拝啓 麗しのジュリエット様
とある少女は白き肌に黒き髪を持って
優しさと思いやりを持っていた
少女の笑顔は温かく周りを穏やかにする
だがそれは苦痛と引き換えに笑顔の裏に隠れていた。
少女は日々苦痛に耐えた
謂れのない暴言に
突き刺す刃
少女は耐えた
少女は耐えた
少女は笑う
少女は呪った、自分を他人を
少女は呪った、世界を国を
少女は美しい顔を歪ませて笑う
綺麗な瞳からは赤い雫
鮮血は少女を染めて
少女を赤く紅く朱く染める。
少女は狂ってしまった
少女の髪は赤く少女の肌は白く
少女の唇は赤く
少女は狂ってしまった
痛みに沈んだ少女の心は
深く深く堕ちていく
少女は叫ぶ『助けて』
少女は叫ぶ『つらい』
少女は叫ぶ『私じゃないのに!』
少女は叫ぶ『なんで!どうして!』
少女の叫びは誰にも届かない
本当の苦しみは涙となって消えていく
そして少女は……
『見ぃつけたぁ』
言葉は最大の凶器となるだろう