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Tales of masquerade  作者: 万十朗
第一部
29/455

蛍煌石を追って・4

「ガトー殿!」

「その様子じゃうまくいったみてぇだな、オグマ」


 ガトーの鍛冶屋に戻って来ると、一行の様子で結果がわかった職人はニヤリと歯を見せた。


「障気を防ぐアクセサリー……大急ぎで人数分作るからな。腕が鳴るぜ」

「職人魂……カッコいいのじゃ……」

「ありがとよ、嬢ちゃん。早速作業に取り掛かるが、しばらくかかるから今日はもう宿屋にでも行ってな」

「はーい、なのじゃ♪」


 ぱたぱたと出て行くミレニアに続いて、デュー達も出口へ向かう。


「待ちな、オグマ」

「……?」


 不意に呼び止められ、オグマがガトーの方を向く。


「あの嬢ちゃん……おめぇがついて行く理由はもしかして……」

「……私の、思い過ごしなら良いのですが」

「何にせよ、しっかりついててやんな」


 ガトーの言葉に、オグマはこくりと頷いた。


 外では残りのメンバーがオグマを待っていた。


「どうしたんだ?」

「少し……話をしていた」


 そう答える彼の顔は時刻のせいか影が落ちて、よく見えない。

 怪訝そうにシュクルが小首を傾げた。


「……久々に会ったから、いろいろ言われてしまってな」

「ふぅん?……なんだかあのおじさまには頭が上がらない感じねぇ?」


 イシェルナにズバリ言われてオグマは視線を彷徨わせた。


「う……そ、そうだな……ガトー殿には昔いろいろと世話になって……頭が上がらない」

「ほうほう、興味深いのぅ★」

「その辺にしとけ。それより宿屋に行くぞ」


 早々に話を切り上げて、デューはすたすたと宿へ向かう。


「あ、宿屋と言えば……一階の酒場で会ったあの三人組は一体……?」

「そうか、フィノは知らないんじゃの。あれは旅のお笑い集団じゃ」

「だから嘘を教えるなと……」


 ぞろぞろと宿へ行く一行。


 その影は夕陽に照らされ、長く長く伸びていた。

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