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ハルトレント / はじまり・1

「は~あ…」


 もうVRの世界、それでも他の誰かに聞こえそうなくらい大きめの溜息をつく。

 インターネット上だ。0と1で構成された世界だ。今の私はハルトレントだ。

 …そんな言葉でもこの気持ちは微妙に抑えられない。


 幸恵に

「最初なんてある程度のルールとかねー、アイテムの使い方とか間違えなければ感覚でなんとかなるってー!」


 …そういわれたけどさ、このゲーム、どことなく足りないんだよ…!


 キャラメイクはまあ普通だった。色がそこまで多くなかったのはデータが~とかあるだろうから別によし。


 問題は職業選択だった。カタカナの羅列しかないってどーいうこった、分かんねーよ。

 15種類の職業があったけど、どれがどれだか書いてないし、職業説明なしってどういうこった。

 最初の行のフェンサー、ソードマン、ソルジャーは読んだ。あとはソーサラーだとかシャーマンとかサ行が多かったような。

 めんどいし初期カーソル位置にあったフェンサーにした。そんなとこにあるようなのは、挙動とか使いやすさそこまでおかしくないだろうし。

 それ終えた後にログインしたけど、どうやらフェンサーは片手剣の連撃タイプらしい。何で職業選択でそれ書かないんだ。メニューから自分のプロフィール見たら載ってたのに。


 そして今はチュートリアルを終えて、幸恵が言ってた【若葉の服】を手に入れたところ。ちなみにチュートリアルは何事もなく終わった。雑魚っぽいイノシシ倒して、骨集めるだけの特長どころか特徴も無い作業だった。


【若葉の服】のクエストはある意味すごかった。

 酒場のおじいさんに話しかけたら


「おお!また新たな冒険者がキタか!儂も昔は冒険者じゃった!」


 とか言われたかと思えばマシンガントークで思い出を、会話用サブウインドにはひらがなばかりを改行もなしに自動スクロールでベラベラと進められた。

 最終的には


「だから儂は冒険初心者にこれを配っておるのじゃ!ほれやる!」


 …で箱を投げつけられた。ここまでで話しかけてから10分。そして

【若葉の服】を手に入れた…。



「はあ…」


 思い出したらまた疲れた。

 ちなみに【若葉の服】のフレーバーテキストと効果がコレだ。


【若葉の服】

 あいあむしょしんしゃ な服

 バーリエルが趣味で配っている


 これを装備したレベル10未満のPプレイヤーCキャラクターがパーティーにいるとき、装備者は獲得EXP20%UP

 パーティーメンバーはPプレイヤーKキラーを受けた時のアイテムドロップ、ニコドロップが無効



 やっぱりちょっと日本語が残念。

 ニコはこのゲーム、ドラグーンサーガ内の通貨だ。

 確かに初心者にはすごく強い。パーティー組まないと効果は出ないか分からないけど、幸恵が最後に言ってたのはコレを着て広場っぽいところに行くこと。ついでに何か教えてもらえってことだろう、きっと。


 チュートリアルでイノシシの骨を手に入れた時分かったが、このゲームはアイテムを手に入れてもどんな見た目なのか装備・使用するまで分からないらしい。


 というわけで、若葉の服、装備~。


 それはワンピースのような服だった。

(男性だとどうなるかと思ったが後に装備すべて男女兼用でデザインが変わらないと知る)


 それは太めの縦縞だった。


 それは黄色と緑色をしていた。


 もはや初心者マークだった。





 …何が言いたいってことだと思う?



 ダセェってことだよ!



誤字・脱字などありましたら教えてください。

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