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(仮)男女1:500の逆転世界で一生懸命に生きてみます!!  作者: 自称猫好き
【学校編】1年1学期
24/25

第21話 僕は日本の希望みたいです!!

読者の皆様お久しぶりです。しばらく更新できず申し訳ございません。

言い訳ですが、実家に帰省していたり、レポートや試験に追われ、二月も個人的に参加しているイベントで稽古があったり、フルでバイトを沢山入れていたりと、殆ど休みの無い日々が続き、手を付けられなかったです。3月も忙しいので不定期にはなりますが、飛んでは無いので悪しからず。(;'∀')

かなり遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。

また、能登半島の地震に被災された方、復興の途中であるとは思いますが、まだ春は少し遠く冷たい風が身に染みる季節ですので、ご自愛下さい。

ハルが学校に来ないため、そうちゃんと共に心配しつつも僕は配信の話を進めていた。そうちゃんにBGMの作成を依頼し、家族にも配信する許可を取ったが、その話の流れで母さんが社長であった事やその成り立ちを知ることが出来た。それに加え男性優遇になった社会の歴史的な背景も知る事となった。食事を終え部屋に戻ろうとすると、母さんに一枚の茶封筒を渡される。


僕は部屋に戻り、母さんに渡された茶封筒を開けてみる


「男性センター……」


それは男性センターから届けられた物だった。中にはいくつかの書類と病院の証明書のような物が添付されている。また、他にも何かしらの契約書も同封されていた。


(なんぞこれ?)


一つ一つの書類に目を通していくうちに、これが男性に送られる類のものでは無く、国から僕自身に送られたものである事が分かる。そこに含まれている書類は、大きく分けて3種類だ。


1つ目は、病院で精液検査をした時の、僕のスペック?についての記載と、それに準ずる病院からの診断書だ。


2つ目は、国から送られた物で、どうやら僕の精子はこの世界の男性にしてはありえない程の高いスペックを持ち合わせている事から、より多くのサンプルを手に入れるため、僕が献精した際、精子の研究利用についての契約書だった。グラム単位で価格を決めて買い取ってくれるそうだ。


3つ目は、細かいすり合わせや、直接僕と会って話せないか?といった物で、連絡先等が書かれている。


「なるほどな……病院でも僕の辺縁系か何かがおかしいって言ってたし、この世界の僕と前の世界の俺が合流した事で、体が適応したのか、僕は少し特殊体質になっているのかもしれないな」


とは言いつつも、いきなりこのような物が送られると少し困惑する。だが15歳を超えた男性は一月に一度献精を行なう事は少子男少化防止措置法で義務付けられており、どのみち精子の提出はマストなのでお金が貰えるならそれに越した事は無いのだが……


「いきなり国の人に会って欲しいと言われても困るよな……」


そして何よりもビックリなのが病院から送られた検査結果の証明書だ。

どうやら僕の精子は一般の男性と比較した時に20倍程全体的に機能が向上しているようだ。妊娠出来るか否かが問われる項目は一般的に6個あるが、パフォーマンスが20倍程平均より上回っているという事は、僕のやつは他の男性よりも単純に20倍妊娠しやすいという簡単な話しではなく、比較的に高い確率で妊娠できるのだと思う。


「だからこそ、こんな書類が届くんだろうな……」


とは言え、国としても僕個人としてもこの件を放置する事はあまり良くないと思い、一先ず書類に記載されていた連絡先に電話をかけてみる事にした。


「お電話ありがとうございます。私は少子男少化対策の特命担当大臣の柏木 鏡花(かしわぎ きょうか)と申します。」


「……もしもし葛野 徹と申します、男性センターから送られていた資料の連絡先でお間違い無いでしょうか?」


電話に出たのが大臣とかいう相当なお偉いさんだったので、俺は思わず反応が送れたが、そのような事は気にせずに、大臣さんは声を張り上げる


「これはこれは!葛野様、ご丁寧な挨拶をありがとうございます!連絡先に間違いはございません。私の方からの指示で葛野様とのアポイントを取りたいという趣旨の物を送らせてありますので、ご安心ください。」


「それは良かったです。先ほど書類を確認したばかりなので今一つ分かっていないのですが、私にはどういったご用向きだったのでしょうか?」


「そうでしたか、ご連絡して下さりありがとうございます。簡単にご説明させて頂きますので、10分程お時間大丈夫でしょうか?」


「大丈夫です。」


「ありがとうございます。それではまず、なぜ今回の資料を葛野様個人宛に送付したのか、その流れから少し説明させて頂きます。失礼ですが、そもそも我が国において、持続可能な社会を作るために少子化や男少化が大きく社会課題として扱われている事は、ご存知でしょうか?」


「ええ、簡単にですが把握しております」


「ありがとうございます。我々は少子男少子の課題について日夜向き合うお仕事をしておりまして、葛野様が3月に入院されていた国立病院から葛野様についての身体的データが男性センターの方に届けられたのですが、その際に一般的な男性と大きく異なる部分がございました。葛野様はおよそ20倍程の優れた生殖機能が確認されました。これはとても興味深い事でして、葛野様のデータをより詳しく研究させて頂く事が叶えば、少子化に歯止めをかける一手になるのではないかと判断し、書類を送らせて頂きました。」


「丁寧な説明で分かりやすいです!ありがとうございます。つまりは私の身体的なデータを実験や研究に活用する事で、少子化対策に繋がる糸口としたいという認識ですか?」


「仰る通りにございます。ただそれに加えて、葛野様ご自身に積極的な献精を行なって頂く事で、より優秀な遺伝子を増やすことができるのでは無いかと考えられており、現在の人工授精の技術と掛けあわせれば、月に一度の献精でも10年でおよそ2500人以上が出産に至れるとシュミレートされております。また、葛野様の遺伝子は非常に優秀であり、男性となるのに必要なY染色体の欠損が少なく、葛野様の遺伝子を用いた子どもは平均よりも遥かに大きく男性が生まれる確率が高い事が予想されます。長期的な視点で考えた時に葛野様の遺伝子で生まれたお子様も、同じように欠損の少ないY染色体である事が確認されれば、いずれ日本の男少化の波は穏やかになり、男性の誕生率も上振れるのでは無いかと考えております。」


「なるほど……何だか規模が大きすぎて実感が無いですが、そこまで大きな事だったのですね」


「はい、それ故に我々としても是非葛野様にご協力を頂きたい次第でございます。以上が今回このような書類を送付した理由となります。何か質問等はございますか?」


「何となく分かりました。研究利用などにつきましては、私としても前向きに検討したいと考えております。ただそれに伴う制限や、個人情報が何処に流出しどのように扱われているのかなど、不安に思う部分も多くあるので、その辺りの事をどうするのか、そういった事も含めて条件の検討をさせて頂きたいです。」


「勿論です。前向きなお返事をありがとうございます!つきましては、一度親御さんを含め細かい面談をさせて頂きたいと考えております。その際に細かい報酬や条件に関してのお話や、改めて説明をさせて頂きたいです。お手数をおかけしますが、我々の方から一度ご自宅にお伺いする形か、もしくは一度男性センターの方に足を運んで頂きたいと考えておりますが、都合の宜しいお日にちなどはございますか?」


「えっと、一度母に相談しても宜しいでしょうか?」


「問題ありません。」


「ありがとうございます。3分程保留に致しますので少々お待ち頂けると幸いです。」


「ごゆっくりで構いません。お待ちしております。」


僕はその声を聞いて電話を保留にしながら、慌てて階段を降りて母さんの元へ向かう


「母さん!さっきの封筒の件何だけど、男性センターのお偉いさんが家に来るか、もしくは僕たちが男性センターに足を運ぶ日程を決めて欲しいって電話で連絡があったのだけど、母さんも同伴する必要があるみたいで、いつだったら大丈夫かな?」


母さんは、急な僕の質問に困惑していたが、事の経緯を軽く説明すると、すぐに答えを返してくれた。


「今はある程度会社の方も落ち着いているから、明日含めて4日間程はいつでも調整できるわよ〜、迷惑じゃなければ自宅に来て頂きましょう。その方がとおるも気が楽でしょう?」


「そうだね~!早い方が僕的には助かるし、その辺りで日程決めておくね!」


「は~い」


僕は母さんの返事を聞きつつ、電話に戻りながら部屋にも戻る。


「お電話戻りました、日程について今ご相談しても大丈夫でしょうか?」


「はい、問題ありませんよ」


「ありがとうございます、なるべく早い方が嬉しいです。母は明日含め4日程は調整できると言ってました、一応自宅に来て頂く形で、僕の学校の事もあるので夕方付近で大丈夫な日はありますか?」


「勿論大丈夫ですよ、では明後日の17時頃はいかがでしょうか?」


「大丈夫です~!ではその日程で宜しくお願い致します。」


「承りました。当日ご自宅に伺う前にも確認のご連絡させて頂きます。明後日宜しくお願い致します。」


「いえいえ、こちらこそお忙しい中ありがとうございます。自宅でお待ちしております。」


「はい、本日はご対応頂きありがとうございました。葛野様は受け答えがしっかりされている方で正直驚きでした、また宜しくお願い致します。」


「これくらい大した事では無いですよ、ありがとうございます。」


「では失礼致します」


その声を最後に電話はプツリと切れた。


「はぁ~、何だか大事になったな……」


想像よりも話が大きすぎて現実感が無いのと、いきなり大物との電話に少し緊張してしまい、電話が終わった今はどっと疲れが込み上げる。それ故か……


「まー、なるようになるか」


と口にして僕は思考を放棄するのだった。


本日もこの作品を読んで下さり、ありがとうございます。

少し日が空いたので話を忘れてしまっている方も多いとは存じますが、暇な時にでも楽しんで頂けると幸いです。また、この作品は完全フィクションでありながらも、結構リアル路線で尚且つ、主人公は特に善人主義とかではなく、それぞれのキャラクターが人間臭い作品にしたいと思っております。

えぇ……主人公がそんな事する?みたいな事もあるかもしれませんが、一種のシュミレーションのように捉えて頂けると幸いです。この世界の男性という存在はマイノリティであり、マイノリティであるという事はどういう事なのか、一緒に考えていけるといいですね(意味深)(。-`ω-)


余談ですが、能登半島の震災時に作者は北陸に旅行へ行っていたので、大阪の北部地震に続く二回目の大きな地震を経験しました。想像通り北陸道はすぐに使えなくなり、太平洋側からぐるっと大阪まで戻りました。北部地震は突き上げるような地震で短い揺れでしたが、能登半島の地震は大きく横に揺れ、時間的に揺れを長く感じました。地震は二次被害が大きいので、日本国内に住む方は防災意識を共に高めましょうぞ('◇')ゞ

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