~並々ならぬ営業力で妻子のスガタを確認できました~
「ささやかな幸せを、潰せるほど抱き締めたら、世界は歪むのよ」
何処かで聞いたフレーズだけど無視しよう
「銀太郎、あなたは守るべきものがあるわ。そして情が深い。きっとその胸の中にあるどす黒いものが消え去れば、次の就職先はホワイトよ。」
ドクンと銀太郎の胸が傷む
「さあ、行きましょうか」
ご年配の女性が少しずつ若返っていき、少々背の低い神様然とした姿になっていく
「神々しいでしょ(^^)貴方にはどのように見えているのかしらね」
銀太郎は戸惑った、つい抱き締めてしまいそうになったからだ
「冗談よしてくれ」
「違うわ、貴方が一番会いたい人がそのままに顕れただけよ」
光の姿にこの世のものではない美しさの衣装だ
さっきにやついていた自分が、会いたい人物なんて決まっていた
「奥さんの姿でその衣装は、心臓に悪い...」
「だと思いました(^^)」
くそっ
拷問かよ
「神様は、意地悪なんですね」
「そういうものよ(^^)」
スッと神殿の中央部に向かう女神
「うちの旦那には、ボンボンボンとした、女性に見えるらしいわ。
こうして話している私も性格や姿、信念までもが概念でしかないから、姿は無いのよ。この世界の信仰心が無くなれば私達は消えるのよ、そのくらい危ういものなの。その代わり望めば大概は実現していくのよ不思議ね」
「人の意思ですか」
「人だけではないのよね
命あるもの全てよ
この神殿は人間用...。あらゆる種族用の概念があるわ」
「概念でしかないか...。」
じっと見てみると、光がにこりと微笑み
銀太郎は焦る
「その姿、変えられないんですか?」
「あら、おきに召さなかった?じゃあ...」
「あ。無理無理無理。」
不敬にも抱っこしてしまった。
「子供の姿は卑怯です」
「だと思いました(^^)」