第5話 今日はお鍋にします!!
ちょっとだけ長いかも...?
話どこで区切ればいいか絶妙にわからなくなりました笑
退院を控えた僕は、購買に赴くのだが、好奇心の目線に晒される事を経験し、少し辛く思っていたが、購買で出会ったグミで気分は一気に上昇するのだった。
そのまま琴葉さんに感謝を告げて退院するものの、今度は、高級車に、大きなお家、お母さんの懐の豊かさに驚愕するのだった。
そんな中、自宅の部屋でノートを見繕った僕は、一先ずこれからについて、考えてみようと思うのだった。
「にしても、やりたい事かぁ~」
やりたい事などをピックアップしようにも、いざとなると意外と思い浮かばないものであった。
「とりあえず、書けるだけ書いてみるかぁ~」
途中で思いついたら、また書き足せば良いと思った僕は、どんな些細な夢でも書き留めようと、頭をひねるのだった。
こういった事はとても不思議で、浮かんでこないと思いつつも、実際に文字を書き出すと、いくらでも夢やしてみたい事が浮かぶ。
(そういえば、小学生の時の読書感想文とかもそうだったなぁ~何を書けばいいか、分からないけど、書き始めると意外と感想も出てくるもんなんだよなぁ~)
そんな事を思いながら、僕はそれなりの時間もくもく書き続けるのだった。
『これからについて【やってみたい事など】』
・キャンプファイアー
・日本で一番きれいな星を見る
・すきな人を作る事
・テレビに出てみたい
・部活に打ちこんでみたい
・ドラマに出てみたい
・カフェでバイトしてみたい
・自分の力でお金持ちになってみたい
・SNSでバズってみたい
・夏に海でクルージングしてみたい
・会社を作ってみたい
・音楽とかやってみたい(アコギとかピアノとか)
・合気道とか習ってみたい
・スキー旅行をしてみたい
・雪山でさけんでみたい
・プライベートビーチで遊んでみたい
・夏に家族で花火を見たい
・人に手紙を書いてみたい
etc...
「よしっ!とりあえず今はこれくらいでいいか!」
きりの良いところで手を止めて、お腹をすかしているであろう家族のために、キッチンへと向かうのだった。
「母さん~、冷蔵庫の食材とか適当に使って大丈夫な感じ?」
「ええ、何でも自由にして大丈夫よ~」
「了解~」
そういって、1人暮らしではお目にかかれないような、大きな冷蔵庫を開けてみる。
だが、そのサイズにしては、意外にも物は少なく綺麗に纏まっていた。
(まぁ、こっちも母さん1人みたいだし、仕事の両立とか考えたら、家事は後回しだよなぁ~)
右上の奥の方にあるビールのストックを見て僕は色々と察するのであった。
「にしてもお歳暮の詰め合わせみたいな食材だなぁ~」
思わず出た感想を拾った母さんが答える。
「ええ、取引先からよく頂くのだけど……地味に消費しにくいから、だんだん溜まっていくのよね~」
「なるほどね~」
「カニ、ほっけ、にしん、牛肉、ホタテ、エビ……かぁ~」
「お、シャインマスカットじゃん!美味しそう!」
「ああ、ふるさと納税のやつね~」
「なるへそ~」
(にしても贅沢なもんだなぁ〜、どれも美味しそうだ……僕の相棒であるもやしがいないのは、少し残念だ)
他にも色々と食材を見ていると、一つの正解にたどり着く。
(手の込んだ料理とは言い難いが、家族で団らんも出来るし、海鮮系で出汁もとれそうだし……)
「鍋だなぁ……」
「あら、良いじゃない!まだ外は少し寒いから丁度良いわねぇ~」
「となると白菜が欲しいなぁ……お使い頼んでも良い人~~~!」
俺はそう言って声を張り上げると、二階の部屋に戻っていた水姫が、ドタドタと階段をおりてきた
「はーーい!はいはーい!」
水姫は元気よく返事をする。
「私も大丈夫よ~」
といって母さんも答える
「とは言っても、母さんはいつも頑張ってくれてるし、今日はゆっくりしていてよ。」
「そう?じゃぁお言葉に甘えようかしら♪」
「お母さんはゆっくりしてて大丈夫だよ!
それにみずき、お兄ちゃんのお手伝いしたいもん!」
「あらあら、うふふ」
それを聞いた母さんは微笑ましそうにして、顔に手を添えながら、見守っていた。
「という事で水姫隊員!お兄ちゃん一緒にお買い物だ~!」
「お兄ちゃん隊長!ラジャー!」
こんな軽いノリにも付き合ってくれる、出来過ぎた子妹の水姫に内心感謝しつつ、準備を促す。
「という事で、水姫は外でる準備をしておいで~」
「は~~い!」
と答えた妹は、また二階の自室に戻っていくのだった。
「そういえば、とおる食費いくらあればいいかしら?」
「あぁ、病院でも貰ったお小遣いで十分足りるから大丈夫だよ」
「ホントかしら?遠慮しなくていいのよ?
母さんとおるのためなら、軽く別荘買うくらいまでなら出せるわよ?」
「いや、どんだけ食うねん!(笑)」
「本当に大丈夫だよ、そもそもお小遣いにしても結局グミしか買ってないからなぁ~」
(というか、一晩の入院にしてもお小遣い3万円はやりすぎだよ……
僕の節約術を持ってすれば、家族3人でも1月は余裕で食べられるしなぁ~)
「そうなのね~、確かにとおるは昔から、グミが好きだったわね、うふふ」
(おお〜前の僕もグミは好きだったのか……流石ソウルブラザーだな)
そんな軽口を挟みつつ、準備を済ませ、水姫と一緒に家を出るのだった。
「気を付けて行ってらっしゃいね~!何かあったらすぐに電話してね!
水姫も、お兄ちゃんをしっかりと守るのよ!」
「んな大げさな……」
「勿論だよ!こう見えても、みずき強いんだから!」
そう言って妹の水姫は、フンと鼻を広げ力こぶをつくる
(か、かわいい……僕がしっかりと守らないとな)
「とは言え、水姫がお使いを手伝ってくれて助かったよ~
正直兄ちゃん、この辺の記憶は曖昧すぎて迷子になる自信しかないや」
「そっか……記憶って徐々に戻っている感じなの?」
「ん~、何ていうか頭の中に扉があって、鍵がかかっているようなそんなイメージなんだよね~、その隙間から漏れる記憶は覚えているんだけど、それ以外は実はからっきしダメみたい」
「大変なんだね……でもお兄ちゃんが凄く元気になって嬉しいよ!
倒れる前のお兄ちゃんも好きだったけど、みずきは今のお兄ちゃんの方がもっと好きだよ!」
そんな嬉しい事をいってくれる水姫。
何だか僕の全てを受け入れてくれて、肯定してくれているような、そんな感覚になる。
あくまでも今の僕の状態というのは、全くの別人格ではなく、前の自分と、今の自分が融合している感覚なのだ。
だからこそ、今はどっちの自分も僕だし、嬉しい事に変わりはない。
「そっか!兄ちゃんもこれだけはハッキリと分かるのが水姫の事は倒れる前からも好きだってことだよ!」
「ほ、ほんと?」
「勿論だよ」
「え、えへへへ……へへ」
僕の言葉を聞いた水姫はもじもじと照れる。
(くっ……!!何て可愛いんだぁ……うちの妹は天使かもしれん)
それに……
「これは本当に冗談とかじゃないよ。
何というか、今の兄ちゃんは何となく新しい自分になったような、そんな感覚があるんだ。
だから倒れる前の自分との記憶が乖離しているんだと思うんだ。
だけど、記憶じゃない感覚的な部分ってのは変わっていなくて、水姫を見ていると、愛おしいなとか、守りたいなとか、大好きだなとかそういった感覚が残っているんだ。」
「も、もうぅ!お兄ちゃんてば……嬉しいけど、そんなにハッキリと言われると、恥ずかしいよぉ……」
またもや照れている妹の頭を、僕は優しく撫でながら続ける。
「今まではさ、分からなかったんだ……」
「ふへへ、ん……な、何がぁ~?」
「自分をどう表現したら良いのか……かな?
兄ちゃんもまだ自分の事を全て分かっているとは思えないけど、何というか、今までは難しく考えすぎていたんだ。
上手く自分の気持ちを伝えられず、反抗期もあって、感情のコントロールが難しくてさ、でも水姫とか、母さんを傷つけたくは無かったし嫌われたくも無かったんだ……だから自分の殻に閉じこもっていたんだ。」
「なるほどね……ちょっと難しいけど、でも何となくお兄ちゃんの言いたい事は分かるかも……
みずきもね、お兄ちゃんに嫌われたく無かったし寂しいけど、どう接したらいいのか分からなかった……だから良く考えたらみずきも、お兄ちゃんに対して壁を作っていたんだと思うの……」
「そっか……」
そんな妹の内心を聞いて、僕だけじゃ無かったんだと思った。
だが、それと同時に嬉しさがこみあげて来る。
今は僕を信頼して、腹を割って思っている事を打ち明けてくれたんだ。こんなに嬉しい事は無い。
だから僕は、水姫を撫でたまま感謝を伝える。
「ありがとうな、水姫」
「ん?何が~?」
「何でもないよ」
そういって僕は笑う。
「ええ~何?何がありがとうだったの~?」
水姫も嬉しそうに笑いながら、僕の顔を覗き込むようにして聞いてくる。
「こいつめ~!分かってるだろ~!」
と痛くない程度に、水姫の頭をぐりぐりとする
「キャハッ!ご~めんなさ~い!」
水姫はずっと嬉しそうにしている。
それを見ていた俺も、何だか嬉しくなる。
「はははは~!」
「あはははは!」
そして二人で笑ながらスーパーに向かうのだった。
「ってお兄ちゃん!そっち逆だから!」
「うぐっ……」
思わず首元の襟を掴まれた僕は、苦しい声をあげるのだった。
翌日、この二人が通った道筋で多くの人が眩暈のような症状を訴え、ニュースに上がっていた。
何でも、取材によると……
見知らぬ誰か1「と、尊い……尊すぎるよぉ……」
見知らぬ誰か2「あんな兄妹が日本に存在するなんてぇ……てぇてぇぇ……」
見知らぬ誰か3「ああぁ、神よ……あれこそ正に天使ですわ。私くしの目が、私くしの目が浄化されますわぁぁ……」
などと供述している事から、事件の真相は明らかでは無いものの、このニュースは不可解な事件として、大きく取り上げられるのだが、それはまた別の話……
スーパーについた僕らは、食材を見て回っていた。
にしても、水姫と一緒に歩いていると、案外視線は気にならないな~、不思議だ……
「シャァーーーー……」
「み、水姫?」
「ん?どうしたの?お兄ちゃん?」
「あ、いや……お鍋だけど何か入れたい物とかあるかな……って?」
何だか蛇のような眼で周りを威嚇するように見つめていた気がするが、きっと気のせいだろう。
「ん~、お豆腐とか?後は……ゆで卵いれようよ!」
「ゆで卵?おでんじゃ無いよ?」
「うん!でもこの前仲の良いお友達が、お出汁の効いた鍋にゆで卵入れると美味しいって言ってたの!」
「ほー、なるほーなー、試してみっか~」
(まぁ、組み合わせが悪い訳でも無いから、食べれない事はないかぁ~)
と、何とも気の抜けた返事をしつつも、カートに食材を集める。
その後何事も無くレジを通した僕らは帰路につくのであった。
(というか、高校の友達の話だと、こういう世界は、女性が理性無き獣のように襲って来るとか何とか言ってたけど、そんな事は無かったなぁ~)
考えても当然だ、男性の希少性が上がったからといって、女性の理性が消える訳では無く、ある程度の教育があれば善悪の分別くらいはつくだろう。
などと楽観的に考えていたら、もう自宅は目の前だった
「「ただいま~」」
「おかえりなさい~、大丈夫だった?」
「うん、特に問題無かったよ。それに、水姫がいたから、迷子にもならなくて済んだよ(笑)」
「そうなのね~、それなら良かったわ」
「お兄ちゃんってば、スーパーと逆方向に歩き出すんだよ!ビックリしちゃったよ~」
「あらあら~、とおるはお家を出る時は、なるべく誰かと一緒にいてね~」
「分かってるよ~、せめて家の周りの地理を、大体覚えなおすまでは、なるべく変に出歩かないようにするよ」
「まぁ、それもあるのだけど……今どき男性への性被害とかも増えているみたいだから、気を付けてね~」
(まぁ、それに関しては元の世界でも女性が男性から被害を受ける事はあったからなぁ~それと似たような事だろうし……多少の防犯意識は必要か)
「なるべく人通りが多くて、明るい所を歩くようにするよ」
「そうね、それがいいわ」
「みずきが守るもん!」
「そうだな、頼りにしてるぞ!」
僕はそういって、また水姫の頭を撫でる。
「あらあら、前よりもうんと仲良くなったわね~見ているだけで幸せだわ」
そんな母さんの幸せそうな顔を横目に僕はお鍋を作る作業に取り掛かるのだった。
(とは言っても、海鮮鍋は、カニやらエビやらで十分に出汁が出るし切ってぶち込んで、火をつけるだけだが……)
水姫が食器を出したりと手伝ってくれた事もあり、すぐに出来上がった。
「じゃぁ、皆で食べようか!」
「まぁ、美味しそうね~」
「みずきお腹すいたぁ~~」
「折角とおるが作ってくれたのだから、温かい内に頂きましょうか」
「とおる、ありがとうね」
母さんはそう言って、嬉しそうに微笑むのだった。
「いつもお世話になっているんだから当然だよ、それに水姫も手伝ってくれたしな!」
「うん!」
「あらあら、二人ともありがとう」
「「どういたしまして」」
「じゃぁ、食べよっか!」
「うん!」
「ええ」
「「「いただきます」」」
そうやって手を合わせ、温かいお鍋を、家族3人で囲んで食べるのだった。
俺はこの幸せがずっと続くのだと思うと、これからが楽しみで仕方ない。
第5話も閲覧頂きありがとうございました!
昨日、日間現実世界〔恋愛〕ランキングBEST100で17位になっていたので
思わず(゜Д゜;)←こんな顔してました。
本当にありがたい限りです。
このまま、この作品の愛してくださる方が増えて行けば
何にも勝る幸いだなと思っております。
さて、毎度の事ではありますが、
これからも暇を見つけて、ちまちま頑張りますので応援して頂けると幸いです!
また、(・∀・)_bや★★★★★もして頂けるともっと励みになります!
ブックマークもして頂けると作者は泣いて喜びますので、
どうか温かい目でこの作品を見守って頂ける幸いです。
余談ですが、作者にも水姫と同じように、成人した兄がおりますれば
昨日その兄の誕生日だった事もあり、何を送ろうかと迷っておりました。
昨年は母と共に梅酒とワインを送ったので、今年はもうすぐ作者も20歳ですから
お酒の工房に赴き、日本酒でも送ろうかなと思ってます。
人にプレゼントを贈るのは、何だか楽しいですよね( *´艸`)




