それぞれの旅立ち
商業都市ガネスに到着した一行は
先ほど起きた盗賊との戦闘について騎士団へ状況を説明し
騎士団長の計らいで宿に無料で泊めてもらえる事になった。
「それじゃあ、今夜は休むか」
「そうだね、エミルお休み」
「あぁ、お休み」
一人一部屋づつ与えられた部屋に戻っていく
全員が部屋に戻ったのを確認し、暗闇からアレクの部屋の前に移動し
ドアの下部にある隙間からそっと一枚の手紙を部屋へ差し込む
怪しい雰囲気にアレクはドアの方を振り向く
「手紙・・・ 」
闇の者が置いていった怪しい手紙を読むアレク
「親父が倒れただと•••」
手紙の内容はアレクの父親が倒れていつ亡くなるかわからないから一度帰ってきて欲しいと母親からの手紙だった
「あの親父が倒れるなんて信じられないが、仕方ない一旦帰るか」
アレクの父親は世界で10本の指に入る武人である。
それ故に倒れる事は誰にも想像出来なかった。
アレクは真相を確認するために身支度を済ませ馬車に乗って故郷に戻っていった。
「せっかく面白い奴らにあったのになぁ」
翌日、宿屋の受付に預けられた手紙で
アレクの旅立ちをエミルとフローラは知るのであった。
ーーー同時刻(魔王城)ーーー
この世界は勇者と魔王が同時に生まれる
魔界と呼ばれる空間に存在する魔王城
魔王はそこで生まれる。
「魔王様、ご報告があります。」
「なんだ!騒がしい!」
「勇者がファストタウンから生まれたようです」
「だろうな、3日前に魔神から連絡があった
これでやっと戦争ができる!!」
「また、ガネス周辺で聖属性の大魔法が発動した物がいるとの報告があります」
「時期的に怪しいな・・・奴らを試すか」
「やつらとは?」
「ブレイカーズだ!奴らに勇者を拘束するよう伝えろ!」
「仰せのままに」
ーーー同時刻ーーー
「じゃあ、そろそろ行くぞ」
「おぉ~!!!兄様そろそろ起きて!!」
「ほぁ~もういくんっすか?」
「クロノス、シャオ頑張るんじゃよ
ルーンも二人の保護者として頼むぞ」
「クロの方が大人だから大丈夫っすよ~」
「そうじゃな・・・まぁとにかく魔王が生まれた今
この先どのような困難が訪れるかわからないのじゃ
慎重に魔王討伐をお願いする」
「あぁ任せろ」
「おぉ~!!!」
「ほぁ~」
そんなこんなで本物の勇者一行は魔王討伐に旅立つのであった。