表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生してもカマキリでした  作者: 岸辺 薫
プロローグ
1/66

プロローグ 1

初めての作品です。


稚拙な所が目立つかもしれませんが、頑張っていくのでよろしくお願いします!


俺はカマキリ。


カマキリになった。


 元は人間だったと思う。信号無視してきた車に轢かれたところまでは覚えてるから、多分生まれ変わった。


 しかし……カマキリに生まれ変わったらしい。


 目を開けたら同じ目線にカマキリが沢山。見渡す限りいる。

 本当に怖かった、同じ目線の大きさだぞ。それに自分より背の高い植物。パニックになった。なにがどうなってるのか分からなかった。

 現状が全く理解できないが、一つだけ言えることがある。


 周りを見渡さなくても()()見える。

もう一度言おう。見渡さなくても()()()()()。自分の体も。




カマキリだった。




 俺は人間だった。はずだ。


 顔、名前まで全く思い出せない。なにかモヤがかかったように、思い出そうとすればするほど頭が痛くなる。何がどうなってるのか。事故で障害が残った?けどなんでカマキリ?

 暫く考えて、考えて、考えて考えて考えて、理解できなくてパニックになってこれは夢だと、夢なんだと納得した。


 ここは夢の世界なんだ。




 夢なのに、どうしてお腹が減るんだろう。




 ……………この空腹感も夢だ。そうに違いない。夢ならばカマキリらしくやってみよう。周りの後を追ってみよう。


初めてのカマキリの目線。虫の目線、視界に驚きつつ、頭の中の大半は空腹感で埋め尽くされくる。腹が減ったな…


 空腹感でだんだん腹が立ってきた。何か食べられそうなものはないかと周りを見るが、周りにはカマキリしかいな、い、あれ?


 確か、カマキリの幼体って、共食い、するんじゃ、なかったっけ?


あ………


前の方で、カマキリ同士が闘ってる?やばいのでは?

うん、やばい。やばいやばいやばい、逃げよう。


三十六計逃げるに如かず!!!


グサッ


え?


お腹が熱い、え?


イ、イタイイタイイタイイタイイタイ!!!!!!!


 やられた?死ぬ?死ぬのか??

 動けずにいる俺に向かって、刺してきたカマキリがニタッと笑った。そして大きく口を広げる。


 食われる、のか?俺はこいつに、食われるのか?ここで食われたら、夢から覚めるかな。早く、夢なら早く覚めてくれ。


 











――――――――――――――――――――――――


 夢から覚めて、ベットから飛び起きるなんてことは無かった。が、食べられることもなかった。


 口を大きく開けたカマキリは、一瞬で目の前から居なくなった。上を見上げると、空を羽ばたく鳥の口にカマキリが咥えられていた。周りにいた奴らは、我先にと逃げてった。


 俺は、呆然とそれを見てることしか出来なかった。



 ジクジクとお腹が焼けるように痛い。


 あぁ、やっぱり、夢じゃないんだ。



この体で、この大自然の中に、弱肉強食の世界に、食物連鎖の中に俺はいるんだ。


 怖い。体の震えが止まらない。俺は、食べられる所だった。

周りにいたのは兄弟だったのかもしれない。けど、仲間でも家族でもなかった。

 俺は、独りだ。この広い、どこまで広いか全くわからない世界で、俺は。



 やっぱり、夢なんじゃないかな。きっとそうだ。悪夢を見てるんだ。ありえない。こんなことはありえない。


 おかしいな。夢なのにお腹がすく。

夢なのに、いた、い。痛い、痛い。

ゆ、ゆめ、夢なのに。夢なのに、俺を襲う痛みと空腹が、夢じゃないって、現実を受け止めろと言ってる。


 俺は、俺はどうしたらいい?


 怖い。これを現実だと受け止めるのが怖い。このまま死ぬのが怖い。

 死ぬ?夢なのに?このまま、死ぬ?こんな独りぼっちで、誰も助けてなんてくれなくて、痛くて、お腹がすいて、


 お腹がすいて、



……………お腹、すいた、な……


本当に腹が、へった、な。なんか、ないかな。腹、減ったな、


なにか、食いもん、食べ物、はらへったな


口にするもの、はらへったな、食事、ハラヘッタ



ハラヘッタ、ハラヘッタハラヘッタハラヘッタ




クイモノ、ドコダ





ドコダ、ドコダドコダ、ドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダドコダ





アアァ。









ミツケタ。








オレノ、クイモンダ

「グジュッ」






イタダキマス












――――――――――――――――――――――――



んあっ??


 なんだ?なんか意識が、朦朧としてた気がする。俺は、一体なにをしてたんだっけ。

 お腹がすいて、あれ?空腹感が無くなった?あんなにお腹すいてた、のに、え?


 なんだ、これ。なんかの、幼虫?なんでこんな、ぐちゃぐちゃなの?こんな、貪り食われたような、食われた?


 お腹が、空いていない。



 え?



 お、おれ、が、食った、のか?


 う、うわああああぁぁぁぁああああぁぁぁ!!!!

 俺がやったのか?俺が、食ったのか?嘘だろ?やっぱり夢だよこんなの!!


俺が、俺がこんなことする訳ない、嘘だ、ちがう、

こんなのはちがう、現実じゃない、




 地面に溜まった幼虫の体液が、口の汚れたカマキリの顔を写しているのが目に入った。



 俺が動くと、そのカマキリも一緒に動く。


 あぁ、そうか。












 俺は、カマキリ。カマキリになった。











ここまでお読み頂きありがとうございます!!


是非とも!評価の方をよろしくお願いします!


目標は高望みですがランキング上位!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ