蛍煌石を追って・4
「ガトー殿!」
「その様子じゃうまくいったみてぇだな、オグマ」
ガトーの鍛冶屋に戻って来ると、一行の様子で結果がわかった職人はニヤリと歯を見せた。
「障気を防ぐアクセサリー……大急ぎで人数分作るからな。腕が鳴るぜ」
「職人魂……カッコいいのじゃ……」
「ありがとよ、嬢ちゃん。早速作業に取り掛かるが、しばらくかかるから今日はもう宿屋にでも行ってな」
「はーい、なのじゃ♪」
ぱたぱたと出て行くミレニアに続いて、デュー達も出口へ向かう。
「待ちな、オグマ」
「……?」
不意に呼び止められ、オグマがガトーの方を向く。
「あの嬢ちゃん……おめぇがついて行く理由はもしかして……」
「……私の、思い過ごしなら良いのですが」
「何にせよ、しっかりついててやんな」
ガトーの言葉に、オグマはこくりと頷いた。
外では残りのメンバーがオグマを待っていた。
「どうしたんだ?」
「少し……話をしていた」
そう答える彼の顔は時刻のせいか影が落ちて、よく見えない。
怪訝そうにシュクルが小首を傾げた。
「……久々に会ったから、いろいろ言われてしまってな」
「ふぅん?……なんだかあのおじさまには頭が上がらない感じねぇ?」
イシェルナにズバリ言われてオグマは視線を彷徨わせた。
「う……そ、そうだな……ガトー殿には昔いろいろと世話になって……頭が上がらない」
「ほうほう、興味深いのぅ★」
「その辺にしとけ。それより宿屋に行くぞ」
早々に話を切り上げて、デューはすたすたと宿へ向かう。
「あ、宿屋と言えば……一階の酒場で会ったあの三人組は一体……?」
「そうか、フィノは知らないんじゃの。あれは旅のお笑い集団じゃ」
「だから嘘を教えるなと……」
ぞろぞろと宿へ行く一行。
その影は夕陽に照らされ、長く長く伸びていた。




