第12話 こちら寿司であります!!
先生の説明も終わり解散となった後、僕は男子同士で交流を深めるため、メッセージアプリの交換を提案するのだった。その後クラス全員とも交換した僕はクラストークも作り、皆を招待したのだった。そして男子同士でより親しくなるため僕の名前は、「とおる」か「とーちゃん」、白石君の名前は、「はる」、もしくは「はるちゃん」、赤城君の名前は「そうちゃん」と呼ぶことになったのだ。その後皆と別れ家族の元へ向かうのだった。
「お待たせ~」
「お兄ちゃんお疲れ様!代表挨拶するだなんて知らなかったよ!」
「母さんも知らなかったからビックリしたわ、それに思わず素敵な挨拶で涙腺崩壊してしまったわ~」
「お母さんだけじゃなくて周りの保護者さんも皆、大号泣だったよ~!」
「そうだったんだ笑、でも気持ちが伝わったなら良かった。」
「流石お兄ちゃんだね!」
「おう、ありがとう!」
「とおるはお友達できた?」
「うん!今年は男子が多いみたいで、2クラスに3人ずつで別れているのだけど、そのうち同じクラスになった白石 晴君と赤城 聡太君と友達になったよ!ついさっき、お互いあだ名や下の名前で呼び合おうって話していた所だったんだ!」
「そうだったのね、それは良かったわ~」
「お友達が出来たなら安心だね!」
「ええ、そうね~」
「僕の事は大丈夫だよ~、それに長い事待たせちゃってお腹も空いているだろうし、早く戻ってお寿司食べに行こうよ!」
「そうね、そうしましょうか♪」
「レッツゴー!」
それから今日あった事や緊張した事、裏ではどういう指示を貰っていたのかなどの雑談を交えながら僕たちは自宅まで帰るのだった。
「「「ただいま〜」」」
「そうだ!お兄ちゃん!一つお願いしてもいい?」
「ん?何を願いたいの?」
「制服を着替える前に、私のスマホでツーショット撮らせて!」
水姫はそういってキュルキュルとした上目遣いで見つめてくる。
(か、かわいい……)
「あね、それくらいなら良いよ」
可愛い妹の願いとあらばと思い僕らはリビングでスマホを構える。自撮り棒は無いので手でその役割を果たす。僕は水姫をバックハグして頬をくっつけスマホのカメラの部分を見つめるのだった。
「はい、チーズ!」
カシャッシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ
水姫はとびきりの笑顔で喜びながらも少し動揺し照れているのか、カメラを連写する。
「撮りすぎじゃない?(笑)」
「これでいいの!ありがとうお兄ちゃん!わ、私着替えて来るね!」
そう言って水姫は頬を赤らめながら部屋へと戻るのだった。
(バックハグはやりすぎだったかな?)
などと思いながら僕も自室へ戻るのだった。
その後しばらくして、各々準備が整い、また家を出るのだった。
車に乗り込み僕たちは母さんが予約してあるというお寿司屋さんを目指すのだった。
「母さん、どんなお寿司屋さんに行くの~?」
「母さんが良く仕事の会社の接待とかで使っている会員制のお寿司屋さんよ~、とっても美味しいの!それに、実は母さんの学生時代の後輩がやっているお店だから、気心も知れているし、肩肘張らなくていいから気に入ってるのよ」
「そうだったんだ~」
「水姫お寿司久ぶりだから楽しみ!」
「最後に家族に食べたのはいつだったかしら?」
「なんだかんだ僕以外は皆忙しかったし、僕もあまり外出しようとはしていなかったからかなり昔なんじゃないかな?」
「ええ、そうね~、出前はあったけど外出はきっと、とおるが小学生とかの時だと思うわ」
「そんなに前だったか~」
「お母さん、その時は今日と同じお店だったの~?」
「あら、水姫は幼稚園生くらいだったから流石に覚えてないかしら~、今日行くお店はその時にはまだ無かったから、昔に行ったのとは違う、別のお店よ♪」
「そうなんだ!」
「楽しみだな」
「ふふふ」
そんな事を話しながらお店に向かっているとどうやら着いたようだ。そこはいかにも知る人ぞ知るといった感じの入り口だった。僕たちはそのまま中へ入って行く
「いらっしゃい!」
そこにいたのは、板前の服を着た、黒髪ロングの綺麗なお姉さんだった。
「あら、大将今日も宜しくね♪」
「任せて下さい姉さん、今日は芸能人の方ですか?」
「違うわよ、私の子ども達よ」
「え、あ、姉さん、男の子いたんですか!?」
「あはは、宜しくお願いします。」
「宜しくお願いしまーす!」
ビックリしている大将さんに僕らは挨拶をする
「今日は息子の高校の入学式だったの~、だから飛び切り美味しいのをお願いね♪」
「は、はい!任せて下さい!」
そういいつつ、案内された席に座る。どうやらここは、一日2組限定の会員制のお寿司屋さんらしい...
まずはお通しが出される。
「春キャベツと筍を使った、スープサラダです」
「おお~美味しそう」
「外は寒いですから、ぜひ温かい内にお召し上がり下さい。」
とてもいい香りのするスープに口をつける
「うまぁ……あったかい」
春の野菜の旨味が凝縮しつつも優しい味わいのスープだった。
「あら、美味しいわぁ~」
「ん~!美味しい!」
食事をするために胃を整えてくれているような感覚になる、不思議なスープだった。
その後もガシラの煮つけや、キンメダイの湯引き、王道のマグロや、カツオなど様々なお魚のフルコースを楽しんでいた。
「そういえば、とおる、以前に旅行へ行こうって話あったじゃない?」
「うん、したね」
「どこか行きたいところとかあったりするかしら?」
「ん~、難しいなぁ……水姫はどこかあったりするか?」
「家族で行けるなら何処でも大丈夫だけど、強いて言うなら西?」
「「西?」」
「うん、上の方はまだ寒いかなぁ~って」
「ああ、確かになぁ~、春スキーとかをするには雪も足りないし……」
「だったらこういうのはどうかしら?名古屋の方まで海岸沿いをドライブしつつ、名古屋城とか熱田神宮とか、観光スポットを巡って一泊、翌日は岐阜県の方面から岐阜城とか白川郷とか巡りながら、群馬の草津で温泉に入って帰るっていうのはどうかしら?」
「歴史好き大歓喜って感じのセレクトだね、白川郷から草津だと車で5,6時間だから
岐阜にある下呂温泉とかの方が僕は良いと思うよ」
「そうね~、だったらそうしましょうか!」
「私はみんなでお出かけ出来たら、それだけで楽しいよ!」
「じゃぁ、決まりね♪昔の景色が残っている所とか母さん一度行ってみたかったのよね~」
「そうだったんだ、日光の方とかもそういうのあるイメージ」
「私は地理が苦手……全然わかんないや~」
「そうね~、家族で色々行ってみましょうね」
そんな感じで旅行の話に花を咲かせつつ、僕たちは家族の一時を楽しむのだった。
その後自宅に戻った僕は、約束どおり皆と会話をするため、グループトークを開始する。
「あ、2人ともお疲れ~」
「お疲れ様です!」
「うぃ~」
「皆時間大丈夫だった?」
「全然大丈夫だよ~」
「だいじょぶ」
「それなら良かった~、そう言えば皆はどうして星臣学院を選んだの?」
「あ~、僕は……街の治安かな……通学中に襲われたら怖いからね」
「なるほど~、一理あるな」
「俺は……香織が星臣目指すって言ってたから」
「あね、双子だって言ってたもんね~」
「いいなぁ~にこいちって感じで羨ましいよ~」
僕はベッドに寝ころんだまま話を膨らませていく。
「皆は部活とかやるの?」
「ん~、何かやってみたいって気持ちはあるんだけど……女の子ばかりの所に飛び込む勇気はまだ持てないかなぁ……」
「俺は……特に、音楽好きだから軽音とか迷うけど、そこまでかなぁ……」
「そうなんだね~、とおる君はどうなの?」
「僕かぁ~、バスケとかスポーツもやってみたいけど、何か放課後冒険部的なの作って好きな事して遊べる部活とかやってみたいなぁ~とか色々考えてる」
「おお~何だか楽しそうだね!」
「いいなぁ……面白そう」
「いっその事さ、男子の憩いの場的な部活でも作る?やっぱり肩身が狭いと感じる人は多いだろうし、そういう少数派の居場所になれるようなコミュニティがあったら、もっと学校を楽しめると思うのだけど、どうかな?」
「僕は賛成!放課後冒険部、いいじゃん!」
「俺も割と興味あるかも……何となく新しい事してみたい感はあったから……」
「じゃぁ、明日生徒会室に行って聞いてみるよ!」
「ありがとう!」
「あざっし~」
皆が意外と乗り気だったので、僕は新しい部活の創設を頑張ろうと心に決める。
「あ、もうそろそろ良い時間だね……今日はこの辺りで終わろうか~、あまり遅くなりすぎても起きれなくなっちゃうからね」
「そうだね~」
「じゃぁ、今日はお休み~」
「うん、お休み!」
「やすみぃ~...」
そういって僕たちはグループトークを終える。明日はクラスレクかぁ~と考えながら、一日が濃い事もあり、なんだかんだで疲れていた僕は、その眠気に身をゆだね、ぐっすりと寝息を上げるのだった。
ご閲覧頂きありがとうございます!
学園編が始動したという事で、やっと青春って感じです。
これからも、とおるたちの行く末を見守っていてあげて下さい!
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