ハグしたい
彼はいつもたたずむ。
終わりを迎える世界の地の底で。
その世界はいつも終わるのだ。
変わらない、まただ、この前よりもヒドイ。
だから彼は地から出ない。
翼を羽ばたかせ自由に飛ぶものを憎む。
彼の目にはただ遊んでるようにしか映らないのだ。
声が聞こえる。
いつもの終わりだ。
また始まるのか?
それとも去るのか?
なら今度は知恵を奪おう。
お前は呪われた者となった。
さよなら、サラトガ。
いつも世界は冷たく終わる。
そしてまた超えなくては行けないのだ。
ならば彼はいつかは尽きることのない、終わりとともに終わるのだろう。
その日までは彼は抗い続けるのだ…
朝の日差しだ。
夏よりも春の心地良いそよ風がうきうきさせる。
今日から高校生だ。
入学式よりもクラスの雰囲気が気になる年頃だが、少年はいつも眠たそうにしてるのだ。それでもうきうきする。
彼はいつも早い。
早起きではないが、誰よりも早く到着することを好むのだ。彼は見えないものを見ない。見えてるのは斬新な見たことのない通学路だ。その道は彼にとって冒険とも違う安らぎなのだ。
抑止力任された、だいぶ前からその同盟参加できない。
そのチャットはむず痒く、腹の底が切ない。
強者とは離れたくなくても離れてしまうのだ。
ならなぜ上に来ないかといえば、上に来ないものは幸せなのだ。そして俺は一人で待ちながら離れゆく人を見守る。
俺の楽しみは華々しいわちゃわちゃした、同盟戦争くらいに成っちまった。つまり俺はいつもチャットがゲームくらいに成ってしまって、同盟内ボッチだ。詰んだ…
中学生に戻れれば、授業中にゲームはしないが、俺は狩人と兵士を両立させている。今や大浄魔法まで使うプロだ。若返りたいとは思わないが。負けることのない兵士職を、早く学生に戻して皆で楽しく戦争したいものだ。
そんな憂いを思いながらも新鮮な通学路はぼうけんだった。