第19話 白石 晴の過去です!!
また少し日があいてしまい、申し訳ございません(;'∀')
冬休みに入り、さぁ執筆しよう!と思った矢先、インフルエンザにかかり
38,3度の熱で死んでました……
今までの話ですが、少し見やすいように改行を修正したり
...→…… といった感じで小説のセオリー?みたいな形に修正したので
若干雰囲気が変わっているかもですが、作品の内容は変わってないのでご安心下さい!
またご指摘下さった読者の皆様、ありがとうございます!(∩´∀`)∩
僕は卵焼きが苦手だった。
ごま油で焼いただけの素朴な味。
体には良いのだろうけど、もう少し工夫できないのだろうかと思っていた。
幼い頃の僕はとっても幸せだった。
周りには珍しく、幸次というお父さんがいた。お母さんは灯里という名前で、仕事で忙しくしていたけど、夫婦仲が衰える事の無い2人を見て育った僕は、いつかはこうありたいと思っていた。
僕はちょっぴり我が儘だったけど、そんな所も愛してくれて、甘やかしてくれる両親が大好きだった。
「お父さん!どうしてお父さんはお母さんと結婚したの?」
「はは、それは照れくさい質問だなぁ……初めてだったんだ」
「何が~?」
「父さんを叱った人」
「お母さんがそうだったの?確かに怒ると怖いけど...嫌じゃ無いの?」
「まぁ、晴も大きくなったら分かるさ……男は少ないから、何処に行っても個人では見てもらえず、男として見られる。」
「そうなの?」
「ああ、だけど母さんは違ったんだ。例え男であろうと、1人の人として見てくれた。だから悪い事をしたら叱ってくれるんだ」
「へんなの~」
「晴も自分を叱ってくれる人が出来たら、大切にするんだよ。きっとその人は晴自身の人間性を見てくれている人だ」
「良く分かんないけど、分かった!お母さんみたいな人がいたら大事にする!」
「ああ、それがいいよ」
幼い頃の記憶はとてもキラキラとしていた。
毎日が楽しくて、知らない事で溢れている。
そんな生活が一生続くと思っていた。
だけど人生はとても残酷だと思い知る出来事があった。
その日はいつもと変わらない朝だった。
お父さんと一緒に仕事へ行くお母さんを玄関で見とどけた後、お父さんは掃除をしている。
僕はオンラインで小学校3年生の授業を受けていた。
時折分からないところをお父さんに聞きつつ、授業を終える。
家事を終えたお父さんと一緒にテレビゲームをして遊んだ後、お父さんと一緒に晩御飯を作り始める。
僕はいつもお手伝いをしていた。
料理をする事は嫌いじゃ無かったし、将来はお嫁さんに手作りの料理で喜んで欲しいとささやかな男心を抱きつつお父さんから料理を教わっていた。
ある程度日が暮れてきた頃、お母さんが帰宅する。
「ただいま〜」という言葉に呼応するが如く、出来たての夕ご飯をテーブルに並べていく。
家族で団らんしながらご飯を食べ、洗い物を終えた後に家族皆で映画を見る。
今日もこのルーティンのまま一日が過ぎていくと思っていた。
だけどそうはならなかった。
当然、ドアを叩く音が聞こえる。
ドンドン、ドンドン
「ん?何だろう?誰か来たのかな?」
「こんな時間に?私が見てくるわ~」
「ありがとう」
そういってお母さんは玄関の方へ向かった。
しかしお母さんは慌てた顔をしてすぐに戻って来た。
「あ、あなた警察を呼んで!」
「どうしたんだ?」
「玄関の覗き穴からチラッと見たのだけど、全身黒い服装にバールも持ってた……明らかに不審者よ!」
「それは怖いな、分かった僕が警察に電話しておくよ、念のために晴はどこか隠れていなさい。」
「うん、分かった……」
僕はそういってお父さんとかくれんぼをした時に一番見つからなかった、物置にあるシーズン外の服を纏めてる大きなチャック付きの袋の中に身を隠した。
そこからは直接自分の目で見た訳ではない。
だけど何も見えない暗闇に覆われている分、音だけはいつもより繊細に聞こえた。
「おい!あけろよ!いるんだろう!」
不審者がドアの前で声を荒げる
「だ、誰ですか!こんな時間に……警察呼びますよ!」
「呼べば良いだろう!どうせ私は終わりだよ……あんたみたいに幸せそうな奴が嫌いなんだよ!男もいるんだろう!」
そうやって声を荒げる不審者はバールでドアを殴っているのか、鈍い音と甲高い音が交互に聞こえる。
ドン!ガッ!ガン!
「やめて下さい!本当に何ですか!」
「開けろよ!くそがぁ!」
しかしドアは頑丈で、中々空けられないのか、少し静粛が訪れる。
「か、帰ったのかな?」
「……そうだといいのだけど」
「とにかく警察を呼んだから、しばらく待とう。」
「ええ、そうね」
「晴はまだしばらく隠れてなさい!」
少し大きめのお父さんの声が聞こえて来る。
僕は危ない人が帰ったのかな?と思ったけど、まだ怖いので暫くお父さんの指示通り隠れている事にした。
そんな矢先、パリン!とガラスが割れる音がする。
「ヒヒッ、こんなんじゃ防犯何て意味ないよぉ~ハハハ!」
そう言いながら黒ずくめの女は庭先の窓ガラスを割り部屋に入ってきた。
「ふ、不法侵入ですよ!」
「うるせぇよ!このアマが!」
バンッ!という大きな音が聞えると同時にお母さんの叫び声が聞える。
「きゃぁぁぁぁ!」
「あかり!!」
「何だよこれくらいで大げさだなぁ〜ああ?もうへばったのかよ……」
「お、お前!こんな事して、許されると思っているのか!?」
「ギャーギャーうるせぇーよ!」
「あああぁぁ!」
「ハハハ!こりゃ気分がいいや、男が跪いている何てそそるじゃねぇーか!」
「こ、こうじさんに手出ししないで……」
「あ?まだ生きてたのかよ……女はさっさと死ねよ!」
「ア゛ァ、アグァ……グァッ……ッァ……」
何度もバールで殴りつけるような音が響き、お母さんの声は小さくなり次第に聞こえなくなった。
僕はその音を聞きながら膝を抱え涙を流し、恐怖のあまり震えていた。
「もう止めて下さい……あかりが何をしたって言うんですか……」
父さんの弱弱しくすすり泣くような声が聞こえる。
「てめぇーらみたいに能天気に幸せな奴を見ると虫唾が走るんだよ……私もどうせ人生終わりだ、最後くらい嫌いな奴をブチ殺したっていいだろう?」
「にしてもお前いい男だなぁ……ちょっと楽しんだって罰は変わらねぇか……」
「な、何するんですか!」
ビリビリと服を破くような音がする
「抵抗すんじゃねぇーよ!」
バンッ!
「グァッ!や、やめて……下さい……」
「いいから大人しくしてろ!」
そこからはお父さんの泣いている声と、犯人の喘ぎ吐息の漏れた声が響く。
それから直ぐにパトカーのサイレンの音が聞こえ始めた。
それ以降の記憶はあまりない。
あまりにも衝撃が多すぎて、きっと幼い心では受け止める事が出来なかったのだろう。
警察が駆けつけ、犯人は確保されたがお母さんは既に息絶えており、お父さんは急ぎ病院へ緊急搬送されたが、出血多量で命を繋ぎとめる事は出来なかった。
お母さんの叱る声は、二度と聞けない。
お父さんの作った素朴な卵焼きも克服できず、もう食べる事すら出来ない。
僕は一晩で全てを失った。
幸せも、家族も、愛情も、帰る居場所も、何も無かった。
後々聞いた話だと、僕はあまりの恐怖から人形のようになっていたようだ。
カウンセラーによるケアで少しずつ自我を取り戻して行ったが、暫くは塞ぎこんだまま一言も言葉を発さなかったそうだ。
ある程度精神状態が安定してからは、親戚の家を転々とする事になる。
どこの家も温かく迎えてくれたが、セクハラ紛いの事や、男性補助金を巡るお金のトラブルも続き、結局僕が安心出来る所など何処にもなかった。
そしてまた、ケアを受ける時にお世話になった政府の施設に戻ることとなり、
中学生の間まではそこでお世話になっていた。
高校に上がってからは防犯性の高いマンションで、1人暮らしをしている。
外出する時は男性警護官について貰うようにしていた。
僕はもう幸せにはなれないし、なってはいけないと思う。
僕が幸せである度に、不幸な誰かを呼びよせてしまう。
結果的に負のエネルギーは周りに蔓延し多くの人に迷惑をかける事になる。
そうでもなければ、両親が死んだ事に納得できなかった。
僕は誰も傷つけたくない。
大事な人が苦しむのは辛い。
だから僕は幸せであってはいけないんだ。
今回も閲覧して頂きありがとうございます!
最近は急に冷え込むようになりましたので、読者の皆様もぜひご自愛下さい。
・この作品の続きが気になるよ!
・もっと見たい!
・はよ執筆せい!われぇ!
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余談ですが、作者が最後にインフルエンザに罹ったのは幼稚園の記憶の無い時だったので、
自覚がある内では初めてインフルになりました。
元々免疫は強いのですが、とにかく寒気と発汗が凄く、クラクラとしてご飯作るのも一苦労なので、大変だなと思いましたがもう少しで治りそうです!……今流行っているみたいなので、皆様も気を付けて下さい!




