第10話 自己紹介します!!
またまた少し長めに...
少し修正ですが、送辞と答辞は卒業式の用いる言葉だったようなので、歓迎の言葉に変えておきました!
ご指摘頂き、ありがとうございます!
私一人の力では到底良い作品を描くことはできないので、今後も皆様のお力をお借りし、面白く愛される作品へと成長していけたらいいなと思っております。何卒宜しくお願い致します!
では本編をどうぞ↓↓↓
入学式が始まり、緊張を感じながらも、生徒会長が歓迎の挨拶を終え、少し声をかけてくれた事で、自分らしい言葉で堂々としよう代表挨拶をしようと決めた。
そして何事も無く、いや寧ろいい意味でこの星臣学院に新しい風を吹き込むのだった。
その後入学式を終えた僕たちは、一度最初の教室に戻り、荷物を取りに行った。
案内の先生によると、そのまま教室で待機していたら、それぞれのクラス担任の先生が迎えに来てくれるとの事で、僕たちは待っているのであった。
少しするとドアをノックする音が聞こえる。
そこから入って来たのは、先ほどの綺麗な着物を着ている、僕ら1組のクラス担任だった。
「失礼します。1年1組の担任となった蛍原 響です。1組の生徒は今から案内致します。
赤城さん、葛野さん、白石さんの以上3名は集まってください。」
僕は名前を呼ばれたので、そのまま荷物を持って先生の前に足を運ぶ。
「よし、揃いましたね。では移動します。」
そのまま僕たちは先生の背中について行く。
「これから通うクラスですので、しっかりと覚えておいて下さいね」
先生は移動がてら、目に見える教室や職員室の場所を僕らに説明する。
僕は真面目な雰囲気の漂う担任と、ぜひ仲良くしたいと思い少し話かける。
「先生はこの学校に就任されてから長いですか?」
質問が飛んでくるとは思っていなかったようで、少し驚きながらもしっかりと答えてくれる。
「いえ、実は皆さんと同じで今年からなんです。つい最近研修を終えて、新任としてこの春から働く事となっております。とは言え、元々は私もここの生徒でしたからある程度の事は何でも分かりますよ!」
なんと、先生は新米教師だったようだ。真面目で少し堅い印象だったが、どうやら先生自身も少し緊張しているだけみたいだ。
「そうでしたか!では先生でありこの学校のOGとして尋ねますが、食堂で一番美味しいメニューはズバリ、何でしょうか?」
僕は打ち解けられそうだなと思い、少しフランクな質問をしてみる。
「食堂ですか?今のメニューは何が一番人気なのかは分かりませんが、私が現役だった時は確か、季節の野菜を使った天ぷら定食が人気でしたよ!この学校は共学なので男子生徒も食事をする以上下手な物は食べさせられないとして、オール無添加で、栄養を考えられたメニューが多いです。そしてお味もとっても良いですよ」
「そうでしたか!それは楽しみです!全部コンプリート出来るように頑張ってみます」
「ええ、私も入学当初は同じ事をしていましたよ(笑)、存分にコンプリートしちゃって下さい。そういえば葛野さん、入学式の挨拶大変素敵でした、以前から考えていたのですか?」
「ありがとうございます!特に考えていた訳ではなく、心にある言葉をそのまま口にしただけですよ」
「そうでしたかぁ……葛野さんがあまりにもしっかりしているものだから、思わず先生達もビックリしていましたよ、中には涙している先生もいた程です。私も例に漏れないですが……」
「そうでしたか!とは言え、大事な挨拶ですから、しっかりと役目を果たせたようで一安心ですよ~!」
「そうですね~……っと着きました。こちらの教室が皆さんが一年間勉強する教室になります。中には既に女生徒が待機しております。皆さまは不安もあると思いますが、面接の段階で、問題行動を起こしそうな方は徹底的に不合格にしております。ですので、一先ずはご安心ください。」
この学校では異性とのトラブルに発展しそうな性格か否かも面接の項目に含まれているようだ。となると入学している段階で、ある程度理知的ではあるのだろう。
「それじゃ、入りますね。」
先生はそういってドアをガラガラと開けて入っていく。そこに僕たちも追従する。教室の中にはおよそ25人程の女子生徒がいた。男子生徒が入ってくるのを見ると色々なリアクションが生まれる。そわそわと頬を染める人もいれば、静かに泣いている人もいればと多種多様なありさまだ。
(というか、つくづく思うが、この世界の女性は綺麗な人が多いなぁ……)
恐らく古来よりオスを獲得するための厳しい競争社会に生きていたからだろうか、より男性に好まれるように遺伝的に発達していったのだろう。
僕たちは部屋の中に入り、足を止める。それと同時に先生が女子生徒に向かって口を開く。
「皆さん、まずはご入学おめでとうございます。今年一年、皆さんと共に勉強を学ぶ男子生徒の3名です。ぜひ温かく迎えてあげて下さい。また、くれぐれも本人達が傷ついたりするような言葉などに気を付け、慎みをもって接してあげて下さい。」
「さぁ、男子の皆さんは教室の端に空いている席へお座りください。」
席を促され、僕らは空いている席に向かって歩く。最初慣れるまでは、男子どうしで席を固めるという、学園の配慮なのだろうと思った。
とは言え、男子は3人で奇数のため、1人だけ女子の隣になるのだが、他の男子より僕が一番女子への抵抗が無いだろうと思い、進んで座る事にする。
「僕がこっち座るよ」
「あ、ありがとう……」
「……あざっす」
そういって初めて男子生徒と会話をする。そして僕は横の女子生徒にも声をかける。
「隣いいかな?宜しくね」
ニコッっとビジネススマイルを浮かべつつ、挨拶をする。
「ふぁ、ふぁい……」
顔が真っ赤に染まっていく。どうやら男性と話した事は無いのかもしれない。そのレベルの反応に見える。ただ普通に声をかけただけなのに、何か変だったのだろうか?
僕は少し不思議に思いつつも、まぁいっかと前をみる。
「席についたようですね、では改めて自己紹介致します。今年一年、この1組のクラス担任を務めます。蛍原 響と申します。気軽に響先生と呼んでください!
私は先生であると同時に、この学校のOGでもあるので、皆さまの先輩でもあります。そのため、学校の事で何か分からない事がございましたら、気軽にお声かけ下さい。
勿論、男性指導資格もちゃんと持っているので、男子生徒の皆さんも気軽にご相談して頂けると幸いです。と言え、実は先生も今年入った新任ですので、皆さんと共に成長していけたらなと考えております。どうか宜しくお願いします!」
先生の自己紹介を聞き、僕ら生徒は一斉に拍手をする。
「この後の流れだけ先に説明致しますね。まずはそれぞれが簡単に自己紹介をして頂き、その後、この学校の設備利用の注意についてお話します。その後、教科書を配布致しますので名前を書いていただき、後ろの壁に備え付けられているロッカーがそれぞれ割り当てられていますので、そこに教科書をしまって下さい。勿論自宅に持ち帰りたいという方は持ち帰って頂いても結構です。」
後ろを見ると壁の中にロッカーが埋め込まれている。一体型は初めて見た。
白色で統一されているそれは、取っ手などもついておらず、電子ロックのようだ。
「後ろのロッカーは指紋認証が必要です。3か月に一度更新を行ないます。後程それらの手順とやり方をお伝えします。そして教科書の配布が終われば、皆様に3年間この学校で使うタブレットを配布します。これは、国からの補助金によって購入した無料配布物ではありますが、絶対に壊さないように慎重に取り扱って下さい。壊れてしまうと再度購入する場合はそれぞれのご家庭に負担して頂く事になります。タブレットを受け取ったら皆さんで初期設定を進めていきます。このタブレットには学校専用のポータブルアプリがインストールされています。そこでは教員からの連絡事項を受け取ったり、学校内の図書館に貯蔵されてある本は全てデジタル書籍として無料で読めたりします。そして教科書の一覧もありますので、多くの生徒は教科書を学校へ置き、このタブレットを使って勉強をしている生徒が多いです。また先生にもよりますが、課題提出などもこのアプリを使う事が多いので、後程配布されるIDとパスワードは必ず忘れないようにメモをしておいてください。ただし、このタブレットは音楽も各自でダウンロードするなりサブスクリプションに登録する事もできますが、登下校中に音楽を聞きながら来ることは無いようにお願い致します。例年そのような生徒がみられますが、過去にそれで事故にあった生徒がいます。くれぐれも身の安全のため、注意して下さい。」
何とこの学校では進んでIT活用を行なっているらしい。便利だし、重い教科書を持ち歩かなくてもいいという事だけで、かなり楽だ。というか、配布されたのは最新型のタブレットだ. 流石私立というべきか、お金を持っているなぁ〜と感じた。
「このアプリで学校側に匿名相談をする事もできますので、皆さまが学校生活で不自由を感じたり、何かトラブルがあった際はいつでも相談して下さい。
さて、この一連の作業が終われば、最後に少し連絡事項だけ話して本日は解散致します。お昼でお腹すいている時間だとは思いますが、大体12時40分を解散目安としております。皆さま指示には素早く従い、タスクをこなして下さい。自己紹介で盛り上がるのは結構ですが、これらのタスクをこなさないとお家には帰れないという事は念頭において下さい。保護者の方を待たせている人もいると思います。それぞれが協力し合って進めて行きましょう。」
そう言って言葉を区切り、先生は一連の流れの説明を終える。
「さて、待ちに待った自己紹介の時間です。盛り上がるのは大いに結構ですが、はしゃぎすぎないように気を付けて下さい。では、出席番号順で名前を呼んでいくので呼ばれた人は前に出てきて下さい。」
「では最初は、赤城 香織さん」
「は、はい!」
そこに出てきたのは少し幼げのある、ピンク色の髪で、なにやらてんとう虫の髪飾りをつけた可愛らしい女の子だ。
「え、えと赤城 香織です。宜しくお願いします……趣味は絵を描く事です。部活は特に入ったりはしていませんでしたが、習い事で茶道をしていました。得意科目は国語などの文系科目です。それと、同じクラスの赤城 聡太とは双子で、私は妹です。宜しくお願いします。」
1人目が自己紹介を終えると、大きな拍手で包まれる。自己紹介中は各々が「そ~なんだ!」などと聞いている側も邪魔にならない程度に口々にリアクションしている。
(なるほど、通り(道理)で名前が同じだと思った訳だ。)
「次は赤城 聡太君。」
「うっす。」
そう言って僕の斜め後ろに座っていた男の子が腰をあげた。赤毛の髪は長く、ハーフアップにしている。少しダル目な感じで、元の世界だとバンドマンとかにいそうな風貌で、体は結構細めな感じだ。
「赤城 聡太っす、楽器やってます。ギターとかピアノとか大体は触れます。妹の香織がいるので女子もある程度は話せるけど、めんどくさい事は嫌いっす。」
(おお〜カッコいいなぁ……何というか、沼る系男子だなぁ……こういうタイプは今まであんまり関り無かったけど、仲良く出来たらいいなぁ~)
自己紹介を終えると男子だったからだろうか、歓声があがる。聡太君も思わずビックリしている様子だった。
「次いきますね、伊丹 京子さん」
「は~い」
何だか独特な雰囲気を持っている茶髪の女の子が席を立つ。おっとりとした感じで、優しそうなイメージがある。
「皆さんこんにちは、私は伊丹 京子と言います。なかよう〜してくれると嬉しいわぁ、元々は京都にすんどりました。せやからある程度の方言はかんべんして貰えると助かります。趣味は愛犬の太郎と散歩する事です。後はみーはーではあるけど、ドラマとか映画とかも人並みには好きって感じやなぁ、部活は弓道部でした。こう見えても、中学生の時は京都の代表やったから、全国出たことあります。宜しゅうな~」
(中々癖がある感じの女の子だけど、面白いこだなぁ~、それに関西出身という所に親近感を感じるなぁ~)
パチパチと拍手をする。
「次、葛野 徹君」
「はい!」
僕の名前が呼ばれる。少しばかり緊張するが、親しみやすいようなフランクな感じでいこうと思う。
「どうも!皆さん初めまして、葛野 徹と言います!僕も2つ下に妹がいるので、そこまで女の子にも気後れしない方だと思います。なのでドシドシ話しかけて下さい!え~、方言で言えば僕の母親が大阪出身という事もあり、所々関西弁が混じりますが、ご愛嬌という事で宜しくお願いします。とはいえ、バーンって言われて急に倒れられる程柔軟では無いのでそこんところはちょっと、把握お願いします。」
はははと少し笑い声が上がったので掴みはバッチリだろうと思った。
「趣味は妹と散歩する事だったり、あと簡単な筋トレはしてます!漫画とかアニメとかも結構好きで、流行りとかに何でも影響を受けやすい感じです。最近妹に借りた漫画でバスケ漫画があったのでそれにハマってたまにバスケしてます(前の世界で少し習ってたとは言わない)。上手な人とかいたら、教えて貰えると嬉しいです。この学校では、何か打ち込める事を見つけて、文武両道で頑張りたいと考えております。皆さんどうか、宜しくお願いします」
僕が自己紹介を終えると、大きな拍手が返って来る。中には「わたしも~!」とか「よろしく~!」とか合いの手とかもあったりして、なかなかいい雰囲気だ。
その後も何人か紹介は続き、その次に紹介されるのは最後の男の子だった。
「次は、白石 晴君。」
「は、はい...」
そこで立ち上がった最後の男の子は、どちらかというと女の子のような見た目でとても中世的な見た目をしている。明るめのグレーっぽい髪色で、肌は雪のように白い。
背は低めで細く、ちょこちょことした姿に可愛らしさすら感じる。
「え、えっと、僕は白石 晴です……一人っ子で女の子とはあまり話した事が無いので、ちょっと苦手ですが、が……頑張ります!」
そう言って、両腕に握りこぶしを作っている。
「趣味は読書で、えっと……あと甘いお菓子とかが好きです。運動は苦手だけど、家族の影響で、一応バドミントンは少し出来ます。ゲームとかもよくやったりするので、話が合う人がいたら嬉しいなって思ってます。宜しくお願いします。」
男の僕から見ても可愛いと思う感じの子だった。これはその手の女性にはかなり人気が出るだろうなぁ〜などと考える。
その後も順調に自己紹介が続いていく
「次は友川 雛乃さん」
「はいは~い!」
そう返事をして小走りに出てきたのは、笑顔が素敵な背が低めの金髪ロングの女の子だった。
(どことなく、ひよこっぽさを感じる……)
「友川 雛乃って言います!ひなって呼ばれてたので、そんな感じで呼んで下さい!好きな物は卵料理です!あとキャラクターのガーガーダックのダックさんが好きです!小さいし私の髪色と同じだし、ぴよぴよって感じがめちゃキュート!部活はバレー部でリベロをしてました。宜しくお願いします!」
(聞いた事の無いキャラクターだが、あの手のゆるかわ系が好きなのだろう。どことなく水姫を感じなくもないが、それ以上だなぁ……何というか、元気で嵐のような女の子だったな)
少しあっけにとられたが、そのまま紹介は続いていく
「次は姫川 紗理奈さん」
「……はい」
大人しめでとても眠たいのか、目をさすっている白髪ストレートボブの女の子だった。
「姫川 紗理奈……趣味は寝る事……好きな事は……睡眠……すぴぃ……zzZZ」
自己紹介の途中で立ちながら寝始めた女の子に僕は思わずツッコむ
「いや、寝るんかい!今の所睡眠要素しかないやないかい!」
「ん……?男の子、良いツッコミ……おかげで少し目がさめた。家族には妹がいる……私は出来るお姉ちゃんって感じだから、何でも頼って……すぴぃ……zzZZ」
「いや、滅茶苦茶やん!」
僕との攻防にクラスの皆は笑っている。
ついついツッコんでしまったが、あまりにもそういう要素が豊富なので仕方ないだろう。
「え~っと……次?でいいのかな?」
先生は少し困ったように話している。
姫川さんは鼻ちょうちんを膨らませ、眠ったまま席まで戻る
(いや!……どういうこと!?)
僕はまるで新種の生き物に出会ったかのような気持ちだった。
その後もクラス紹介は続き、最後の女の子になった。
「じゃぁ、最後は八乙女 七菜香」
「はい」
そこで立ち上がったのは紫色の髪をした、少し大人っぽい印象の女の子だった。
どちらかと言えば、モデル体型で女の子にモテそうなカッコいい系女子という感じだ。
「えっと、八乙女 七菜香です。勉強よりは運動の方が得意です。趣味は漫画とかアニメとか結構好きだったりするので、話が合う人がいたら嬉しいです。意外とその、か、可愛い感じの物とか好きだったりします……妹がいるので世話焼きな性格だと思います。部活は中学まではバスケ部でセンターでした。」
少し恥ずかしそうに趣味を語りながらも凛とした、クールな女の子だった。そして僕と同じバスケをしていたという。是非仲良くなりたいなと思った。
(というか、この手の可愛い物好きなクール女子は個人的にドタイプなんだよなぁ……なんだか尊く思えてきた……)
「以上28人が、1年間過ごすクラスメイトなので、皆さん仲良くしましょう」
こうしてそれぞれの自己紹介を終えた僕たちは、その後先生の指示に従って、必要な作業を済ませていくのだった。
「最後に連絡事項だけお伝えします。明日、明後日はクラスレクの時間となっているため、親睦を深められるような事をしていこうと思います。何をしたいかは明日決めるので、各々で考えておいて下さい。その後お休みを挟んで、月曜日からは通常授業となります。まだまだ慣れない事も多いとは思いますが、くれぐれも遅刻や忘れ物が無いようにお願い致します。」
そう言って僕たちは解散となった。
この後水姫とかと合流して、ようやくお昼ご飯を食べられると思うと、余計にお腹が空いてくるような錯覚に陥るのであった。
お疲れさまです!自称猫好きです!
本日も閲覧して頂き、ありがとうございます!
もっと軽く読めるようにと思いつつ...筆が乗るとついつい書きすぎてしまいます笑
そのため一話あたりの文字数の格差が凄いです...
今回は自己紹介でしたね、かなりのキャラクターが出てきました!
この先、どのような関係性へと発展していくのでしょうか...
続きが楽しみだなという方は(・∀・)_bと★★★★★をお願い致します。また、感想やブクマも大変励みになります!ありがとうございます!
余談ですが
作者は高校生活一発目の自己紹介で盛大に変な事を言ってしまい、当分ヤバイ奴だと思われていたと後からクラスの友達に聞きました。とは言え、私はどちらかと言えば真面目よりでマスコットキャラ的な感じだったので、ヤンキーが良い事すると良く見える理論が適用され、加点方式で減点が無いため、めっちゃいい子認定されたので幸いでした。下げてから上げる。効果ありありなのでおススメです。




