9/152
病院
病院は一度家に帰ってから行こうと思っていた私。
お迎え来てもらえないから仕方ないけど
この足で電車はキツイなぁ。と正直思ってもいた。
彩花と恵と下駄箱で靴を履き替え校門に向かって歩き出した。
『おーーーーい藤堂! ちょっと待って』
息を切らせこっちに走ってきた今堀くん
『うん? どうしたの?』
そんな私達を見つめる彩花と恵。
『今さぁ、親父に今日の事話したら、凄く怒られて、すぐ連れてきなさい! 診察するから。って言われたんだ。それでどんな具合なんだ? って聞かれて、腫れてるっぽい。痛そうで足かばいながら歩いてる。って言ったら親父が、学校終わる時間休診中だから校門まで迎えに行く。今、無茶させたらダメだからな』
って言ったんだ。もうすぐ来るから待っててくれない? と話す今堀くん
『えっ? お父さん?』
(なんで? どうして?)心のなかで疑問と戦っていたら
『あっ、今堀ん家って、今堀外科クリニックだっけ?』
恵が思い出したように、叫ぶ。
『そうだけど・・ってか叫ぶな、煩い』
(おーー今堀くんでも、そういうこと言うんだぁ)
感心している私。