表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/44

第3話 卵投げ

私は武の極みというものを目指して日々修練に励んでいた。

しかしある日自らの才能ではそこに至ることは無理だということに気付いてしまった。

とっくに気付いていたが目を逸らしていただけなのかもしれない。

結局私は全てを諦めあらゆる勝負から降りることを決意した。

ところが今まで私は自らを精神的、肉体的に鍛え高みに達することしか考えてこなかったのでこれからどのように生きていこうかという考えはまるで無かった。

今更になってどのような仕事が出来るのかも皆目検討がつかなかったし、そう簡単に仕事が見つかるとも思えなかった。

人生の目標を失いもがき苦しんでいた私に唐突に転機が訪れた。

ある日あてどもなく歩いていた私は街のゴロツキに絡まれてしまった。

全く抵抗する気のない私に対してゴロツキどもは良い的を見つけたとばかりに生卵を投げつけてきた。

だが私も少しは武の心得のある身、生卵を反射的に受け止めつい投げ返してしまったのである。

ゴロツキどもは勿論卵黄卵白に塗れ怒り心頭に発した。

襲いかかってくるゴロツキどもに対しどう対処したものかと考えていた刹那、私を車に乗せて誘拐するものがいた。

彼こそが私が生卵を受け止め投げ返す光景を偶々近くで見ていたという闇のブローカーであった。

彼はなんと私を「卵投げ」なる闇社会の地下競技の選手としてスカウトしたのである。

私が後に無敗の卵投げ王者、アンタッチャブルアルブミンキングとして地下卵投げ界にて君臨することになるとはその時はまだ知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ