~並々ならぬ営業努力により神官に転職させられましたあ~
目が眩んで、自分に何が起こったのか、一体あのおじいさんは、誰なのか
娘のお迎えは行けるのか。じわり汗をかきつつ、薄目を開けた、銀太郎の目の前に、美しい女性が立っていた。
「はじめまして、銀太郎さま、職業安定...ゲフン。ターマ神殿にようこそいらっしゃいました。」
「田間神社...ターマ神殿...今、職業安定所って言おうとしたよね。」
「いかがなさいましたか?銀太郎さま。」
「ん?職業安定所についてはスルーなのかな?何かな?何のイベントかな?(o・ω・o)」
銀太郎を取り囲む寝殿造ならぬ、ローマ時代にありそうな神殿をぐるりと見渡す。
「イベントではございますん。」
「すん!」
「ふざけるのも、いい加減にして。改めて、ようこそいらっしゃいました。」
「ふざけてたんですね。」
「はい。」
「銀太郎さまには、1ヶ月試用期...ゲフンゲフン、神官として、働いて頂くことになりました。ささ、ご案内いたしますので、此方へ...」
そういうと、女性は右手を差し出した。
差し出した右手にはあのメーカーのアーモンドの入った方のキャラメルが一つ。
「意味がわからんのですが、このキャラメルで、ごまかそうとしてる?(o・ω・o)てか、これ夢だよね。」銀太郎は自分の顔をつねってみた。
その瞬間、アーモンドキャラメルを包み込んだ右手が銀太郎の腹に軽く沈み混んだ。
「ぐふぉ」
軽く沈み混んだ腕をスッと抜き、また、右手を開き女性は言った。
「夢ではありますん」
「すん...?」
足がガクガクしているのでしょうか。視界が揺れています。
「とりあえず、此方へ」
まだ膝がガクガクしていたが、滴り落ちる脂汗を拭きつつ、銀太郎は女性に付いていった。
少し進んでいくと、「応接間」と、書かれた部屋の前についた。
「面接官のおじいさんとは、面接終わったのでうちの会社でやっている業務内ゲフンゲフン。神官とはどういった事をするのか、簡単に説明しますね。」
「夢じゃないんだったら、お断りします。」
「すん?」
「いや、すんじゃねえし」
「端的に言いますと、断れません。」
じわり。
「あなたの世界で言う神隠しを行いました。面接のじじいが。」
じゅわり。
「最終的には、勇者と共に、立ち向かっていただく予定です。」
じゅん。
「じゅん太郎さん、大丈夫ですか?(o・ω・o)」
「じゅ、じゅん太郎じゃないです。銀太郎です、家に帰れるんでしょうか?僕。」
「帰れますよ?(o・ω・o)」
「ほ、ホントに?」
「たぶん...じじいが何とかしてくれると思います。」
「え、何そのじじいしばり。あの、おじいちゃん何者?」
「えー。ごにょごにょ。紙?(o・ω・o)」
紙?