97/152
美桜の願い
『幸也先輩、悠斗先輩 私負けたくない。伴奏、やめさせないで』
先輩達を見つめて、お願いした。
『バカだなぁ・・美桜 何心配してるの?俺と美桜は、指揮者と伴奏者 一心同体じゃなかったっけ?美桜がいないと俺が困るよ』
幸也先輩が、声をかけてくれる。
『美桜ちゃん 2年7組を頼むよ』
悠斗先輩も声をかけてくれる。
その言葉に、安心したからなのか、過呼吸を起こした後だったからなのか、力が抜けて幸也先輩の胸に倒れこんでしまった私。
『美桜!』
幸也先輩の声に、先生たちが一斉に私へ駆け寄ってきた。
『どうした?』
池田先生が、尋ねる。
『ピアノ辞めたくない。って話してくれて、美桜じゃないと困るよ。って伝えたら、力が抜けたようになって高瀬の所に、倒れていった』
悠斗先輩が、話した。
『そっかぁ、安心したんだな』
内藤先生が安堵する。
『保健室連れて行きますか?』
中野先生も声をかけてくれる。
美桜を守るように、抱き締めている幸也先輩を見て誰も何も言えなかったらしい。