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プロローグ
生まれ変わったらどんな自分になりたい?
お金持ちになりたい。
可愛く美しくなりたい。
皆から認められる才能がほしい。
小さい時から褒められるところのない子だった。
恵まれた容姿でもなく、飛び抜けた才能もない
人の輪から離れたところにいる目立たない子、
それが私だ。
かといって不幸でもない。
家族仲は良いし、少ないけれど友達もいる。
恵まれているけれど自分にしかない存在価値が欲しかった。
「さあゲームを始めようか。」
静けさのなかで声が響いた。
円卓を囲んで室内には3人たたずんでいる。
1人は金髪の若い男性、1人は白髪の老人、もう1人は銀髪の若い女性。男性と老人は円卓を挟んで向かい合って座っており、女性は老人のそばに寄り添っている。
「覚悟はいいかな。」
老人は男性に問う。
「もちろん。覚悟ならとっくにできてるさ。」
男性は笑いながらそう言うと円卓に1つの駒を出した。
「俺はこいつを指名する。」
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