嫌な予感
というかそんな感じに言ってるけどそれって僕に言って大丈夫なやつなのか?
「一応聞くけど、それって僕が知っても大丈夫なやつ?」
僕がそう聞くと、陽はやってしまったという顔で
「これ言っちゃダメなやつだった。学園長に他の人には絶対に言うなって言われてたの忘れてた。ごめん!今の忘れて!マジで学園長にバレたら何されるか分からないから!」
と言ってきた。口止めされててそんな軽くいっちゃうって、まあそれが陽の悪いところでもあり正直者といういいところでもある。
「大丈夫、さすがにそれで言いふらすようなことはしないって。」
そう言うと、陽は犬のように飛びついてきた。
「ありがとう、本当に!神様仏様龍宮寺様だわマジで!」
さすがにそれは言い過ぎじゃ、
「そんなに?」
「そんなになんだよ!マジでありがと!」
そう話しているうちに寮へ着いた。
「もう寮についたから離れて。」
「もう着いたのか、じゃ、またあとでお前の部屋行くからな!」
今日は退屈しなさそうだと、そう思った。
「うん、じゃあまたあとで!」
そうして、その日は陽と一緒に寮でひたすらカードゲームやらボードゲームやらをして遊んでいたらいつのまにか2人とも寝ていて朝が来た。
僕らは準備をして教室へ向かった。
「今日から頑張んないとな、いつ落ちてもおかしくねぇ場所だ。」
陽はいつもより真面目な口調で話した。
「そうだね、ちょっとつまづいただけで一気に抜かされていきそうだもん。」
「改めて一緒に頑張ろうな!」
「もちろん!」
僕たちが教室に着くと、もうすでに学園長がいた。いや、学園長、すごい口角上がってるよ。笑みが隠しきれてないよ。どれだけ楽しみなのさ、この後の模擬戦。いや、違う理由か、、?何考えてんのか分からないなこの人。僕らが教室に着いてから5分くらいたってクラス全員が揃った時、学園長が話し始めた。
「今日は授業はしない代わりに学年全体で模擬戦を行う、といっても昨日発表したランキング上位5名とその他が戦うという感じだ。この模擬戦で順位をもっと詳しいものにしようろ思っている。上位5名は順位がほぼ動かないと判断したからこのようなかたちをとっている。ただ、別に上位が動かないわけではない。全員順位を上げれるように頑張ってほしい。」
学園長がいい終わると、教室内は静寂に包まれた。驚いている者、まあそうだろうと思っていそうな者など表情はさまざまだった。ただこの模擬戦、嫌な予感がする。なんせ学園長のさっきの表情、多分何かある。