表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生してもカマキリでした  作者: 岸辺 薫
アットチェール大迷宮
61/66

57話

57話です。よろしくお願いします。

「ほう。まだ上があったか。おもしろいの。」


「ああ、これ、で、うちどめ、さ。ふぅ、ふぅ、

最後の、はぁ、戦いを、始め、よう」



なんだ、この嫌悪感は、なんだこれは、あいつは、存在しちゃいけない。存在を許してはいけない。


頭の中では勝てないのは分かってる。けど突き動かされそうだ。

ずっと耳元で、あいつを殺せと聴こえる気がする。



「大丈夫かえ?勇者よ。そんなに辛いなら直ぐに楽にしてやろう」


「うるさい、よ、今日は、なぜか、制御が、効かない、みたいで、さ。はぁ、はぁ、」



勇者の目から、血の涙が出てきてる。


「ずっと、ころせ、っていわれてる、からさぁ、」




「やっちゃうよ」




戦いは、唐突に始まった。




だけど俺には。


何かがぶつかり合う音しか聞こえない。

なんとちっぽけな存在か。






あれ?


音が、


近くで、



ドガァァァァァァン!


グッ、カハッ、


な、んだ、ふきとば、された、

やば、い、意識が………………























―――――――――――――――――――――――――




キ………キリ…………キリ、キリ!おきて!キリ!



クラウディア、か?


俺は、なにを?


っ!?

戦いは!?どうなっ、た、




「あはっ、ははっ、はははははははははぁ!

あーっはっはははははは、はは、ははははははは!!


やっぱりぃ!ぼくは、やっぱ、やっぱりぃ!

ぼくは!えっ、えらばれた!ぼくは!えらばれたぁそんざいぃ!!!ふはっ、ははぁ!!」



勝ったのは、勇者、



「で、で、でででてこぉぉい!!わかってる、でてこいぃ!

おわったのに、きえないぃ!

いる、いる、いるだろぉ!!」







『キリ、どうしよう、ばれてるの?わたしたち、しんじゃう?』








『コロセ』









『コロセ』


『コロセ』


『コロセ』


『コロセ』


『コロセ』


『コロセ』


『コロセ、コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ』






俺が、コロス。







ヤツを、コロス。










『ダメ!キリ!ダメ!ダメェェェ!!!』




っは!?

おれは、なにを?


『キリ!しっかり!して!』



クラウディア、おれ、おれ、あれ、何をしようと?




「そこまでよ。帰りましょう、レオ。

確かに何か、嫌な感じはするわ。けどもうタイムアップよ。あなたの解放限界が来るわ。そのボロボロの体じゃEランクの魔物にも勝てないわよ。」


「あっ、あ、あぁ、あぁ、あ、」


『聖なる光、我を守りし聖なる光よ。この者に癒しの光を。エクトラヒール』」


「………やっぱりダメね。ほら、ほんの少しだけ治ったわ。歩いて。帰るのよレオ。」



「うぅ、あぁ、あぐっ、」



ザッ、 ザッ、 ザッ、 ザッ…………








『いった、みたい。キリ、大丈夫?』


あ、あぁ、


すまん、クラウディア。


さっきのあれは、何だったんだろうか。

頭の奥の方で響いて、何も、考えられなくなった。


助かったよ、あのままだと、たぶん返り討ちにあってたと思う。本当に、助かった。


はぁ。


俺達も、出ようか。



『ん、勇者たち、あっちいった。』


あっちか、よし、ついて行こう。










――――――――――――――――――――――――




勇者、か。


たぶん。あれが俺の敵。


俺が目指さなくてはいけない強さ。


女神の陣営。邪神の陣営。対立してるんだ。必ずどこかでぶつかるだろう。


俺は、あの強さまで、強くなれるだろうか。

今はレベルが違いすぎてどのくらい遠いかすらもわからない。


けど千里の道も一歩からだ。

目標ができた。


今まで、漠然とした強さを求めてた。


アイツを。勇者を倒せる強さが欲しい。


やるぞ。俺はやる。絶対強くなってみせる。

どうやって?簡単だ。レベルを上げて同じ土俵に立つ。そこからだ。その後のことはその後考える。


ちょっとずつだ。焦らずがんばろう。



『ん、なにか、勇者達、入った。』


何?


『勇者と、聖女、あそこの、水の扉みたいとこ、入った』


水の扉?なんじゃそりゃ?


『わかんない。』

『オーチが触れって。』


なんだオーチ。


『なんだじゃないわい。ヒヤヒヤさせおって。あれが転移門じゃ。外へ繋がっとる。』


へぇ、俺にはまだ見えないけど。


ん?あれか?確かに水の扉みたいだな。

けどあれに飛び込んで、勇者とかの仲間と遭遇しましたとかは勘弁して欲しいのだが。


『大丈夫じゃろ。あの手の物はバラバラに飛ばされると相場が決まっとる。だから我々も一緒に入らんと離れ離れになるぞ』


『いやっ!離れ離れは、いや!』


どうどう。大丈夫だ、一緒に入れば問題ないぞクラウディア。



けどなんだかドキドキしてきた。初めての外だ。


みんな、準備はいいか?


『一緒に。ね。』


あぁ、一緒だ。




なにか忘れ物はないか?




なにか…………





なんだ、なにか忘れてる気がする。

なんだったかな?

次で外に出る予定です。

皆さんはなにを忘れているか分かりますか?

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

少しでも面白いと感じて頂けたら嬉しいです。

作者の励みになりますので、良ければブックマーク、下の星の評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ