幼馴染 1
不定期更新になります。
これは、ぱきペキ商店街に住んでいる、高校一年生、沙和里 太洋の他愛のない日常を、適当に書き留めたものである。
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沙和里 太洋には、二人の幼馴染がいた。
一人は、魚屋『御逗田』の一人娘、名前は『茉莉』、スレンダーラインの女子、ショートカット。
一人は、寿司屋『二胡山田』の一人娘、名前は『桃香』、ボッ!キュ!ボン!のグラマーな持ち主、ポニーテール。
二人は小さい時から、恋のライバルである。
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さて、帰ろうと茉莉は下駄箱で靴を履こうとした時、後ろから声がかかる。振り返る彼女の前には、幼馴染の姿。
「みずたまり!副委員長の立場を利用して!たいようとイチャイチャしないでよ!」
桃香が思いっきり上から目線で話しかけている。受けて立つ茉莉。
「は?イチャイチャ?今度のホームルーム活動の、打ち合わせをしていただけよ。ほーほほ!僅差で書記になった、ニコヤマダモモカ!私が副委員長です!」
「くぅ!男子票を操作したのに!書記!黒板に書く係!このぉ!お前の票は平仮名ばっかり!適当だから書きやすいのか!」
「ふっ!みずたまり、この名前はさんざんからかわれてきたけど、今になってはいい名前」
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人気のない下駄箱前で何時もの様に、二人は盛り上がっている。
「ニコヤマダモモカ!そのぱっつん気味のブレザー!なんとかならないの?風紀が乱れる!副委員長として注意するわ!事あるごとに、たいようの腕に絡みつくな!」
「フッ、胸!大きいのは仕方がないでしょう?まな板!悔しかったらぱっつんになってみろ!」
「くうぅ!た、たいようは胸には興味無いもの!たいよう家の七海お姉ちゃんが、そんな事話してたし!」
「知ってるわよ!たいようの家の大海兄ちゃんが話してたの聞いた事あるもん!たいようはね、『お尻』のが好きなの!みずたまり!あんたはお尻も壁じゃん!フフン」
誰もいないのをいいことに盛り上がっている乙女二人。
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「まな板!壁!失礼な!脂肪の塊が、無駄にある方がいいとは思わない!」
「は?無駄……このたわわな胸、エクササイズしているお尻に、無駄なものはない!」
キンコンカンコンと終礼のチャイムが鳴り響く……。
「今日こそは決着をつけよう!エロオーラ星人!ニコヤマダ モモカ!」
「絶壁国人!みずたまり!受けて立つ!」
「……、何やってるの、下校時間過ぎたし……なんの話してんだよ」
興味が無い様子で当の本人、沙和里 太洋登場。あ!と二人は声を揃える。
「たいようはどっちが好き?脂肪タプタプ星人?」
「まっ!男子の希望の星の私に!たいよう、どっち?胸も尻もない、絶壁国人のがいい?」
女子二人に聞かれた彼は、チラチラと二人に視線を送り、何時もの事なので面倒くさそうに一言。
「………普通が好みだな、じゃ、先に帰る」
そう言うと彼はさっさと帰って行った。残された二人。
「みずたまり、普通って?サイズなの?」
「ニコヤマダ モモカ、普通……ってどれくらい?」
ちゃんちゃん♪