1話 またですか?
ここからスタートです。よろしくお願いします。
おはようございます。本日の天気は、晴れかどうかも分かりません。なんかの穴の中です。周りには沢山の兄弟がぞろぞろ。
はい。
また俺はカマキリになったようです。
はぁ……………まじか。
またカマキリなのか。心に来ることは沢山あるけど、今はとりあえず。
逃げなければ!!!
これから予想できるのはそう。共食い。前世で死にかけたの忘れてないぞ。お腹がすき始めたら立食パーティーが開催されるに決まってる。
一本道みたいだし、どっちに進もうかな?
「ゾワゾワッッ」!?
な、なんだこの嫌な感じ、あっちの方から、感じる気がする。
あ……………
やばい。
なにか。
くる。
くそっ!!やばい!!!生まれて早々これか!!!
なんだあの大きさは、逃げるしかない。アレには勝てない!!!
どけ!!お前らどけよ!!ヤバいのが来るぞ!!!
俺の慌てように周りが気づいたのか、周りを見渡し、後ろに巨大な存在がいることに気づいたらしい。皆揃って逃げ出しはじめた。
走って走って、死ぬ気で走っても、あの黒い触覚生やしたヤツの方が速い。
くそ、そろそろこの団体の最後尾にヤツが追いつきそ.....「ガシュッ」
えっ?ひと口で?
それでも勢い止まらない、え、やばいぞ、生まれて間もないのにこんなとこで死ぬのか?
あんな馬鹿みないな死に方して、今度は生まれて直ぐに死ぬのか?
……………………嫌だ。
嫌だ。まだ死にたくない。少なくとも、カマキリの生活は悪くはなかった。
相手に気をつければ負けなかった。自分が頂点にいる気分だった。
せっかくまたカマキリに生まれたんだ。
あんなやつ助けようとしなければまだ生きれたんだ。
あの頃の生活に戻りたい。自分が捕食する側で、搾取される側なんて真っ平ごめんだ。
俺は、まだ生きていたい!死にたくない!
「ガシュッ」
「ガシュッ」
「ガシュッ」
「ガシュッ」
「ガシュッ」
「ガシュッ」
「ガシュッ」
............だめか。、もう、俺の後ろはほぼ食われた、嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ、あと3匹ぐらいで俺の番、
あと3匹
あと2匹
あと1匹
あぁ。やっぱりだめか。所詮弱肉強食。弱きものは搾取され、強者のみ生き残れる世界。
次は、戦いのない平和な世界で暮らしたいな。
「グサッ」
「ガシュッ」
イタッッッッッッ、なんだ!??
クソッ、最後の1匹が食われる寸前、何かに捕まろうと俺の腹を刺しやがった。
クソ、ちくしょう、ああああああああぁぁぁ!!
イテェなくそ!!やっぱり、俺は、死にたくない!!
ああああぁぁぁああぁぁぁああ!!
ああ?あれ?追って、きてない?
たす、かったのか?
俺は、生き残れた、でいいんだよな、良かった、
はぁ。
やっぱり俺は、死ぬのはもう嫌だ。
強く、強くなりたい。誰にも負けず、自分の身を守れるくらい強く。
気が抜けてやられた腹が痛み出した。痛いけど、こんなところで止まっている訳にはいかない。見たところ一本道、敵が来たら死ぬのは確実だ。かと言って擬態できるものもある訳じゃない。
これからどうしよう。
とりあえず、外を目指そう。ここは何かの巣か何かなのかな。俺のマザーはなんでこんな所に卵産んだんだろうか。
まぁここに生まれてしまった以上、どうにかするしかない。今いるのは地中か?洞窟か?まぁいい、どちらにせよ上に行けばいいのではないか。うん。
上を目指そう。
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結構歩いたな。幸い何も出てきていない。
うわっ、な、なにか言ってるそばからでてきた、ぞ?
いや、倒れてるのか。前の方でなにか、ボロボロの大きななにかが倒れている。
死んだフリしてるのかもしれない。けどここまで一本道だったから引き返すことも出来ないし。
見て、みるか。
んん?よく見ると同種かな?結構大きいけど、鎌はあるし、多分カマキリじゃないかな。
うーんどうしよう。
前のボロボロを通り過ぎるのと、来た道戻ってあの黒いのと遭遇するのでは、前者の方がリスクが低い、よな、よし。
端っこをこっそり移動しよう。
慎重に、そーっと。こっちみないでね、うわ!こっち見た!!
「ギ、ギギィ……」
えっ?? 今、なんか、殺せって言った気がする。前世のカマキリの時は、同種の意図というか意思というかなんとなーく雰囲気しか伝わってこなかったんだけどな。
今、はっきり伝わってきた。
「ギギィィィ…」
殺してくれ、って言ってるな、
いやいやいやいや、俺にそんなことできないよ、他を当たってくれ。そのままでも生き絶えそうじゃないか。
「ギ…ィ…」
頼むって言われても困ります、ではさよなら…
クッ、そんな、そんな目で見ないでくれ。なんで俺なんだよ、俺じゃなくたっていいじゃないか、
「…………」
覚悟のある強い目だ。執念さえ感じられる。
なぜ、そんな目をするんだよ。普通生きたいとか助けてじゃないのか?なんだよその目は、どうして俺をこうも突き動かそうとするんだ。
「ギギ…」
………分かった。そこまで言うのなら。
「ギィ…」
ありがとう、か。こんなに嬉しくないありがとうは初めてだよ。せめて一撃で楽にしてやる。
いくぞ…
「ギィ…ギ…ィ」 ザンッ
我らに栄光あれ。多分そう言った。
''レベルアップしました''
''称号 継承の記憶を入手しました''
ぐっ、があぁぁぁぁぁ!!!
あ、頭が、あぁぁぁぁぁ!!!!!
うわぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ、あ、あぁ…
なん、だ、いまの、頭が割れるような痛みは、頭の中に何か流れ込んできやがった、
これは、記憶か?
戦いの記憶、か?
戦い、敗れ、その度に継承されてきたカマキリ達の、記憶。
重いな、がしかし本当に俺でよかったのだろうか。こんな、大事な記憶なんじゃないのか?分からない。今考えても仕方ない、か。
はぁ。あー。そんなことより、戦いの記憶なんかより、なんだよ。これ。
ここ。今いるこの世界。
俺の知らない世界だわ。
いやいやいや。貰った記憶、ツッコミどころが多すぎる。え、いや、え??
いやほんとなんだこれ。
ゲームの世界かって感じ。
なんか敵を倒して経験を積むと強くなれるらしい。
強くなるとより強くなるために体が変化したりするみたいだ。
それって進化じゃね?
そういやなんかレベルアップしました、みたいなの聞こえたような。
もう情報量多くて処理できなかったわ。
レベルアップか。俺って今どのくらいの強さなんだか。ステータスとか見れ
っんん!?
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マンティスベイビー
Lv19/20
ランクG
HP 39/39
MP 22/22
状態異常・なし
攻撃力 ・・43
防御力 ・・20
すばやさ ・・44
魔法抵抗 ・・21
パッシブスキル
・幸運(邪)(Lv1/1)・経験値取得量アップ(Lv1/1)
アクティブスキル
・なし
称号
・異世界人スターターパック・不遇な者・邪神の加護
・邪神からの手紙 ・継承の記憶
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はい????
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