最強
僕と陽が教室は教室に入り、自分の席に座って待っていると、前の扉からなぜか学園長が入ってきた。
「俺が今この教室に入ってきて驚いている人も多いだろうが、このクラスは俺が教えることになった。」
そう学園長が言うと、クラス内がざわめいた。そりゃ僕も驚きを隠せなかった。学園長はこの国で最強と呼ばれていた。そんな人が、今日から自分たちのクラスの担任ということが夢ではないかと思ってしまうほどに。
「静かに。入学式でも少し話したようにこの学園について詳しく話そうと思う。」
その瞬間、教室の空気がピンと張り詰めたものになった。
「この学園には生徒それぞれに順位が割り振られる。その順位の変動には、主に二つのことをする事で順位を上げる事ができる。一つ目は他の生徒に決闘を申し込むこと。この決闘に勝った時に相手の方が順位が上なら自分の順位が上がり、自分の方が順位が上なら変動はなしだ。負けた場合はどちらでも下がるからそこは注意してくれ。二つ目は試験だ。試験さまざまな方法で不定期に行われる。この試験で優秀な成績を修めた者は順位があがりやすく、すぐに失格になったりした者は順位が下がりやすくなる。この順位は何のためにあるのかだが、この順位を参考にしてどの生徒を上の学年に上げるかを決める。もちろん進級できなかったものは退学だ。ただ、順位が高くても必ず進級できるわけではないし、順位が低くても必ず進級できないわけではないからたとえ順位が高くても油断せず、低くても諦めずに取り組んで欲しい。そして、早速だが試験がある。この後体育館で行われる。いわば最初の順位を決めるための試験だ。」
そこまで言って学園長の表情が少し歪んだような気がする。
「すまない、少し用事ができた。体育館に先生がいるからその先生の指示に従って動いてくれ。俺もすぐ行けるとは思うが。」
僕らはとりあえず体育館へ向かった。
「ったく、面倒だ。こんな日に誰だよ。」
俺は、生徒たちに色々説明してる途中、学園の端にこの学園の生徒のものでも教師のものでもない気配を感じていた。一、いや二人か。恐らく、この学園に忍び込み情報を盗もうとしているのだろう。俺は、気配のした場所に行った。そこには、二人の男がいた。
「おい、ここはどこだか分かっているのか。もし迷い込んでここにきたのなら今すぐに帰れ。」
俺がそう言うと、その二人組はニヤリと笑みを浮かべて
「そんなこと分かっているさ。まあ、バレちまったらそいつを消すだけよ。」
そいつらは俺に攻撃を仕掛けてきた。
「バカなことを。」
俺はその攻撃を全て消した。文字通り、そいつらが放ってきた魔法を消滅させた。
「この程度か?この程度でこの学園に何が目的かは知らないが入ってきたのか?」
するとそいつらは怒りに身を任せて攻撃をしてきた。俺はその攻撃をいなしてカウンターを入れた。
「お前らは弱すぎる。なんでこの学園に侵入できたのかが不思議なくらいな。目的、仲間、アジト、あるのならだが全て洗いざらい吐いてもらうぞ。」
「おま、え、は、一体、何者だ。」
片方がそう聞いてきた。
「なんだ、知らなかったのか。俺はこの学園の学園長。」
そこで俺は一呼吸おき、そいつらに言った。
「”最強”と呼ばれていた男だ。」