせつをつかさどるかみさまでした。
きせつをつかさどるかみさまはじぶんにあたえられたちからをはる・なつ・あき・ふゆというよっつにわけ、それぞれのちからをもったしそんをつくりだしました。
ほかのかみさまたちはみな、きせつのかみさまのこと「かみさまのくせにしそんをつくるなんておかしい」といっておこりました。
しかし、きせつのかみさまはいいました。
「きせつはこのさきなんびゃっかい、なんぜんかいとめぐるもの。このせかいゼル・リアとともにきせつもせいちょうするものです。いつまでもふるいかみがそれをつかさどるちからをもつべきではありません」
それをきいたほかのかみさまはそれでもやっぱりきせつのかみさまのことをおこり
ました。すべてのかみさまにとって、かみさまがしそんをのこすなどということはせかいをみはなすことといっしょだからです。
きせつのかみさまはいいました。
「せかいをみはなすのではありません。せかいをそだてるためにしそんをのこすのです」
しかし、もうどのかみさまもきせつのかみさまのいうことなどきいてはいませんでした。
やがて、きせつのかみさまはゼル・リアにたったひとりのこされてしました。かみさまはくものうえでなげきました。
「ゼル・リアのはんえいをねがうことはそんなにおかしなことなのですか?かみさまがしそんをのこしてはいけないなんてだれがきめたのですか?」
みっかみばん、きせつのかみさまはくものうえでなげきました。しかし、きせつのかみさまにだれもこたえをくれるものはいませんでした。やがて、きせつのかみさまはじぶんでそのこたえをみつけることをきめ、ひとりしそんをのこすかみさまとしていきていくのでした。