警備員の同僚
あぁ・・・昨日は飲み過ぎた。
いつもの居酒屋でうまい日本酒がいろいろありすぎて、あれもこれもと飲んでいたら、いつの間にか乗っていた電車は終電に・・・
どれだけ乗り過ごしてたんだ?
そんなことがあっても、目覚ましが鳴れば時間通りに起きてしまうこの性分が憎い。
と、いうわけで、今回はこれまでに出会った仕事の同僚を何人か紹介したいと思う。
警備員という仕事上、真面目で品行方正な人物が求められる・・・のだが、実際警備員になってるのはいわゆるドロップアウトした人間、要は、年齢や素行、その他もろもろを含めて、勤め先に困っている人だったりもする。
犯罪者や多額の借金を抱えて自己破産してしまった人間は、そもそも警備員になる資格がないので、本当の極悪人みたいな奴ではないけれどな。
ただ、節操なく己の欲に従って、職場から去らざるを得ない警備員もいる。
例えば、職場でかわいい女性を見初めて、従業員名簿みたいなものから、名前や勤め先、緊急連絡先を調べあげて、ストーカー紛いのことをやっちゃう、なんて奴もいるようだ。
最近は個人情報の扱いが非常に厳しくなってるから、契約先から追求されたら会社の信用問題にもなりかねない。
でも、本人は「好き」という純粋な思いからの行動だし、なんとしても知りたい執念みたいなものがあるから、会社のことなんて全く気にしないらしい。
俺の職場にもそんな同僚がいた。
当時派遣されていたテナントビルは、インフォメーションの女性が店内で待機しているスタイルだった。
ビルやお店の顔となるので、見目麗しい女性がその仕事についていた。
で、その同僚は、かわいらしいインフォメーションの女性たちにひとめぼれ。
ことあるごとにスイーツや飲み物をカウンターに差し入れたり、休憩時間には店頭のカウンターまで行っておしゃべりをするほど入れ込んでいた。
当然、警備隊長からも怒られたが、隊長の目を盗んで差し入れやおしゃべりは続いていた。
で、とうとう契約先に見咎められて、厳重注意。
端から見ていた者からすれば、よく隊から外されなかったものだと、今になって思うよ。
警備員への評価が厳しいところだったら、会社ごと交換、ということになってもおかしくないからな。
で、この同僚は、急にまとまった休みが認められなかったからと、勤務中にもかかわらず、そのまま荷物をまとめて出ていってしまった。
実は、この「いきなりいなくなる」というのも、俺の中では警備員あるあるなんだ。
一番多いのは新人研修中だな。
警備員なんてただ立ってりゃいいって甘く考えてると、その仕事の大変さに面食らって、辞めたくなるんだ。
さらに、男所帯で体育会系なところがあるから、容赦なく罵倒されるなんてしょっちゅうだった。
今なら、確実にパワハラものだ。
なんせ、元自衛官が「先輩が厳しいのが辛い」って辞めてったくらいだからな。
理不尽なのって辛いよな。
そういえば、副隊長が隊長からいわれのないことで責められまくって、頭に来ていきなりいなくなったっていうのもあったし、前日に仕事でやらかしてしまって、次の日の勤務に来ないどころか音信不通になった奴もいた。
社会人としてどうなの?と思わなくはないのだが、メンタル的にかなり追い詰められて、仕方なくそうしたのだろう。
気の毒というのが正直な気持ちだ。
と、ここまで何人か同僚のことを話して来たが、こんなのはまだ序の口。
中には犯罪者まがい、いや、場合によっては犯罪者になっている同僚もいるけど、続きは次回にしよう。