52話
52話です。よろしくお願いします。
「さぁ。やろうか。」
「ええ。すぐにでも。」
まずい、ここに居たら巻き込まれる可能性がある、
クラウディア!少しはなれるぞ!
『キリ、からだが、うごかない』
なんだと?どうしたんだクラウディア、
「散開!散開せヨ!ええイ、お前たち、何故動カン!!」
「あら?あなたは動けるのね。無駄よ。私の聖域は、私より2ランク以上低い敵を動けなくするの。どうせこの後死ぬのだから教えてあげる。」
「動けるのはAランク以上よ。あとはそうね。邪神か平等神の加護を受けてる奴くらいかしら?そうそう居ないわね。」
だからか!だから俺は動けるんだな。
クラウディア、絶対ミラージュは切るなよ!MPは!
''エヴォルディングヤドカニ
個体名 クラウディア
Lv8/999
ランクD
HP 215/215
MP128/171
状態異常・空腹感
攻撃力 ・・238
防御力 ・・470
すばやさ ・・166
魔法抵抗 ・・309
パッシブスキル
・グラトニー(Lv1/2)
・サンドウォーク(Lv1/2)・サンドスイム(Lv1/2)
アクティブスキル
・スラッシュ(Lv3/3)・スプラッシュブレス(Lv2/3)
・ハイジャンプ(Lv3/3)・メテオプレス(1/3)・ミラージュ(2/5)
称号
・七罪を犯し者「暴食」''
128か。いけるか?
「女神の名のもとに、我等に敵対するものに鉄槌を。汝の名はエクスブランド。我が敵を討ち滅ぼすものなり。」
「聖剣、召喚」
なんだ、あれは。
ははっ、あんな、規格外があっていいのか?
聖剣、勇者に聖剣。あの恐ろしく冷徹で引き込まれるような美しさを放つ剣。
恐怖を通り越してしまった。きっと人々はあの姿に救いを求めるんだろう。
あの美しさには、どれだけの力が秘められてるのだろう。
「いくぞ!出力20%。エクス、ブランドッッッ!」
振りかぶった剣に光が集まり、勇者が振り下ろす。
眩い光の奔流。
「ぐっ、ガッ、ハッ」
「あれ。20%じゃちょっと弱かったかな?ま、結局動けてたヤツしか残らなかったから良しとしますか。」
「なにか言い残しすことはある?」
「おまエなぞ、親衛隊が、たオしテ、くれ、る、わ。」
「ふふっ、面白いこと言うね。」
「じゃあバイバイ」
「ザンッ」 ゴロゴロゴロゴロ
ゴロ。
……………目があっちまった。
よりによってこっちに転がってくるとは。
俺はこいつより確実に弱いのに。そんな奴がこうやって首だけになってる。
こいつはなにも悪いことはしてないのかもしれない。けど負けることは悪なのだ。
強さこそ正義。負ければこうなる。お前のことは忘れない。
こうやって、あのクラスの戦いを見させてくれたこと、感謝する。
クラウディア、動けるようになった?
『んーん、まだ、うごけない。』
そうか、まだ効果は切れてないか。もうちょい待とう。
「お疲れ様。このまま進む?それとも1呼吸置いた方がいいかしら?」
「んー。そうだな。お互いまだ効果が切れるまで時間あるし。ぱぱっと倒しちゃいますか。」
「そうね。嫌な感じがすぐ側に感じるし。多分近いわ。」
「よし。じゃあきまり!いこう!」
――――――――――――――――――――――――
行ったか、
『キリ、うごけるようになった。』
それなりの距離、離れたな。ここまで離れてようやく効果が切れたか。
なんにせよ早く追いかけなければ。聖域の範囲外にはいないといけないが、見失っては元も子もない。
クラウディア、ここにあるご飯を急いで食べて追いかけるぞ。
『いそいでたべる』
いや、もう食べながら歩こう。
『ん。わかった』
いこう。多分この戦いで決着がつく気がするんだ。
―――――――――――――――――――――――――
「嫌な感じはこの先だわ。」
「このバカでかい扉を開けたら多分ボスだ。準備はいい?」
「いつでも行けるわよ。」
良かった、かなり遠いが、間に合った。
あそこに登ろう。あそこからなら戦いが見れると思う。
なぁ、クラウディア。お願いがあるんだ。
『なぁに?』
もう少し近くで見てきてもいいだろうか。俺は聖域の行動制限を受けない。危ないと感じたらすぐ逃げる。
『どうして?』
『どうして、ちかくでみたいの?』
もっと情報が欲しい。あのレベルの奴らが、どんな戦いをするのか。どんな話をするのか。
勇者の強さ、聖女の強さ、迷宮の主の強さ、もっと近くで見たい。
『わたしも、わたしもいきたい』
『キリをまもるの』
『なんどもキリに、たすけられた』
『こんどは、わたしがたすけるばんなの』
ありがとう、クラウディア。
けど、俺1人で行かせて欲しい。何があるか分からない。
聖域の中に入っちまったらクラウディアは動けなくなってしまう。MPが切れたら姿も見られてしまう。
たのむ。ここは引いてくれ。絶対に無理しないと約束する。
『…………ん、わかった。』
『あし、ひっぱるのもいや。』
クラウディアを足引っ張ってるなんて思ったことないよ。
いつも支えてもらってる。
ただ今回は相手が悪い。
それに俺の問題ってのもあるんだ。俺のせいでこいつらがここにいるのかもしれない。
絶対にバレないようする。
絶対だぞ。約束する。
『ん、わかった。』
すまんな。じゃあ、MPを気にしながらここで待っててくれ。
行ってくる。
『ん、きをつけて。』
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