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ラムネット  作者: ラムネ
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16話 口に蜜あり腹に剣あり

口に蜜あり腹に剣あり


口では相手が喜ぶようなうまいことをいいながら、内心は陰険で悪意を抱いていることである。

【16話 口に蜜あり腹に剣あり】


 美玖みくの目は開かれたままだったが、何も見ていなかった。

 何を言っても、反応を示さなかったので部屋まで送ると朝まで出てくることは無かった。

 月桂げっけいしゅんは、二人で出掛けてしまったので仕方なくりゅうは留守番をすることにした。昼間、隼を殴ってしまったこともあり、顔を合わせるのが気まずかったので少しホッとした。


 朝になると、美玖は部屋から出てきた。身支度をすると月桂げっけいを見やり「今日は一人で大丈夫です」と言い、朝食を食べずに出かけて行った。誰とも目を合わせなかった。

 隼が目配せすると、了解したように月桂は頭を下げ後を追った。

 柳は、月桂が出て行くのを確認すると隼に話しかけた。


「昨日は悪かった。俺の八つ当たりだ」

 昨日、学校で隼を殴ったことを謝罪した。いつも横柄な態度の柳には珍しかったが、隼に対しては素直に謝ることができた。

「いいよ。僕も冷たい言い方だったから」

 唇をかみしめ決意したように柳が言った。

「俺を殴れよ」

「ええ?」

 急にそんなことを言われても・・・と隼は困った。

「殴れよ」

「嫌だよ」

「俺の気がすまないんだよ」

 照れたような困ったような顔で柳は言う。案外かわいいじゃないか、と隼は思った。

「僕は暴力は好きじゃないんだ。知ってるだろ?」

「殴れって・・・昨日、痛かったろ?」

 まだ少し赤い隼の頬を見て柳は目を伏せた。

「まあ、痛かったけど・・・・・・」

 少し考えた後、言いだしたら柳は聞かないだろうと思った。

 仕方ない。


 ガタン。イスの動く音がした。

 来るか、そう思った。

 次の瞬間、口に柔らかい感触があった。


 まさか―――ウソだろ!?


 目を開くと隼の顔が目の前にあった。

 間違いなく、今、幼馴染の男に、自分はキスされている・・・

 それを脳が理解した時、力任せに隼の体を離し口元を袖でぬぐった。


「なっ・・・なっ・・・何しやがる!?」

 耳まで顔を赤くして柳は驚いた。

「精神攻撃」

 そう言うと、悪戯っぽく隼は笑った。

「だってさ、殴るなんて何もいいことないし。こんな機会じゃないとキスなんて出来ないだろうし」

 あまりに平然と言うので、柳は何も言い返すことが出来なかった。

 まったくもって、理解不能だった。

 コイツを敵に回すのはよそう・・・そう心に誓った。



 美玖は学校に着くと、何事も無かったかのように授業を受けた。

 下校の時間になると、昨日の場所まで向かった。本当は、この場所には来たくなかったし彼らにも会いたくなかったが、どうしても美玖は会わなければならなかった。

 彼らはいなかったので、近くを探すと見慣れない制服の男と、昨日のアキラという男達がいた。


「帝秀のやつなんだろ、そいつ連れてこいよ。すぐ金出すんだろ」

「無理ですよ・・・もう手出さないって金もらったんですよ」

「バカかよ! そんな金づる放っておくのかよ。いいから、その妹の方連れてこいよ」

 自分のことだ、と直感的に美玖は分かった。

「先輩たち、自分のとこでやってくださいよ」

「うるせえな! こっちだって必死なんだよ。今日中に木島さんに金持ってかねえと、どうなると思ってやがんだ!」

「俺ら・・・関係ないでしょ」

「金出したの帝秀のやつなら、俺らの担当だ。そいつの名前教えろよ」

「いや、知らないんすよ・・・妹の方は立花・・・なんだっけ?」

「美玖」

 あっと、吉田とアキラは声をあげた。当人の美玖が出てきたからだ。


「お前・・・バカか、何で来たんだ・・・」

 呆気に取られた吉田とアキラを無視し、美玖は高校生と思われる男たちに向った。

「私が、立花美玖」

「あ・・・ああ、そうか。悪いんだけどよ、帝秀の兄貴にさ、また金持ってきてもらえないか?」

「できません。私、昨日のお金返してもらいたんです」

 美玖はきっぱりとした口調で言った。

 一同に、ピリとした緊張の空気が流れた。

「・・・困ったな」

 しばらく考えた後、高校生の男達が小声で話しあい、チラと美玖を見た。

「あの金は、木島さんて人が預かってるんだ。悪いんだけど、そこまで送るから自分で言ってくれる?」

「・・・・・・分かりました」

 吉田とアキラは背筋が凍りついた。木島のところまで行くってことは、木島に恐喝を手伝ってもらうつもりなのかもしれない。少なくとも、あのたまり場に行くのは美玖は危険すぎると思った。木島に金を返してくれなんて言ったら・・・考えただけでゾッとした。

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! 先輩たち、ヤバイですって。普通の子ですよ」

「お前、その普通の子から金取ったんだろ? 何自分だけ良い格好しようとしてんだよ」

 ギロリと吉田を睨んだ。アキラも何も言えなかった。

 高校生たちに付いて行く美玖は、小さい体で前を向いて歩きだした。決意の目が見えた。

 彼女は知らないから・・・木島がどんなに恐ろしくて女にも容赦ない人間だと。

 恐ろしいことになると分かりつつ、どうすることも出来ない自分の無力さに二人は息が詰まるのを感じた。




 木島達のたまり場に行くと、一台の車があった。男たちはギクリとした。この車の持ち主は前に一度見たことがある。木島の後ろ盾である組員の車だった。

 自分達の名前を告げ、中に入る許しをもらうと、ゆっくりと入った。

 やはり、中には木島と組員と思われる男がいた。

「すみません、加藤さん。ちょっと来客で」

 木島が低姿勢で加藤という男に断りを入れた。加藤は了承し、イスにドカッと座ってこちらを見た。

「で、金は?」

「・・・っと、すみません。まだ・・・」

 すると、木島は吸っていたタバコを高校生の腕にグイと押しつけた。「熱い」とわめく高校生の腕をつかみギュウとねじり面白くなさそうに睨みつけた。

「・・・すみませんっ!」

「また昨日みたいになりたいのかよ・・・役に立たねえやつらだな・・・あ? 誰だ?」

 緊張した高校生たちの後ろで、こちらを見てくる少女を見つけた。木島には見覚えのない顔だった。

「あの・・・昨日、央中おうちゅうの奴らが言ってた10万払ったっていう」

「ああ・・・吉田たちの・・・妹の方か。で?」

 誰かは分かった。だが何で連れて来たのか分からなかったので木島は無性にいらついた。

「お話があるんです」

 美玖の声だった。澄んだキレイな声がこの倉庫には似つかわしくなかった。

「なに?」

「昨日のお金、返してもらいたいんです」

 木島の目をみてハッキリと言った。一晩考えた結果、隼のお金で解決するのはやはり納得できなかった。お金が返ってくるとは、美玖自身難しいだろうと思ったが言わない訳にはいかなかった。

「悪いな、そりゃ無理だ。何? まさかそれを言いに来たの?」

 木島は眉を寄せ、高校生たちを睨みつけた。慌てて高校生の一人が弁解した。

「いえ、違うんですよ。こいつの兄貴の方を呼び出そうと思って。ほら、分かったろ? 無理だって。さっさと兄貴の連絡先教えろよ」

「んなこと、そっちでやれよ」

 木島がいらついて舌打ちをし、美玖は短く首を振った。焦った高校生たちは必死だった。

「兄貴にまた金都合してもらえよ。そしたらすぐ返してやるよ」

「・・・嫌です」

「状況分かってんのかよ! いいから兄貴の連絡先言えって!」

「嫌・・・」

 美玖が頑として譲らないので、高校生たちは大声で精一杯の虚勢を張って説得した。もっと、すぐに恐がり兄の連絡先を言うと思っていたので、調子が狂ってしまった。

 このまま金が払えなかったら、昨日より酷い目に遭うのは分かり切っていた。しかし、中学生の少女に手をあげることには、ひけ目を感じていた。


「なるほどね。お前ら、集金向いてねーな」

 木島はそう言うと、美玖の方を向いて、肩に手を置くと平手で頬を打った。パチっと音が響いた。

「俺はやさしいから、遠慮して平手だ。早く連絡先教えろよ。事情はうまい事言ってやるからよ」

「どんなに痛いことされても、私は言わない・・・」

 キッと美玖は木島を睨みつけた。本当は恐怖で手足が震えていた。暴力を振るわれるかもと分かっていても、実際に攻撃されると、肉体的にも身体的にもショックだった。

 木島はバカにされたと思い、こぶしを振り上げた。

「まあ、待てよ」

 ずっと黙って見ていた加藤が、一言で木島を制した。

 コツコツと靴音を立てながら美玖に近づくと、ニヤリと不敵に笑った。

「よってたかって女の子いじめて可愛そうじゃないか。わざわざ兄貴から取らなくても、彼女からもらえばいいじゃないか」

 加藤がねこなで声で話した。

「え、でも中学生なんで、そんなもってるか・・・」

「彼女、すごく可愛いじゃないか。すぐに客がつくだろうな。10万だって2・3回で回収できるし、良かったなー」

 そういうことか、と男たちは加藤の考えを察知した。

「あ、それは、さすがに・・・警察とかにチクられたらマズイのでは・・・」

 遠慮がちに、高校生の男が聞いた。

「ハハハ。恐喝だって似たようなもんだろ。なーに、心配だったら、ヤってるとこ写真とかカメラとかで撮って脅せばいいだろ。お前ら若いんだから、平気だって」

 笑いながら加藤は真っ青になった高校生の肩を叩いた。次に美玖に向って笑いかけた。

「で、君はどうする? 客とるんだったら、すぐにでも紹介できるけど」

「・・・・・・えと?」

 美玖は話が見えてこないので戸惑っていた。感づいた加藤はオーバーに手を広げて驚いて見せた。

「なんだ、処女か。はじめてだったらいい客紹介できるな。ハハハ」

 加藤は上機嫌で高笑いをし木島に「やれ」と命令した。木島は美玖の後ろに回ると抵抗する間もなく羽交い絞めにした。思わず美玖はビクっと体を震わせた。


 ギィとドアの軋む音がして、一同は驚いてドアを見た。

「遅くなって悪かったね」

 声がしたと思ったら、男が向かってきた。

 来る、と思って身構えるより早く木島の視界が回転した。

 木島の体が後方に飛び、置いてあった資材にあたり、音をたてて倒れた。そのままピクリとも木島は動かなかった。

 美玖が手をつかまれ見ると、月桂がいた。どうして・・・と問う間もなく、加藤の怒声が響いた。

「誰だ、てめぇっ!」

「向こうで話そうか。彼女の兄だよ」

 ドアの前で隼が和やかにそう言った。やはりさっきの声は隼だったのだと美玖は理解した。

 高校生たちは、月桂に殴られ一発で意識を失った木島を目の前で見、恐怖で動くことができなかった。

「なんだ、お前が例の兄貴か、いいぜ。俺が話を聞こうか。なんだ、場所知ってたのかよ」

 そんなハズは・・・と高校生たちは思ったが口には出せなかった。

 隼と加藤は、先ほどまで加藤が座っていたイスの近くまで歩いて行った。

 靴音が静寂の中、響いていた。


「あれこれ話す気もないし、単刀直入に聞くけど、いくらがいい?」

「あ? ずいぶん物分かりがいいじゃねえか」

「僕は暴力が嫌いだし、お金で解決できるならその方がいいって思ってるんだ。ただし一度きりだ。いくらがいい?」

 隼の態度に加藤は面食らった。かつてこんなに、あっさり恐喝に応じた人間がいただろうか。恐喝というような緊張感はまるでなく、お菓子がいくつ欲しいか聞いてる友達のような気軽さだった。

 ―――こいつは、生粋のバカか相当の金持ちじゃないのか・・・

 加藤はそう思い、さていくら要求したものかと算段した。隼と一緒に来た月桂には少し気がいったが、まあ、吹っかけてやればいいかと思った。

 加藤は人差し指を天井につきつけた。

「そいつ、お前の連れが殴って気絶させたの、木島ってんだけど。そいつの治療費も合わせて一本でどうだ。それで妹には手を出さないよ。なーに、俺はこう見えて正直ものだからな」

 ただし、木島は手を出すかもな。そう思ったがもちろん口には出さなかった。いい金づるになるかもしれないと加藤はほくそ笑んだ。

「分かった」

 隼はそういうと、紙袋から紙幣の束を取りだした。帯封おびふうがかかった小束が縦に十。その上から大帯紙を巻いて一纏ひとまとめにしてあった。

 加藤はごくりと喉を鳴らした。小束一つで百万が普通だ。それが十ということは・・・

 ―――このガキ、一本で一千万のつもりか!

 百万でも十分だと思っていたので、加藤は呆気に取られた。

「これでいい?」

「お前・・・どういうつもりだよ・・・」

「心配しなくても、本物だよ。さっき銀行で下ろしてきたばかりだから」

 加藤は、目の前で大金を出す隼が不気味に思えてきた。


「だめよ・・・」

 美玖の苦しそうな声が聞こえた。

「だめだよ・・・隼くん・・・そんなのダメ・・・」

 前に進もうと美玖は足を出したが、なぜか足取りがおぼつかなく膝ががくんと落ちた。月桂が膝をついた美玖を支えると、苦しい表情で隼を見ていた。

「いいんだよ。どうせお金なんて使い切れない位あるんだ。それに、美玖ちゃんが辛い目にあうのは見てられない」

 やはり、金持ちか―――加藤は高揚した。

「私は・・・いいの。痛い思いなんて・・・平気なの・・・殴られた方が平気なのっ!」

「僕はいやだ。見たくない」

 困ったように隼は微笑した。

「私も・・・いや・・・」


 加藤は、隼の気持が変わらないとも言えないので、電話で部下を呼ぶと、一千万の束を紙袋に入れ抱えた。手の中にある大金の誘惑は絶大だった。

 数分もしないうちに、加藤の部下がやってきて金を受け取るとすぐに出て行った。それを確認すると、加藤は少し安堵しイスに座った。


「もう帰っていいぞ」

 隼のことは依然不気味な存在だったので、加藤は早くどこかに行ってほしかった。タバコに火をつけようとした瞬間、隼に言われた一言でその不安は更に強くなった。

「悪いけど、あなたの上司に連絡してもらえますか?」

「・・・・・・あ?」

「お話があるので。できるだけ上の人がいいんだけど」

「何言って・・・ふざけんなよ!」

 加藤は言いようもない不安に襲われた。何か自分は取り返しのつかない何かをしているのはないか、と。

「河合建設・・・より、こっちの方がいいかな。二代目広田組 組長 河合剛大 連絡してくれる?」

「なんで・・・・・・」

 それ以上は加藤の口からは言えなかった。目の前の少年が、いったいどれだけの事を知っているのか、加藤には想像もできなかった。

「・・・サツに垂れ込むつもりか」

「まさか。僕は警察も好きじゃないんだ」

 隼の目つきが段々と尖ったものになっていった。

「・・・オヤジに何話そうってんだ!」

「もちろん、交渉だよ」

「交渉だと? ガキが何言ってやがる」


 次の瞬間、騒々しい足音とともに扉が勢いよく開かれた。物々しい雰囲気の男たちが一斉に入ってきた。

「加藤! てめえ手ぇ出してねえだろうな!」

 加藤のそばまで行くと、怒気をあらわにした組長 河合が一喝した。あまりの剣幕に、加藤は一歩後ずさった。

 どうして河合がいるのか、質問する暇もなかった。

「な・・・手は出してません。あの・・・金はもらいましたが」

 言うなり、強い力で頭を押さえられ床に額をつけ土下座をする格好となった。

 加藤はわけが分からず河合を見たが、河合も地面に額をつけていたので、仕方なく頭をつけた。

「申し訳ありませんでしたっ!」

 加藤は、河合の剣幕と思いつめたような顔で、ただ事ではないと理解した。


「すみません。先に広田組の河合組長に連絡させて頂きました」

 一人の男が隼に近づき、そう言った。

「・・・心配性だな」

 そう言うと、加藤と河合を見下ろした。

「河合さんはもう知ってると思うけど・・・父の名刺です」

 加藤に見えるよう、名刺を近づけた。見た瞬間戦慄が走った。

 あまりにも有名な、強大な組織の組長の名前だった。目の前の隼が父だと言った。彼は美玖を妹だといった。元は木島たちの恐喝とはいえ、自分もそれに加担しているのは明白だった。すでに金銭のやり取りをしてしまった。事情はどうあれ、それは事実だった。

 まさか、信じらないと思う程に思考は空回りし、喉がひりついた。

「すぐに金は返却させていただきます。どうか大事にはしないで頂きたい」

 河合は頭を床につけたまま、懇願した。

 河合は下部組織の組長で、隼の父とは到底並ぶことなどできない立場だった。その子ども二人から知らなかったとはいえ金を脅し取ったとなれば、河合の組など吹き飛んでしまう。


「せっかく学校に行き始めた大事な妹に、ある男が恐喝したんだ・・・僕の学校の友人も、恐喝されそうになったんだ。調べてみたら、出所は一緒だったんだよ。本当に、吐き気がする話だ・・・」

 ピンと張りつめた隼の声に河合と加藤は息をのんだ。

「別に、こういう事が珍しいとは思わないけど。僕の近くでこういう汚い真似が行われてるのは我慢ならないんだ。運が悪かったと思って諦めてよ」

 全身から冷たい汗が出た河合は「どうか」と懇願を続けた。

 隼は氷のような冷たさで河合を見下ろした。


 隼は一瞥すると、先ほど伝言した男に向かって小さく話した。

「あとは任せるよ。ここからは、美玖ちゃんには見せたくないんだ」

 男は「分かりました」というと、深く頭を下げた。

 美玖は一連の騒動が、急展開を告げ変化した状況がまったく分からなかった。

「お嬢さん、帰りましょう」

 月桂が後ろから声をかけた。美玖を支えたまま隼を見た。

「隼くん・・・どういうこと?」

「大丈夫だよ。お金はちゃんと後で最低2倍で返してもらうから」

 そういうとくつくつと冷めた笑いをした。

 いつもと雰囲気の違う隼に何て声をかければいいのか美玖には分からなかった。


 月桂を振り返り、美玖が話しかけようとした時、視界の端で何かが動いた。



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