掌の花
あなたと繋いだ掌の熱は
春を迎える喜びをくれた
あなたが見捨てた掌の孤独は
梅雨を渡る絶望を与えた
桜の花びらが降る夜に
生きる意味を私にくれたね
君子蘭に幸せを寄せて
集める夜 あなたがくれた明日
忘れないようにさよならは言わない
あなたの手が冷たくならないように握る
時間を止めて・・・
あなたと握った掌も今は
あなたよりも冷たくなってしまった
大人になれない私の心に
降った氷柱は今も温かいまま
杜鵑草に私の全てを
私を見る純粋なあなただから
あなたの瞳を忘れないように
流れる涙で心 濡らさぬようにそっと塞ぐ
あなたの眼に映っていた私が
いつまでも綺麗なままでありますように・・・
千日紅に別れを告げた
甘すぎる春はこの心にいる
忘れぬようにさよならは言わない
あの日のあなた
子供のままの私 夢のなかで・・・
あなたと愛した桜月と
あなたと別れた菖蒲月と
あなたと過ごした花残月と
私と愛した記憶のなか
あなたが愛した夢見月も
あなたが幻滅した暮春も
あなたと愛を紡いだ木葉採月も
あなたが愛した私の夢のなか・・・
君子蘭,杜鵑草,千日紅は花の名前です。 花言葉は各自で調べてください。 自分で説明するのはちょっと恥ずかしいので…
34行から41行目までの~月、暮春は月の名前です。 意味は上に同じく。