取り戻した空・おまけ
~王都の混乱~
フィノ「空が明るいと気持ちも晴れ晴れしますね♪」
イシェルナ「まったく、あんなどんよりした空じゃみんなどんどん暗く陰鬱になっちゃうわよ」
トランシュ「実際に、障気に包まれた王都の民は日に日に不安を募らせていった」
リュナン「犯罪とかも増えていきましたからね……」
オグマ「外に出られない状況では物資の流れも滞る。いつかは食糧が尽きてしまうかも、などと考えたら不安にもなるな」
トランシュ「そうして盗みを働く者も少なくなかった。このまま障気が晴れなかったら……見えない恐怖がじわじわと首を絞めるような感覚だよ」
デュー「リュナンもトランシュも余裕をなくしていたな」
リュナン「お、お恥ずかしい……」
トランシュ「…………」
イシェルナ「ま、いいじゃない。もっと酷い事になる前に障気も消えたし、結果オーライよん♪」
リュナン「姐さん……」
デュー「いくら何でもそれは……」
トランシュ「……いや、ありがとう。そうだな、今はこれから先の事を考えよう」
イシェルナ「そゆコト☆ 憂える色男さんもいいけど、ちゃんと前を向かなきゃね?」
トランシュ「ああ」
~大切な妹~
トランシュ「ミレニア……こんな危険な所に来るなんて……」
イシェルナ「やっぱり妹さんが心配?」
トランシュ「……そりゃあね。昔からすぐ無茶をして、周りをヒヤヒヤさせたものだよ」
リュナン「そういうものですかねぇ……ま、チビちゃんは可愛いから、おにーさんとしてはいろいろ心配にはなりますか☆」
デュー「おい、リュナン……」
トランシュ「可愛いだって!?」
リュナン「へ?」
トランシュ「まさか、君はミレニアの事を……!」
リュナン「いやいやいや違いますって!」
トランシュ「……そうかい? ならいいんだけど」
リュナン「目ぇ怖いよ、おにーさん……」
イシェルナ「これじゃあミレニアちゃんに彼氏なんか出来た日には大変ねぇ」
デュー「剣持ち出して来そうな勢いだな」
トランシュ「まさか!……まぁ、ミレニアを守れる技量があるかぐらいは試させて貰うかな?」
リュナン「さらっと言ったよこの人! 剣で語るつもりだよこの人!!」
デュー「並の男はまず脱落だな」
イシェルナ「まぁ、怖い★」
~騎士団に入ろう!~
トランシュ「君達は本当に強いな。騎士団に是非欲しいくらいだ」
デュー「こんな子供を勧誘するほど人材に困っているのか?」
イシェルナ「こういう時だけ子供って言っちゃうのね……」
トランシュ「どうだい? 騎士団に入らないか?」
リュナン「生憎ですが規律とか堅苦しいのはあまり……」
デュー「オレも記憶を取り戻すのが忙しい」
トランシュ「じゃあ……!!」
オグマ「え?」
トランシュ「貴方はどうですか?」
オグマ「い、いや、私は……」
トランシュ「そんな事言わずに、三ヶ月だけでもいいから……」
オグマ「さ、三ヶ月?」
トランシュ「今なら洗剤もお付けします!!」
オグマ「洗剤……」
デュー「こら、そこで揺らぐな」
オグマ「す、すまない。つい勢いに押されてしまって……」
リュナン「つーか途中から何の話かわからなくなってきましたね……」
イシェルナ「色男さん、意外とノリが良いわね」
~あの人は今~
イシェルナ「そういえば、このゴタゴタですっかり忘れてたけど……あの人達は今頃何をしているのかしら?」
デュー「あの人達?」
イシェルナ「ほら、黒ずくめでおドジな三人組……」
フィノ「あ!……えーと、なんてお名前でしたっけ?」
デュー「素で忘れてたな」
イシェルナ「王都に行くんだ~とか言ってたケド、無事辿り着けたのかしら?」
オグマ「どのみち障気で王都には近付けなかったのだから、ネグリート砦で足止めされていたのでは?」
デュー「いやむしろまだフォンダンシティにいたりしてな」
イシェルナ「酒場のバイト姿、板についてたものねぇ……」
デュー「まぁ正直どうでもいいが」
イシェルナ「あらまバッサリ」
デュー「どうせどこかで騒がしくやってるだろ」
イシェルナ「ま、それもそうね♪」
~早く宿屋へ~
オグマ「ミレニアとシュクルを早く休ませなくてはな」
デュー「そうだな。リュナンも重いだろ?」
フィノ「女の子にそれは禁句ですよ、デュー君」
リュナン「そうですよ! チビちゃんは軽いし、それにこうしているとなんだか背中に幸せな感触がむにむにーっと……☆」
デュー「お前……」
フィノ「リュナンさん、最っ低!」
イシェルナ「今のは思ってても言わない事よねぇ」
リュナン「うぐ……」
デュー「わかった、一刻も早く宿屋に行こう。トランシュが恐ろしいからな」
リュナン「は、はい……」




