サイキッカーの誕生
時は近未来、世界は混沌に包まれていた
10年前突如世界に現れた超人、超能力者だ。
Jokerと呼ばれる悪の組織のトップが研究して作った薬を投与する事によって人間が超能力を使えるようになる
その者達は通称『ワイルド』と呼ばれるようになった
この現状を見て国はワイルドに対抗すべく
ポリスメントと呼ばれる対ワイルド用特殊部隊を設立
ワイルドの細胞を研究しそれを応用して作られたサイキッカーの誕生
サイキッカーはSPIを操りワイルドを制圧…出来なかった
人類はワイルドに勝てない。そう思われた…
俺が来るまでは
俺の名前は垣根京一、ポリスメントを育てる為に作られた高校『青栄高校』の1年生
青栄高校は入学と同時にSPIを授けられる
能力は個人差があり、例えば火を操る能力
空中飛行ができる能力、基本1個しか能力を持てないが俺は天才だった。
俺のSPIは『ロイヤルストレートフラッシュ』
この世にあるSPIを全て使う事が出来る能力
俺は1年生にしてポリスメントを凌ぐ功績を残し、
人類はワイルドに対抗する力を手にした。
俺の登場によりワイルドの活動は縮小
世界に平和が訪れようとしていた…
「あーダリィ…今日フケちまうか!」
「ちょっとだらし無いんじゃないの?京ちゃん!」
いつものように小言を言ってくる幼馴染『佐藤陽菜』
いつも明るく元気が取り柄
しかしSPIの能力はかなり低い
「そうだよ、君は青栄のトップと言っても過言じゃないんだ。トップらしい振る舞いをして欲しいね」
「うっせー!たまにはいいだろ!!」
コイツも小学生の時からなんやかんや一緒にいる腐れ縁『神崎友也』
正義感が人一倍強くSPIの能力もかなり高い優等生
俺たちはいつもの3人で学校へ向かっている
「しっかしなんか平和よねーやっぱりこれも京ちゃんのおかげ?」
「ああ、正直京壱が青栄に入学してから明らかにワイルドの活動は減った」
「おいおいお前らなんか勘違いしてるな?」
「勘違いってなによ」
「俺は確かに青栄、いや世界のNo.1サイキッカーかもしれねえ…だが俺におんぶで抱っこでどうする!?俺が居なくなったらどうするつもりだ?」
「その時は僕が君の後を追うよ」
「お前に出来んのかぁ神崎ぃ?」
「はは、正直まだ圧倒的な差があるからね。でも、いつも京壱を目指して頑張ってるつもりさ」
「俺を目指してんじゃねえ!ったく…」
話題を振ったのは俺だが急に恥ずかしくなってきた…
なんとか話題を変えよう
「そういえばもうすぐ2年だclass試験があるが準備してんのか?」
「あー…ちょっと自信ないかも…」
「勿論だよ、僕は絶対何があってもA classに入る」
青栄高校は2年生から本格的にポリスメントへ向けたカリキュラムを行う
それぞれ適正のclass分けがされる
『Jack class』大半の生徒はこのclassへ行く事になる普通に1年間授業を受けてたら最低でもJack classには入れる
『Queen class』このclassに入るには1年生の内に何か功績を残す必要があり、かなり質の高いSPIを求められる。
『King class』学生だとしても関係なくポリスメント直々に呼ばれる事も多いclass
SPIの質は勿論の事、判断力や精神力もトップクラス
『A class』青栄高校の懐刀と言われている
A classに入れる条件は謎であり、何人いるのかすら公表されていない。まさに幻
「友也くんなら絶対にA classになれると思うけど、私は…High Cardだろうなあ…」
『High Card』役無し、通称ブタと言われるSPIを使いこなせない者やSPIが全く使い物にならない者達が集まるclass
他のclassからは勿論
青栄高校はかなりの税金を使っている為
世間の目も厳しく差別的な扱いを受ける
「High Cardにならないように僕も陽菜さんのSPIを見てあげるよ!京壱も見てやってくれないか?」
「しょうがねえなあ…」
「やった!じゃあ今日の放課後よろしくぅ!約束だよ!」
この時はいつもと同じような日常が続くと思っていた
もう少し…もう少し冷静になれていたら…
教室
「今日はSPI基礎と実践訓練があるね」
神崎はいつも授業前に予習を欠かさない
真似出来ないなこの真面目な性格
「実践訓練は何をするんだろうか…class試験も近いしそれを意識した授業だとすると更に厳しく…」
「うっせー!ブツブツブツブツ!お前はお経唱えにきたのかよ!」
キーンコーン
「おーいお前ら席につけ。神崎号令頼む」
「はい!姿勢!礼!おはようございます!」
「はい、おはよう今日はSPIの実践訓練を行う全員グラウンドに集合だ」
グラウンド
「お、おいなんだよ、これ…」
クラスメイト達がザワつきだす無理もない
高さ5メートル横幅はあろうクソでかい岩が置いてある
「お前らに今日やってもらうのは授業終わるまでの1時間以内にこの岩を破壊してもらう」
「無理に決まってんだろー!」
「馬鹿にしてんのかー!」
「まあコイツらからしたらキツいよなあ」
勿論文句が飛んでくる、あたり前だ1年生にはかなり酷な授業
1年間SPIを鍛えてきたといってもまだ慣れてきた程度のポリスメントの卵ですらない子供に何を言ってるんだか
「今回はお前ら全員のSPIを駆使していい、上手く使ってやってみろ。ただし、垣根お前は暫く見学だ」
「なに?」
「お前の実力は分かってるつもりだ。今回の授業は、他の奴らのレベルを最終確認するつもりで来ている。だからお前を絡ませる訳にはいかないんでな」
「そういう事か…分かったよ。じゃあ暫く暇だな…」
「じゃあ今から…よーいスタート!」
「うおおおおお」
俺を退けたクラスメイトが総勢岩を攻撃していく
鉄を精製し壊そうとする者や爆破しようとする者
しかし…誰1人として壊せそうにない
「僕がやろう」
神崎友也 SPI ソードマスター
あらゆる剣術を使えるようになる能力
その剣術の種類は100をも超えるという
「シャッフルタイム!無限無双!」
SPI発動の術式が唱えられ目に見えない速度で岩を切っていく
「オープン!SPI解放!」
そびえ立つ岩が震え出し…1秒後砂になった
「ふぅ…こんなものかな、見てたかい京壱」
自慢げにこちらを見てくる。凄いドヤ顔だ
正直鬱陶しくて仕方ない
「はいはいすごいすごい」
「やべぇぇぇ流石神崎だぜ!」
「思ったより早かったな。ん?…!」
ビー!!ビー!!
『緊急事態宣言!緊急事態宣言!ワイルド登場!』
これが最悪の始まり
いや最初から始まっていたのかもしれない