intermission ──昨今のモンスター問題について
テレビから、アナウンサーやコメンテーター、専門家が、日本のモンスター問題について議論を重ねる声が聞こえる。
「こういった"魔物害"が広がっている背景にはね、やはりそういった危険な魔物を日本に流す外国人の存在があるわけですよ」
「いやそれはそういう危険な魔物を輸入しようとする日本人がいるからでしょう。それに海外ではよく見かける安全なモンスターのテーマパークを日本にも、と言う声は年々高まってます。ただ外国だけに責任を求めるのは間違いでは?」
「テロにも利用されかねない。規制を強化すべきです」
「日本固有の"魔物害"、いわゆる妖怪や怨霊といったものもあります。外国からのものを規制してもそういった日本のものを使われたらどうするんです?」
「あのねえ、海外でモンスターが増え続ける一方で妖怪の害なんて太平洋戦争後は減少の一途。希少怪異として保護すべきだなんて声もあがってるんですよ?ちゃんと調査して発言してもらえます?」
「あのぉ、数年前に妖怪を使役した殺人事件、まさかご存知ない?あれだけ報道されたのに」
「あ、妖怪がまだ現存していたってことが話題になってたやつですよねえ。ヨーロッパ産モンスターによる事件事故なんて毎月のように報道されてますが、もしかして耳に入ってない?」
「いいですか?妖怪の危険性を無視して海外のモンスターにばかり目をむけていては…」
スマホを見ながらぼんやりと討論を見ていたルミは思わずテレビに向かってツッコミを入れる。
「…なんか話をすり変えるなこの人。妖怪の話なんてどうでもいいじゃん。海外から入ってきたモンスターどうするかって話してんだろ今」
そこへ、風呂から上がってきたルミの母親がおもむろにテレビのチャンネルを変える。
「あー間に合ってよかった。今この翔馬クンのドラマだけが生き甲斐なのお母さん」
「いや、サブスクでいつでも見れんじゃん。そんなにカッコいい?この俳優」
ルミは思わずツッコミを入れる。
「本放送で見たいの!あと翔馬クンはめっちゃかっこいいわ!」
興奮気味の話す母親に、無言でルミは自室に戻っていった。




