62話
更新遅くなり申し訳ありません。62話、第1章ラストです。よろしくお願いします。
「ビュンッ」
ハチが、アンナを守ってくれた?
物凄いスピードで、ミツバチに似たヤツに体当たりしていった。
『っ、アンナ!離れろ!』
俺の言葉に反応しその場を離れるアンナ。
吹き飛ばした相手を、ガシッと全ての足で固定し針でブスリ。すごい音がした。多分パイルバンカーだ。
今度こそ、倒しきったか?トドメを刺しきれていないやつはいないな?
はぁーー、、焦った、本当に焦った。
そして助かった。
感謝しなければならない。
『ごめんキリ、』
いや、クラウディアは悪くない。これはちゃんと確認しなかった俺の責任だ、大丈夫だったかアンナ。
『こわかったよぅ、急に、動き出して、びっくりして、』
そうだよな。怖かったよな。すまない、アンナ。
もう大丈夫だから。もう全部倒したからな。
よしよし。よく頑張ってくれた。
あぁ、本当によかった。
ありがとう。ハチ。
本当に助かった。助けて貰えなければアンナはやられていたかもしれない。
礼を言わせてくれ、伝わらないかもしれないが、本当にありがとう。
ほらアンナも。お礼しような。
そう言うとアンナはトコトコとハチに近づいて、
『助けてくれて、ありがとう』
深く頭を下げた。
良い子だ。ちゃんとお礼できたね。
『キリ、オーチがそろそろ転移門が閉じちゃうかもって。急がないと。』
おっと。そうだな、脇道に逸れすぎた。
世話になった。ハチ。また会えるか分からんが、目の色が戻ったお前なら大丈夫そうだ。
クラウディア、アンナ、急ぐぞ!
『まって!!』
っと。びっくりした。どうしたのアンナ、急がないと『このハチさん!着いてきてもらったらだめかな!』
………それは、どういう意味で言ってるんだい?一緒に外に出る?それとも、行動を共にする仲間になってもらうってことかい?
『仲間になってくれたら、いいかなって、』
そう、か。仲間にしたいか、
クラウディア、先に行っててくれないか。すぐに追いつく。もう少しだけアンナと話をさせてくれ。
『ん、わかった。急いでね。』
そう言ってクラウディアは走っていった。すまん。すぐに行く。
このハチ、戦力的には申し分ない。味方になってくれれば戦力アップだろう。
ただ、自分たちには目的がある。クラウディアを治すって目的と、これは俺の目的だが強くなるって目的が。
このハチは、その目的を果たそうと動いてくれるだろうか。
「マモリタイ」
!?!?
ハチが喋った!?コイツ魔言語のスキル持ってたか??
''フィアーホーネット
Lv40/40
ランクD
HP 43/295
MP 185/207
状態異常・なし
攻撃力 ・・380
防御力 ・・189
すばやさ ・・445
魔法抵抗 ・・217
パッシブスキル
・飛行(Lv1/1)・威嚇(Lv1/3)・ニードルショック(Lv2/3)・危機察知(Lv2/3)・魔言語(Lv1/3)
アクティブスキル
・高速飛行(Lv2/2)・高速立体機動(Lv2/3)・ポイズンニードル(Lv2/3)・パイルバンカー(Lv1/3)''
魔言語のスキルだ。覚えたのかこの戦闘で。
しかしどうやってスキルを獲得したんだろうか。そんな要素なかったと思うが。
まあこの際どうだっていい。
「コノコヲ、マモリタイ」
守りたい、か。
そうか。
よし。決めたぞアンナ。
''フィアーホーネットにパーティー申請しますか?''
はい/いいえ
はいで。
'フィアーホーネットがパーティー申請を承認しました。''
俺とクラウディアだけでは、この先アンナを守っていけないかもしれない。自衛出来るようアンナには強くなってもらうが、それでも万が一もある。
こいつの目的は、多分この子を生かすことだろう。こいつの目の色が変わったのはそのためか。
頼む、アンナを護ってやってくれ。えーっとそうだな、名前はあるのか?
いや、その前に転移門に急がなければ。大分ロスしてる。
アンナを掴んで飛べるか?いけそうなら抱えてくれ。
俺の頭よりは安全だろう。
『アンナはまかせろ。それと名前はない。好きなように呼べ。』
そうか、じゃあ名前の件は後回しだ。転移門まで急ぐぞ!
『私の方が速いから急げ』
か、かっちーん。お前ぇ!!!「ビュンッ」あっ!高速移動使いやがった!
待てやコラ!!
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ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、追いついた、クラウディア、大丈夫か?
『ん。私は大丈夫。転移門まだあってよかった』
よかった、たくさん回り道したな、
ようやくだ。
『遅い。早く行くぞ』
『とっても速かったの!楽しかった!』
くっ、くそう。ちょっと前まで死にそうな顔してたくせに。
アンナが居なかったら1発ぶっとばしてやってるわ。ちくしょう。
まぁいい。いくか、外を拝みに。
準備はいいな?クラウディア。アンナ。えっと、やっぱり名前決めた方がいいな。不便だ。ぱぱっと決めちゃおう。
まずは雄か?雌か?
''フィアーホーネット ランクD 4歳 雌
目にも止まらぬ速さで毒針を刺される。攻撃性が高く気性も荒いが、知能も高いため冷静に襲ってくる。その羽音が聞こえて逃げようとしてももう遅い。''
また雌か。雌ばっかりなパーティになっちまったな。
じゃあそうだな。、
ハチ、スズメバチ、スズメ、ちがうな。ビー、ビィ、ヴィー、お。いい響き。ヴィーナ、いいんじゃないか?
これからお前はヴィーナだ。どうだ?
『別になんでもいいと言ったろう。それで構わん。』
なんでもいいって言ってたからパッと決めたんだぞ。名付けに感謝したまえ。
『えへっ!ヴィーナとアンナ、1つおそろいっ!』
『っ、そうだな。お揃いだな』
アンナにタジタジのようだ。かわいいもんなアンナ。
生暖かい目を向けていたらキッと睨まれた。はっはっは。
じゃれるのはこの辺にしよう。
準備はいいな?
『ん。』
クラウディア。
『うん!』
アンナ。
『ああ。』
ヴィーナ。
よし。じゃあみんな、隣にいる仲間の体に触れるんだ。
せーのって言ったらみんなで飛び込むんだぞ。
いくぞ。
せーーのっ!!!
俺たちは転移門に飛び込んだ。
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愚かだな。我は「一切の戦闘を行うな」と言ったのだ。
だが面白い。どう切抜けるのか。
見ものだな。願わくば……………
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転移門に入り、強い光が視界を塗りつぶした。
だんだん視界がクリアに。
目に入る緑。
見渡す限りの木。
目線を上げ続けても木の頂点は見えない。
だが
頭上で木が揺れ見えるのは、夜空。
煌めく星と、赤い月が覗いている。
洞窟の天井じゃない。
この世界に生まれて、沢山戦った。
この世界に生まれて、沢山の絶望があった。
この世界に生まれて、仲間ができた。
俺は、生きている。
生きて、この世界へ新たな1歩を踏み出す。
やることは沢山ある。ただ、
いまはまだ、
外に出られたことを喜ばせてくれ。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
第一章、ようやく完結致しました。
不定期な更新になる中、読んでくださった読者に感謝申し上げます。
ここまで更新出来たのは、更新を待っていて下さった方がいたお陰です。こんな稚拙な小説の更新を待っていて下さり、本当にありがとうございました。
物語はまだ続きます。大雑把ですが進めるストーリーはあります。
今度は書き溜めをして、定期的な更新が出来るよう頑張りますので、応援よろしくお願いします。
この作品を読んでみて、良かった、ここからどうなるか気になると感じていただけたら、是非ともブックマークと評価の方をよろしくお願いします。
感想もどしどし頂けると嬉しいです。
最後に、もう一度感謝を。ありがとうございました。




