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烙印の子  作者: あねむん
《第四章》
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[EP.4-0]未来の種火

今夜は、やけに月が明るかった。

夕食のあと、焚き火を囲んで三人で話していたとき、ラムサスがこんなことを口にした。


「近いうちに、この家に新しい風が訪れる」


最初は意味が分からなかったが、アイラと目が合った瞬間、途端に恥ずかしくなった。

からかうように返してみたけれど、ラムサスの表情は揺るがなかった。

冗談ではなかったらしい。


人は環境でどうとでも変われる、良くも悪くも。


それは誰かに言い聞かせているようでいて、同時に俺たちに向けた言葉でもあるように感じた。

何かを願っているような、あるいは覚悟を試すような。


あの言葉を聞いて、自分でも驚くほど心の奥が動いた。

家族が増えることなんて、他人事だったのに……

いつの間にか、俺は“誰かと未来を作る”ことを考えていた。

それこそ、環境に変えられたということじゃないか。


ラムサスの言葉の意味は分からないが、彼らは変化を求めているのか?

それがアイラと“何かを育む”ことで変われる、ということなのか?


「命が生まれ、誰かを残すということ。

 出会いがあり、別れがあり、命あるものが次の命へと“なにか”を託していくのよ」


フィーネもまた、意味深な言葉を残していた。

あの二人は、いつもどこかで“今”より先の世界を見ているような気がする。


……けれど、もしかすると――

彼らは「変わることができない存在」だからこそ、

俺たちのように、未来へ手を伸ばせる者に希望を託しているのかもしれない。

それが、俺たちへの“祈り”なのだとしたら――

何かを継いで、何かを残すこと。

それが俺にできる応え方なのかもしれない。


アイラのことは、大切にしたい。

この静かな家で、ゆっくりと少しずつ、彼女と話していこう。

それが、きっと何かの“始まり”になると信じて。

……そして、始まりを受け入れる覚悟も、きっと今の俺にはある。


AC.0510 著:レスター

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