96/152
先輩たちの思い
『2年4組に、乗り込んでやろうか?』
と言ってくれた先輩もいた程だった。
2年7組のドアをノックする音が聞こえ、全員の視線がドアへ2年4組の中野先生だった。
『藤堂の様子はどうですか?』
池田先生に抱きしめられている私を見て驚いていた。
まさか、ここまで酷いことになっているとは、思ってもみなかったらしい。
『内藤先生・池田先生、申し訳ありませんでした。問題を起こした生徒の保護者に連絡をして引取をお願いしてあります。今は学年主任の先生と教頭先生とで、今回のこと相談中です』
先生たちが話しているのを、2年7組の生徒は黙って聞いていた。
池田先生は私を幸也先輩へ託して、内藤先生と中野先生とで教室の隅で話し込んでいる。
『美桜 心配しないで。大丈夫だから、落ち着いて』
声をかけながら幸也先輩が、私を腕の中へと導いてくれて抱きしめてくれていた。
少し空気の読めない大倉先輩が「次は俺の腕の中へ」と、
言ったので悠斗先輩に睨まれてゲンコツを落とされたようだった。