ミミックが あらわれた!
マサムネは、2日ほど検査入院することになった。
本人は何ともないとは言うが、フェアリーに魅入られたあの様子を目の当たりにした家族はさすがに心配になり強引に検査を受けさせることにしたのだ。
──数日後。
学校から帰宅したルミは、柴犬みりんの散歩へ。
まだ明るいしたまには公園にでも行くかと、近くの広い公園まで向かうルミとみりん。
公園では沈みゆく夕日のなか小学生たちが元気に遊んでいる。
ルミはスマホをいじりながら好きに歩かせていると、みりんが突然雑草が生い茂る草むらの前で立ち止まった。
何やらじーっと草むらの方を見つめるみりん。
猫でも見つけたのかな?と草むらを見てみるが特にその様子もない。
風雨にさらされボロボロの、ネット通販Lamazonの小さな段ボール箱が転がっているだけだった。
「ほら、何もないって。行くよ」
とリードを引っ張るも足を踏ん張り頑なに動こうとしない。
「もぉ…行くよみりん」
ルミが抱き抱えると、みりんは小さく草むらに向かって吠える。
その拍子に段ボール箱がビクッと震えた。
「うわっちょっと何」
もぉ冗談でしょ?まさかまた…と嫌な予感が頭をかすめた次の瞬間、箱の底から蜘蛛の様な足がにゅっと出たかと思うと、ビョンッとルミに飛びかかってきた。
空中で箱がガバッと開くと中からカミキリ虫に似た顔が口を開けて飛び出した。
案の定、モンスターだった。
「きゃああぁっ!」
と悲鳴を上げながら尻もちをつくルミ。
箱は尻もちをついたルミの頭上を越えて地面に着地。
「ちょっと来るな来るな来るな!」
とみりんを抱きかかえながら足でしっしっと追い払おうとするルミ。
顔を出し、シャーっと威嚇しながらルミとの距離を少しずつ縮める箱。
箱がルミに飛びかかろうと足に溜めをつくったその時。
一人の子どもが後ろから金属バットを振り下ろした。
さらに別の子供たちも駆けつけ、次々と木の棒で突き刺したり足で思い切り踏んづけたりし出す。
「大丈夫?みりん、ルミちゃん!」
見ると、バットを振り下ろしたのは近所の小学生・真保塚アイだった。
「え?うそ!ア、アイちゃん?えー久しぶり!ありがと〜!!」
ルミが6年生の時、小学校に上がりたてのアイと一緒に登校してあげていたのだがまさか時を経て助けられることになるとは。
久しぶりに顔を合わせたアイは随分ボーイッシュな雰囲気になっており、ルミは一瞬誰だかわからなかった。
「ダメだよルミちゃん、あれに近づいちゃ。いきなり飛びかかってくるし最近コイツら公園にめっちゃ出てくんだから」
と、みりんを撫でながらルミに注意するアイ。
「いやそーなの?知らないよぉ、最近この辺来ないし。でも、まぁありがとね。助けてくれて」
そうお礼をいいその場をあとにしようとすると、後ろからバリバリと段ボールを破る音と子ども達の声が聞こえる。
「なんだよコイツしけてんなぁ、10円玉1円玉ばっかだぜ」
「少なくても山分けだかんな!」
公園から出ようとするルミの目に、明らかに急ごしらえの看板が目に入った。
[ ミミック注意!不審な箱には近づかないように ]




