~並々ならぬ営業力で確約確保できました~
応接室と書かれた紙が貼られた扉を開けられ、促されるままに銀太郎は、ソファーに座ると、じいじとばあばがロコモーションである。
「いらっしゃい銀太郎、突然つれてこられて可愛そうに」
ニコニコと優しそうなご年配の女性が先程田間神社の階段で会った御老人に見事なチョークスリーパーを、かけている
「あの~。顔真っ赤ですよ、大丈夫ですか?」
「あらまあ、おほほほ、心配なんかしなくても良いのよ、それよりも」
手を緩めることなくご年配の女性は話を続ける。
「質の悪い勧誘に返事して言質取られちゃったのよねえ。あなた。」
「へっ?」
「だから、諦めて頂戴。優遇はさせて貰うから。本当にごめんなさいね(^^)」
ズシャア
チョークスリーパーが解除され泡を吹いている御老人をそっとポイしてご年配の女性が続ける。
「銀太郎、この試練が終わったとき、あなたの大切な人達が笑顔で暮らせるように祝福してあげる。あなたが田間神社に行った時に戻してあげる。安心して。今一番心配していたのは優里ちゃんのお迎えでしょう?」
スッと銀太郎の焦燥が走り去って行く
「それに...大変だったわね。いくら気にしないようにしても、毎日のようにあの様な罵詈雑言並べられると疲弊しますよねえ。良く耐えました。」
「あ、いえ。なんかすみません。」
銀太郎の少し赤みがかった頬に温かい筋が走る