第15話 部活の活動内容について考えてみます!!
委員会決めにて、無事学級委員になった僕は、明日のクラスレクの内容について考えるため、壁に備え付けられたホワイトボードの前に立って、クラスでの話を進行していく。そこで決まった事は、視聴覚室等を借りて疑似的なフェスをする事と男子への質問コーナーだった。その後休み時間を迎えた僕たちは……
「今朝の話の続きなんだけどさ、部活の活動内容を決めようぜ!」
僕は新しく作る部活について、ハルとそうちゃんに話を振る。
「そうだね」
「うぃ~」
「とは言ったものの……生徒会に認可されそうな活動方針とか思いつかないよなぁ~」
「とおるくんが昨日言ってた放課後冒険部だっけ?好きな事をするとは言っても、具体的にどういう事がしたいとかあったりするの?」
「いや、何というか男子って部活とか出来ないイメージだけど、それじゃ折角の高校生活がつまらないから、何か出来ないかなと考えたのが事の発端なんだよね」
「なるほど……」
「だからこれを限定してやりたい!というのは今の所無いかなぁ~、とは言えど男子でも何かにチャレンジするという事が出来る部活が良いと思う。」
「そうだね!」
「俺もそう思う」
「少し真面目な話なんだけど……」と一呼吸おいて僕は話し始める。
「崇高な考えがあるわけでは無いけど、いかに男性への給付金があるからと言って社会参加しないのは違うと思うんだ。というのも、やはり社会に繋がっていないと大枠で見たときに男性の意志や意見の無い社会になってしまう。もしそうなった時に女性主体の社会が良かれと思ってやっている事も、男性にとっては実は良くなかったりするかもしれない。」
僕が少し真面目に考えている事を話し始めると、2人は真剣に聞いてくれる。
「例えば、給付金の影響もあり、世の中の男性の殆どは家からあまり出ずにごく一部のコミュニティで過ごす事が多い。だけどその結果、人とコミュニケーションをとる事に苦手意識を覚える人も多いはずだ。実際に近年では男性の巣ごもりは以前に比べて増えている。だけど人というのは社会に所属している意識や繋がりが無いと、生きている意味を見出すことは難しい。」
「確かにずっと1人は寂しいね」
「そうだな」
「男少化について少し調べた時があったのだけど、その時に見つけたデータには面白い物があったんだ。それはこの日本の自殺率についてのものだけど、日本は比較的平和であるが、実は自殺率はとても高い。というのも、特に地方の女性からすれば男性保護のために高い税金を払っているが、男性と出会い結婚する事も無く、大学を卒業した後は友人や家族とも疎遠になり孤独を抱えて戦っている。結果として生きる意味を見いだせないという人が多いのは大きな社会問題としてあるのだけど、面白い事に、自殺率のデータで一番多いのは実は女性では無く、男性なんだ。」
「そうなの?」
「うぃ?」
「うん。それは一般には女性社会での生きづらさや、まだまだ男性支援が行き届いていないことであったり、もしくは女性による性被害などの犯罪リスクが高い事が理由としてあげられている。とはいえまだまだ調査は進んでいないみたい。」
「確かにそういう事は考えられるね」
「うぃ……」
「だけど僕は違うと思うんだ。男性給付の開始、また給付金の増加につれて自殺率は高まり、また男性の巣ごもりも増えている。人は1人では生きてはいけないというけど、それは物理的なものだけでなく、精神的にもそうなんだと思う。きっと自宅で1人孤独にいる事に人生の意味を見いだせず、死んでしまう。実際に僕は中学までは人との関わり方が分からなくて部屋に籠り、家族と一つ屋根の下とは言え、ずっと孤独だと感じていたんだ。」
(これは前の世界と統合する前の僕が強く感じていた事だ。何もする事が無く、防犯のためにカーテンも閉ざして、家族との会話も減り、ただただそこにいるだけの生活...今なら確かに思うが、当たり前と思っていたその生活も心の底では常に孤独や先行きの無い未来と葛藤して、戦っていた。そんな生活で人生に意味を見出せるとは到底思えないよな……)
「それは僕も分かるかも……今は新しい事にワクワクしているけど、中学まではずっと人生が灰色に感じていたよ。」
「俺も小さい頃はそうだった……音楽に出会ってから少し家族との交流も増えて孤独を感じる程では無かったけど」
「こういう問題は男性ならではの悩みだと思うんだ。大切にされるが故に檻の中の箱庭で変わらない生活をして、怪我とかをしないように外から監視されるだけ...こんな生活に自由は無いし、人間らしいとも思えない。やっぱり苦労したり大変な事を乗り越えたり、そういった経験をしながら社会と繋がる。人と繋がる。多くのコミュニティを通して自分の居場所を見つけることが大事だと思うんだ。」
「今の話を聞いていると、僕もそれが正しい気がするよ」
「俺も」
「ここで部活の話に戻るのだけど、とはいえいきなり男性が社会に出て上手くやっていける訳でもないから、その訓練になるような部活が良いと思う。部活動を通して自分の好きな事を知り、人とつながり、そして社会と繋がる。この3ステップで自分がこの先どういう生き方をしたいのか……そういった事を見つけてその手段を学べるような部活が良いと思う。」
「確かにそういう部活があれば、自分の人生を見つめ直すきっかけにもなるし、自分が生きやすくなるにはどう社会と関わっていけばいいのかも分かって、多くの男性にとって今後の方針になるような部活だと思う」
「そうだな……」
「社会と繋がる上で、何か世の中に対して還元できると女性社会でも男性コミュニティを確立出来ると思う。だからそれを実現できる部活が良いよね」
「うん、そうだね」
「ああ」
「とは言え難しく考える必要は無くとても簡単で、自分の好きなものを見つけるために、色々な事に挑戦して、良いなと思った事を部活の皆で遊んだり練習なりしてみて、社会に還元できるようなイベントやプロジェクトを部活として作り上げる。という事が主な活動方針になると思う。」
「整理すると分かりやすいね!それこそとおる君がバスケとかしてみたいって事を、実際に皆でバスケをやってみて、バスケットボールという競技の理解を深める。ある程度形になったらバスケ部と合同練習したり、その上でバスケ部と一緒にバスケットボール体験会をイベントとして企画して、地域の子どもとか、校内の生徒に改めてバスケを体験して貰える活動とかに繋げて行くって事だよね?」
「例えたらそんな感じ!その活動を動画でとったりSNSで宣伝をすればもっと大きな社会に対してもアプローチ出来ると思うし、楽しそうじゃない?」
「俺もそういうのは良いと思う。新しい事を作りあげるのは、曲を作るのと一緒で楽しそうだし、夢中になれる気がする」
「何となく僕たちの部活の形が見えてきたね!あとはこれらを文章化して、生徒会に認めてもらえるかどうかだけど……まぁそれに関しては僕が生徒会長に交渉してみるよ」
「ありがとう!助かるよ~」
「とーちゃんありがとね……久し振りにワクワクする」
こうしてハルとそうちゃんと具体的な活動方針とかを話し合い、部活にするために必要な事を話し合うのだった。
今回も閲覧して頂きありがとうございます!
最近は少し忙しい事もあり、少しずつ進めておりますが、
個人的な感覚で言えば、ここからやっと話が大きく動いていきますね( *´艸`)
ようやく本編だぁ~という感じです笑
もし作品の続きが気になる!という方は(・∀・)_bや★★★★★をして頂けると執筆の励みになりますので幸いです。
また、ブックマークや感想も頂けると、凄く嬉しいです!
この先も楽しんで頂けると幸いです(●´ω`●)
余談ですが、現実でも自殺のネガティブなニュースはどうにかならないのだろうか?と思いますよね。そして不思議な事に、日本の場合、女性よりも男性の方がおよそ2.5倍程も自殺が多いのです。
世界的にも先進国では女性より男性の方が自殺率が高い傾向にあります。
心理学者の一説によると、男性というセクシャルは、女性よりも孤独を感じやすいそうです。
おしゃべり好きなママさんや、常にグループや仲良し、親友というコミュニティを形成する学生時代の女性を思い返して分かる通り、女性はすくなからずコミュニティに所属しやすいセクシャルにあります。
一方男性と言えば、人を頼ったり、自分の弱みを見せたり、集団で群れる事は女々しいと揶揄され、自立してる俺カッケェの文化です。親友はモチベをあげる存在であり、弱みを見せられる訳ではないといった方も少なくは無いと思います。
そういった性別による役割で生まれた文化的な背景が孤独な自殺に繋がっているのは遺憾ですね。
誰だって人の心は繊細で弱いものです。どうか皆様ご自愛ください。




