58話
58話です。よろしくお願いします
なんだろう、なにか忘れてる気がする。
すげぇモヤモヤするな。忘れ物なんてするような物も持ってなかったし。
まぁ気の所為か。
よし。クラウディア、準備はいい?
『ん。いいよ』
じゃあいくぞ、さん、に、いちで飛び込むぞ。
さん、
に、
い 「ガラガラガラ!!!!!」
ストップだ!!!
なんだ!?!?
なんだ、あそこの壁が崩れたのか。
勇者と女王の戦闘は激闘だったからな。ここまで余波が来てたか。
まったく。ビックリさせやがって。
すまんなクラウディア。よくギリギリで止まってくれた。
『んーん、びっくりしただけ。大丈夫。』
ホントびっくりしたわ。タイミング悪すぎだ。
しかしなんであんなとこ崩れたんだ?余波とはいえピンポイントだ、ん?
あれ。
なんかあるな。
崩れた壁の先になにかスペースあるぞ。
…………………気になるな。
女王のいない最奥で、しかも壁の中にあったときたもんだ。
何か隠していたのか。はたまた別の魔物が潜んでいるのか。
ほんの少しだけ、覗いてみようか。
クラウディア、ちょっと時間をくれないか?
『ん。気をつけてね。』
ちょっと覗いてくるからな。
よっ、ほっ、ほっと。さて。何があるかな?
こっ、これは、
卵、か。
見渡す限り、割れてしまってる。
チッ。なんだか嫌な気分だ。
こうやって生まれて来れなかったやつもいる。勇者のような奴に殺される奴もいる。
そういう星の元に生まれてきちまったんだ。仕方がない。
けどな。
これは俺の我儘だが。
せめて生まれてきて欲しかったな。せめて。
食うか食われるかの世界で何言ってんだよって感じだけど、なんか嫌だ。
はぁ。戻るか。
「カタッ」
なんだ!?なんの音だ!?
なにかいるのか??
「カタッ」
またなったぞ、何かいる。姿の見えない敵?よく見ろ、さっきの戦いを見るより簡単だ。
どんな変化も見逃さん。
「カタッ」んん???
あれ?卵が揺れてる??この卵だけ割れてない。
周りの卵より一際白い卵。
………白い卵?
白!!!
そういえば!!!!
邪神のアドバイスだ!!これか!忘れていたものは!
確か、白は貴重だ、っていってたような、
「パキッ」えっ、ヒ、ヒビが、
「パキパキパキッ」生まれるのか!?
「パカッ」割れたぞ、アント、だよな??
「キィ」
''ベビークックハニーアント
Lv1/20
ランクD
HP 54/108
MP 92/185
状態異常・なし
攻撃力 ・・304
防御力 ・・72
すばやさ ・・109
魔法抵抗 ・・68
パッシブスキル
・料理人の心得(Lv1/3)・MPイーター(Lv1/2)
アクティブスキル
・解体(Lv1/5)・蟻蜜精製(Lv1/5)''
クックアント!?ハニー??
''ベビークックハニーアント ランクD
アーミーアントの中から稀にクックアントが生まれる。更にその中でも稀に生まれるのがクックハニーアント。
通常のクックアントは自身で蟻蜜を出すことはできないが、クックハニーアントは自身で蟻蜜を出し、調理に使うことが出来る。蟻蜜は極上な味。
クックアントとメイプルアントのハイブリッドみたいだな。
「キィ、キィ、」
さて。
どうしよう。
邪神が言ってた白は貴重、ってこのクックアントのことだと思う。
そしてアドバイスするってことは、何かしら意味があるってことだ。
戦闘するな、白は貴重だ。
戦って経験値にしろってことじゃない。貴重だから手に入れる。
つまり。仲間にしたらいいってことじゃないか?
「キィキィ、」
クラウディアに相談するか。
よしよし。いいこだぞ。
鎌で………この毒まみれの鎌じゃだめだな。
そーっとそーっと。食べないぞ。咥えるだけだからな。じっとしててく、いてっ、いてててて!!
ちょ、いてっ、こら!
………………うん、いいけどさ。そこで。
頭の上の景色はどうだい。ったく。
よじ登られてしまった。
落ちないでくれよ。
クラウディアー。これを見てくれ。
『それは?食べるの?』
食べない食べない。こいつを仲間にしようかと思うんだ。どう思う?
『キリがいいなら、いいと思う。』
『オーチが、話したいって』
なんだいオーチ。
『なぜホワイトアーミーアントなんぞ仲間にするんじゃ。こやつも大食らいじゃぞ。』
ホワイトアーミーアント?なんじゃそりゃ。こいつはクックアントだぞ。ハニーがつくけど。
『なんじゃと!?クックアントじゃったか、白いクックアントなんて初めて見たわ。随分とお主に懐いているようじゃが、どうしたんじゃ?』
卵がちょうど孵るときでさ。周りの卵はみんな割れててこいつ1匹残すのもどうかとおもって。
しかも邪神様のアドバイスにもあったろ?白は貴重だって。
仲間にすることかと思ってさ。
『そうじゃったか、ワシは反対せん。クックアントは料理出来るからの。』
そうだよな。よし。
1回降りようか。ほれ。降りるんだ。よし。それでいい。
じゃあパーティー申請するぞ。いいか?はいを選ぶんだぞ?わかったか?
「?」
わかんないよな、とりあえずやってみよう。
''クックハニーアントにパーティー申請しますか?''
はい/いいえ
はいで。
'クックハニーアントがパーティー申請を承認しました。''
おっ!!いいこだ!!えらいぞぉ。おしおし。
じゃあ今度は名前つけてやらなきゃな。
うーんどうしようか。
クック、料理、白、ホワイト、蟻、アント、あー。その前に。性別どっちよ。
'ベビークックアント変異種 ランクD 0歳 メス
アーミーアントの中から稀にクックアントが生まれる。更にその中でも稀に生まれるのが変異種。
通常のクックアントは自身で蟻蜜を出すことはできないが、変異種は自身で蟻蜜を出し、調理に使うことが出来る。
メスか!ならアンナ。これかはお前はアンナだ!
''条件を満たしているため、パーティーメンバーがネームドモンスターになりました''
おお!ネームドモンスターになったか!おしおし。いいこだ!
『ママ。ごはん』
ママ!?!?
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