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転生してもカマキリでした  作者: 岸辺 薫
アットチェール大迷宮
3/66

1話 またですか?

ここからスタートです。よろしくお願いします。

 おはようございます。本日の天気は、晴れかどうかも分かりません。なんかの穴の中です。周りには沢山の兄弟がぞろぞろ。


 はい。


 また俺はカマキリになったようです。



 はぁ……………まじか。

 またカマキリなのか。心に来ることは沢山あるけど、今はとりあえず。


逃げなければ!!!


 これから予想できるのはそう。共食い。前世で死にかけたの忘れてないぞ。お腹がすき始めたら立食パーティーが開催されるに決まってる。

 一本道みたいだし、どっちに進もうかな?


「ゾワゾワッッ」!?


 な、なんだこの嫌な感じ、あっちの方から、感じる気がする。


あ……………


やばい。


なにか。


くる。


 くそっ!!やばい!!!生まれて早々これか!!!

なんだあの大きさは、逃げるしかない。()()には勝てない!!!


 どけ!!お前らどけよ!!ヤバいのが来るぞ!!!


 俺の慌てように周りが気づいたのか、周りを見渡し、後ろに巨大な存在がいることに気づいたらしい。皆揃って逃げ出しはじめた。


 走って走って、死ぬ気で走っても、あの黒い触覚生やした()()の方が速い。

くそ、そろそろこの団体の最後尾にヤツが追いつきそ.....「ガシュッ」


 えっ?ひと口で?


 それでも勢い止まらない、え、やばいぞ、生まれて間もないのにこんなとこで死ぬのか?

 あんな馬鹿みないな死に方して、今度は生まれて直ぐに死ぬのか?


……………………嫌だ。


 嫌だ。まだ死にたくない。少なくとも、カマキリの生活は悪くはなかった。

 相手に気をつければ負けなかった。自分が頂点にいる気分だった。


 せっかくまたカマキリに生まれたんだ。


 あんなやつ助けようとしなければまだ生きれたんだ。

 あの頃の生活に戻りたい。自分が捕食する側で、搾取される側なんて真っ平ごめんだ。


 俺は、まだ生きていたい!死にたくない!



「ガシュッ」


「ガシュッ」


「ガシュッ」


「ガシュッ」


「ガシュッ」


「ガシュッ」


「ガシュッ」



............だめか。、もう、俺の後ろはほぼ食われた、嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ、あと3匹ぐらいで俺の番、


 あと3匹



 あと2匹



 あと1匹



 あぁ。やっぱりだめか。所詮弱肉強食。弱きものは搾取され、強者のみ生き残れる世界。

 次は、戦いのない平和な世界で暮らしたいな。






「グサッ」


「ガシュッ」


 イタッッッッッッ、なんだ!??

 クソッ、最後の1匹が食われる寸前、何かに捕まろうと俺の腹を刺しやがった。


クソ、ちくしょう、ああああああああぁぁぁ!!


 イテェなくそ!!やっぱり、俺は、死にたくない!!



ああああぁぁぁああぁぁぁああ!!





















 ああ?あれ?追って、きてない?


 たす、かったのか?


 俺は、生き残れた、でいいんだよな、良かった、


 はぁ。


 やっぱり俺は、死ぬのはもう嫌だ。

 強く、強くなりたい。誰にも負けず、自分の身を守れるくらい強く。


 気が抜けてやられた腹が痛み出した。痛いけど、こんなところで止まっている訳にはいかない。見たところ一本道、敵が来たら死ぬのは確実だ。かと言って擬態できるものもある訳じゃない。


 これからどうしよう。


 とりあえず、外を目指そう。ここは何かの巣か何かなのかな。俺のマザーはなんでこんな所に卵産んだんだろうか。

 まぁここに生まれてしまった以上、どうにかするしかない。今いるのは地中か?洞窟か?まぁいい、どちらにせよ上に行けばいいのではないか。うん。


 上を目指そう。






















――――――――――――――――――――――――


 結構歩いたな。幸い何も出てきていない。


 うわっ、な、なにか言ってるそばからでてきた、ぞ?

 いや、倒れてるのか。前の方でなにか、ボロボロの大きななにかが倒れている。

 死んだフリしてるのかもしれない。けどここまで一本道だったから引き返すことも出来ないし。


 見て、みるか。


 んん?よく見ると同種かな?結構大きいけど、鎌はあるし、多分カマキリじゃないかな。

 うーんどうしよう。

 前のボロボロを通り過ぎるのと、来た道戻ってあの黒いのと遭遇するのでは、前者の方がリスクが低い、よな、よし。


 端っこをこっそり移動しよう。




 慎重に、そーっと。こっちみないでね、うわ!こっち見た!!


「ギ、ギギィ……」


 えっ?? 今、なんか、殺せって言った気がする。前世のカマキリの時は、同種の意図というか意思というかなんとなーく雰囲気しか伝わってこなかったんだけどな。

 今、はっきり伝わってきた。


「ギギィィィ…」


 殺してくれ、って言ってるな、

 いやいやいやいや、俺にそんなことできないよ、他を当たってくれ。そのままでも生き絶えそうじゃないか。



「ギ…ィ…」


 頼むって言われても困ります、ではさよなら…


 クッ、そんな、そんな目で見ないでくれ。なんで俺なんだよ、俺じゃなくたっていいじゃないか、





「…………」





 覚悟のある強い目だ。執念さえ感じられる。

 なぜ、そんな目をするんだよ。普通生きたいとか助けてじゃないのか?なんだよその目は、どうして俺をこうも突き動かそうとするんだ。


「ギギ…」


………分かった。そこまで言うのなら。


「ギィ…」


 ありがとう、か。こんなに嬉しくないありがとうは初めてだよ。せめて一撃で楽にしてやる。


 いくぞ…


「ギィ…ギ…ィ」 ザンッ


我らに栄光あれ。多分そう言った。


''レベルアップしました''

''称号 継承の記憶を入手しました''


ぐっ、があぁぁぁぁぁ!!!

あ、頭が、あぁぁぁぁぁ!!!!!

うわぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ、あ、あぁ…


 なん、だ、いまの、頭が割れるような痛みは、頭の中に何か流れ込んできやがった、

これは、記憶か?


 戦いの記憶、か?

 戦い、敗れ、その度に継承されてきたカマキリ達の、記憶。

 重いな、がしかし本当に俺でよかったのだろうか。こんな、大事な記憶なんじゃないのか?分からない。今考えても仕方ない、か。



 はぁ。あー。そんなことより、戦いの記憶なんかより、なんだよ。これ。

 ここ。今いるこの世界。


 俺の知らない世界だわ。


 いやいやいや。貰った記憶、ツッコミどころが多すぎる。え、いや、え??

いやほんとなんだこれ。


 ゲームの世界かって感じ。


 なんか敵を倒して経験を積むと強くなれるらしい。

強くなるとより強くなるために体が変化したりするみたいだ。

それって進化じゃね?


 そういやなんかレベルアップしました、みたいなの聞こえたような。

もう情報量多くて処理できなかったわ。

 レベルアップか。俺って今どのくらいの強さなんだか。ステータスとか見れ


っんん!?




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


マンティスベイビー

Lv19/20

ランクG

HP 39/39

MP 22/22

状態異常・なし


攻撃力 ・・43

防御力 ・・20

すばやさ ・・44

魔法抵抗 ・・21


パッシブスキル

・幸運(邪)(Lv1/1)・経験値取得量アップ(Lv1/1)


アクティブスキル

・なし


称号

・異世界人スターターパック・不遇な者・邪神の加護

・邪神からの手紙 ・継承の記憶

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 はい????




ここまでお読み頂きありがとうございます!


少しでも、面白いと感じて頂けたなら、是非とも評価の方よろしくお願いします。とても励みになります!


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