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転生してもカマキリでした  作者: 岸辺 薫
アットチェール大迷宮
60/66

56話

予約投稿忘れてました、56話です。よろしくお願いします。

「二式・朧」



きた、さっきのやつだ、捉えられるのか!?



「……そこだ、」

ガチィン「クッ!」



顎の挟み込みが残像を切り裂く。そしてまた死角に回り込まれた、



「総員放て!」


なるほど!攻撃のタイミング!これならまた当たる!

スッ「なにっ、」


「ざーんねん。そっちも残像だよ。」


「チッ!!チェンジッ」


ザンッ


またやられた、残り攻撃兵4対、副長2対、自分合わせて7回殺られる前にこれを攻略しないといけないのか?


「ほら!休んでる暇なんてないよ!」



「二式・朧」





1匹、また1匹と死んでいく。解決の糸口は全く見えない。


このまま全滅してしまうのだろうか。

「ザンっ!」


これであと副長1匹。


「二式・朧」




「散った同胞達よ。待たせたな。」



なんだ!?何か確証を得るものがあったのかっ!

1体、2体、残像を見破っているっ!


「これは!散った同胞の分だ!くらえ!!!」




「くっ!?朧月っ!!!」


「グシャッ!!」


やった!!ついに捉えた!勇者の上半身と下半身が離れ離れに、これは回復出来まい!

けどどうやって勇者を捉えたんだ??


「この土壇場で、スキルを覚えることが出来た。貴様との戦闘が無ければ覚えることはなかったろう。感謝す、」


「グサッ」



えっ、



「カフッ、グッ、ガァッ!!」


「隊長ォォォォォ!!!」


なんで、なんで?なんで生きてる?さっきまで真っ二つに……ない、

消えてる、死体がない、あれを治したのか?いや、聖女はあそこにいる、


嘘だろ?



「ふふふふ、はははは、あははははははは!!

これだよ!この死を感じる戦い!素晴らしい!素晴らしいよ!張り詰める空気!死と隣り合わせの緊張感!これこそ戦いだ!

見たかいエミリー!倒したと思った相手に刺される顔を!困惑と驚愕の入り交じった表情を!」


「だま、れ、」


「あれ、まだ生きてたんだ。」


生きてた、貫かれてたから死んだかと思った、

手負いの隊長と副長一匹、何かまだできるのか?


「よくも隊長を!後ろから卑怯な手を使うとは!!」


「卑怯?自分のスキルを使っただけだよ?後ろからだろうが戦いの最中に気を抜くなんてそっちの落ち度だろうに。」


「クソォォォォォ!!!」


「邪魔だよ。雑魚は引っ込んでて。」

「ザンっ」


「さてと。どんなスキルを得たかは分からないけど。少しヒヤッとしたよ。次のために温存しておこうかと思ってたのにさ。」


やはり何らかのスキル。どんなスキルなのか検討もつかない。


「最後に言い残すことはないかい?」



「…………」



「そうかい。それじゃあね。」



「後悔するといい。」

「ザンっ」


これで全滅、か。


なぜだ?


味方が殺られてるのに、何一つ、手助けがなかったボス。なぜ動かなかったんだ?



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



なんだ!?地響きがっ!

そして死んだ隊長アントから、何か出てきてるっ!


光の粒子?のようなものが空中に集まって、何か形になってきたぞ、


鍵?鍵のような形をしてる?


その鍵のようなものが、戦闘に全く関わって来なかったボスアントの方へ。


そしてボスアントの方は、ボスアントを囲むように光の壁のようなものが出てきた。


そして、囲んでいる光の壁の正面に、鍵穴。


鍵穴に、鍵が、入る。


「あぁ、、久しい。久しいな。何時ぶりだろうか。

なんの枷もなく動ける日を、心待ちにしとった。


まだ小さい巣だった。ダンジョンになった時は嬉しかったのぅ。けどそこから大きくなり、枷が付き、身動きが取れんくなった。


最初のうちはそれでも良かったのだ。我がダンジョンが大きくなっていくのを見ているのは。


ある時、ふと思ったのだ。挑戦者が、少なくなってきていると。


大きくなり過ぎたのだ、我がダンジョンは。何人足りとも寄せ付けぬ堅牢なダンジョンになってしまったのだ。


この気持ちをどう表現していいか分からん。かわいい我が子達がやられた怒りと、自由に動ける喜び。


分からん。だがこの湧き上がる感情を、ぶつける先があると言うのは嬉しいものだな。


なぁ、勇者よ。」



ガチャッ



鍵が周った。光の壁は弾け飛び、周り一体を光の粒子が舞い散る。

光に包まれたその中心に、アーミーアントの()()の姿がそこにあった。



「魔人タイプか、ちょっとまずい、かな?

しかもこの感じ、神の領域近くまで達しているんじゃないか?」





体は勇者の1.5倍ぐらいの大きさ


漆黒の髪は肩付近でなびき


顔は仮面のようなもので覆われ


背中には二対の羽


腕は四本


足は膝から下は、逆三角錐に尖り


浮いているように立っている。




俺は、その美しい姿に、言葉もでず、ただ見入ってしまった。




「これは出し惜しみとかしてる場合じゃないな、エミリー、解放お願いしてもいい?」


「いいのね?」


「ああ。頼むよ。今のままじゃ勝てない。」


「あなたがそう言うのならば。」




「我が麗しの女神の元に宣言する。


我は御身の盾であり、御身から許しを乞う者である。


我は御身の声を皆に届け、御身にこの身全てを捧げると誓う。


我の敵は御身の敵。勇者の敵は御身の敵。


ここに勇者の敵あり。勇者の敵が今、勇者を打倒しようとしている。


今こそ勇者に最大の力を。


御身の力を勇者に。御身の加護を勇者に。


聖具、終の解放。」


ここまで読んで頂きありがとうございます。あと1話で決着の予定です。少しでも面白いと感じて頂けたら嬉しいです。もし宜しければブックマークと下の星の評価をよろしくお願いします。

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