第6話 学校を選んでみます!!
少々短めです。
僕は自分のやりたい事を一区切りつくまでノートに書き出したのだった。
その後家族に料理を振る舞うために、食材を探すのだが、お歳暮の物が多いため、お鍋になる事にした。
そのため、白菜など、必要な食材を買うために妹の水姫と共に買い物に行くのだった。
その後何事も問題なく、帰ってきたら僕たちは、家族みんなで、温かいお鍋を囲むのだった。
「そう言えば母さん、僕って今まで学校とかどうしてたんだっけ?」
「あら、覚えてないのね?男の子は対面とオンラインを選べるのだけど、とおるはオンライン授業で受けていたわ〜」
「あー、確かにそんな感じだった気がするよ」
「高校ってどこ行くとか倒れる前の僕から、聞いてたりするー?」
「ん~、相当悩んでいたみたいでまだ決めていなかったと思うわよ」
「え、そうなの?僕はどこを受験したんだろう……?」
「何言ってるの~、男の子は受験じゃなくて、男性を受け入れる体制が、整っている学校から選ぶだけよ?」
「そうなの?」
「ええ、そうでもしないと一般の学校には、男性用のお手洗いも無ければ更衣室も用意されていないし、防犯面でも大きく問題があるからね~」
「ああ~確かに、よくよく考えればそうかぁ~」
(そりゃそうだよな、男性が圧倒的に少ないし、恐らく10代の学生世代だけで考えると、1:500じゃ収まらないだろうしな……男性のボリュームゾーンは今の50代あたりだから余計だろうなぁ~)
「確か東京の候補一覧がのっているパンフレットがあったはずよ~とおるの部屋にあると思うわ~」
「そいうのもしっかりとあるんだね~」
「以前は確か、一番近い学校か、遠くても男子校の高校かで迷っていたみたいよ」
「あ~、確かにそんなだったかも」
(せっかくのこの世界なのに男子校はまず除外しよう……そもそも偏差値が高いならいざ知れず、男性は受験勉強が無いのだから、男子校に高い偏差値もクソもないしなぁ……)
「どうせなら色々な事を経験してみたいし、将来は自分のやりたいお仕事とかを見つけたときに、ちゃんと実現できるような学びを得られる学校がいいんだよね~」
「あら、ちゃんと考えているのね~」
「まぁね、補助金で生きて行こうとは思わないし、だって、以前みたいな廃人生活に戻っちゃうからさ~やっぱり男でも仕事バリバリできるんだぞって世間に見せないとね!」
「いいじゃない!それでこそ母さんの息子よ♪」
「とは言ったものの……何が良いとか分からないからなぁ……母さんのおススメとかあったりするの?」
「ん~それだったらやっぱり星臣学院かな~」
「ほほう……ズバリ押しポイントは?」
「まずは近いという事ね~、家からは徒歩圏内だったと思うわ〜それに、とおるが共学も視野に入れてるなら、星臣学院は偏差値もトップレベルに高くて有名よ~。
つまりそれだけ能力ある子が多いという事だから、授業のレベルもしかっかりした物だろうし……」
「なるほどね~」
「とは言え、男の子が勉強についていける前提では無いから、そこは不安が少し残るし、そういう部分もあって、選ぶ男の子は少ないのも少し不安ね~、他の共学と比べても女の子が圧倒的に多いのよね~」
「それが何か問題あるの?」
「とおるが気にしないなら大丈夫なのだけど、親としては、女子の巣窟に可愛い息子を送り込むのには少し抵抗あるわね~、いくら頭が良くて理性的と言えども、まだまだ高校生だし、思春期な訳だから……とおるが嫌な目にあったりしなければいいのだけど……」
そんな話をしていると、横で聞いていた水姫の表情は段々と渋い表情になっていた
「どうしたんだ水姫?そんな渋柿みたいな顔して」
「渋柿って……いや、星臣学院と言えば、エリートもエリートの学校だし、私も高校で、一年だけとは言えお兄ちゃんと同じ学校に通いたいもん!だから2年後、受験に受かるかなぁ……って思ったの」
「おお〜嬉しい事言ってくれるじゃん!
だけどな、水姫……自分の行く学校は、誰かがいるからで選ぶと後悔するぞ、ちゃんと自分が行きたいと思える進路を選ばないと失敗する事も少なくないと聞くぞ」
これは前世界の感性ではあるものの、この世界でもおよそ同じことが言えるだろう。
良くある話だが、好きな人を追いかけた結果、ついて行けずに後悔なんて事は珍しく無い。
「分かってるよ〜、でも一緒がいいもん……」
「ふふふ、とおるが嫌じゃなければ星臣学院にしてみたらどうかしら?
そしたら水姫がお勉強頑張るから将来安心だわ」
「か、母さん!?」
「僕を出汁に使わないでよ〜(笑)」
母さんは僕が難関校に行けば、水姫の勉強のモチベが上がるだろうと思い、酷な事を告げるのだった。
「とは言え聞いてる限りだと良さそうだなと思うし、そこにしようかなぁ〜、スマホで調べてみる限り、設備とかは凄く綺麗で整っているし、校舎も建て替えたばかりで、アートって感じの奇抜なデザインをした校舎で面白そうだね〜」
「もぉ〜お兄ちゃんまで……」
「まぁ、もし本当に水姫も来るなら、内部生となる兄ちゃんが勉強も見てあげるよ〜」
「むぅ……まぁ頑張るよぉ……」
と水姫は力の無い声を上げる。
一年生から受験を考えているなんて偉いなぁと思い、そんな水姫なら大丈夫だろうと確信する僕だった。
その後部屋に戻った後に、パンフレットを改めて確認した僕だったが、特に問題も無さそうだったので、星臣学院に連絡を入れ、入学する旨を伝えるのであった。
後程手続きに必要な書類や制服、体操服などが送られてくるようだ。
「にしても慣れないなぁ……」
僕は改めて自分の部屋を見る。
角には広めのL字デスクに、立派なパソコンまでついている。
そしてバルコニーへ向かう扉もあり、大きなテレビもある。
タイルはグレーのウッド調の素材で出来ている。
本棚には以前の僕が好きだったであろう漫画などが並んでいる。
全体的に白、黒、グレーで構成されたホテルライクな感じの部屋だ。
これだけ立派なお家なのだから、インテリアコーディネーターなどが関わっているのだと思った。
収納も広々としており、クローゼットもついている。
僕はパソコンをつけて、改めて色々と情報を集めてみる。
どうやら僕がこの少ない男女比率の中でも、ある程度自由に出来るのは、法律に守られているからだ。
そして、東京を中心とした一部指定都市にのみ、男性は住む事を許可されているらしい。
だからこそ、その地区や都市に住まう女性には、相応の社会的モラルが求められるし、厳しい検査基準を満たすことが出来なければ、移住する事も難しいそうだ。
「なるほどなぁ~、特に問題もなく外出が出来たのには、相応の理由があったという事か。」
とは言え、水姫が隣にいた事も大きいのだろう。
いくらしっかりとした都市とは言え、観光に来る人なども多くいるわけで、1人でいるとまず間違いなくナンパにあったり、犯罪に遭遇する確率も高まるみたいだった。
高そうなデスクチェアに腰かけたまま僕は暇に任せて、情報収集を続けるのだった。




